母親の運転する車で病院へ向かっている途中、その助手席で女性が自分一人で出産する騒動があった。
ヘザー・パヨさんは火曜日、車でクレアトンからピッツバーグの病院へ向かっていた。しかしその道中でパヨさんは間に合わないと思ったという。

「ズボンを引き裂いてシートを倒し、赤ちゃんを産みました。フランネルシャツで赤ちゃんを包み込み、そのまま病院へ向かったのです」とパヨさん。

パヨさんの母親によると、病院へ到着した二人に誰かが「おなかに赤ちゃんがいるんだね」と話しかけてきたので、「ちがうわ。もう出産したのよ」と返事したという。その後、二人のもとに手術着を着た病院関係者が20人、守衛6人が駆けつけてきたそうだ。
(米女性、病院に向かう車の助手席で出産)

出産・分娩とは


分娩開始は、日本産科婦人科学会の規約で「陣痛周期10分以内、あるいは陣痛頻度1時間6回以上の陣痛開始時期をもって臨床的な分娩開始時期とする」と定められています。

全分娩経過は、第1期〜第3期、ときに第4期までに分けられており、以下のようになっています。
1) 第1期(開口期):分娩開始から子宮口全開大に至るまでで、破水はこの時期の末期あるいは経過中に起こる。
2) 第2期(娩出期):子宮口が全開大してから児娩出に至るまでをいう。
3) 第3期(後産期):胎児娩出から胎盤娩出までをいう。
4) 第4期:胎盤娩出後1〜2時間を指し、後出血の測定、急性変化の発見に役立つ。

第1期において破水が起こります。破水は、陣痛が強くなり子宮内圧が上昇して、先進部(正常では赤ちゃんの頭など)の下降に伴って、胎胞が破れて起こります。胎胞とは、胎児の頭と子宮頸部にはさまれた卵膜が、羊水を入れて膨らんでいる状態です。それが破れて羊水が流れ出る、というわけです。

子宮口が8cm以上開いた時点から、全開大直後の頃までの破水が「適時破水」といわれ、正常です。それ以前や以後に破水したものを非適時破水としています。

第2期(娩出期)は、上記の通り、子宮口が全開大してから児娩出までをいいます。この時点で、分娩室に移室します。子宮収縮による陣痛と、いきむことによる腹圧で赤ちゃんの頭は骨盤腔を下降していきます。

陣痛発作時には、赤ちゃんの頭が陰裂から露出し、間欠時にはまた腟内に戻るような状態になります。この時点での状態(出たり戻ったりする状態)を「排臨」といいます。続いて、赤ちゃんの頭が、陣痛間欠時でも陰裂から露出したままの状態を、「発露」といいます。

頭が娩出されたら、ただちにガーゼで顔や唇付近を清拭します。これは、赤ちゃんのの呼吸開始とともに、分泌物が気道内に入るのを防ぎます。こうした頭が出た後に、肩や腕、体や脚が出てきます。

第3期(後産期)とは、赤ちゃんが娩出され、その後ほぼ15分間に胎盤が娩出されます。この時点で分娩が終了します。

臍帯は、拍動停止を待って、臍帯を臍輪から約5cmのところで結紮し、ここからさらに約5cmくらい胎盤側で鉗子をかけます。両者の間を刃のない臍帯剪刀で切断し、結紮糸から1〜2cm離して念のための第2結紮をおきます。

第4期は第3期終了後1〜2時間を指します。この時、分娩後の母体の急変などの観察を行います。


お母さんは出産経験者ということもあり、的確な処置をしてくれたようです。
以前、「医師でも助産師でもなく出産介助を行った男性−頼れるネット?」にもあるように、医療従事者でない方が、ネットの情報をもとに出産介助を行った、という事例もありました。

どのような形であったにせよ、無事に生まれてきてくれて幸いでしたね。