先月、長編アニメ製作から引退した宮崎駿監督(72)が心臓病で通院していると、22日発売の女性週刊誌「女性自身」が報じている。

風の谷のナウシカ
風の谷のナウシカ [Blu-ray]

同誌は、今月17日に都内の循環器専門病院に通う宮崎監督の姿を撮影。9月中旬も同病院で診察を受けたとしている。また、監督は2年前から心臓疾患を抱え、散歩中にうずくまるなど、狭心症の疑いが強いという関係者談も掲載している。

所属事務所のスタジオジブリは、サンケイスポーツの取材に「プライベートなことですので、一切お答えすることはありません」としている。
(宮崎駿監督が心臓病で通院…女性自身報じる)

狭心症とは


狭心症とは、心臓の筋肉(心筋)が一過性に血液が行き渡らない状態(虚血)に陥るために生じる、胸の不快感(狭心痛)を主症状とする病期です。

原因としては、心臓を栄養している血管である冠動脈の粥状硬化(動脈硬化など)などによる冠血流の減少することが、主なものです。こうした動脈硬化などを引き起こす原因として、喫煙や高血圧症、高脂血症などがあげられます。宮崎駿さんは、ヘビースモーカーとして知られており、やはり大きな原因となりうると思われます。

狭心症の症状としては、一般的には胸部が押さえつけられる感じ(圧迫感)や締め付けられる感じ(絞扼感)を伴った、数分〜数十分続く胸痛であり、ときに左肩へ痛みが波及することもあり、冷や汗や吐き気などを伴います。

ただ、実際の臨床の場では非典型的なものも多数存在します。具体的には、上腹部痛やのどの痛み・胸やけで発症することもあり、消化器科を受診する場合や、胸の痛みに乏しく、背中の痛みや顎の張る感じ、または左肩の凝りが主体で整形外科を受診する場合などもあります。

多くの場合症状は一過性ですが、心不全を伴うような重症例(多枝冠動脈病変に伴う)では、喘鳴を伴う呼吸困難、起座呼吸が出現(心臓喘息)することもあります。

狭心症の診断


診断には、初診時には狭心症類似疾患の鑑別、合併症および狭心症に影響を及ぼす疾患の有無につき調べる必要があります。

安静時心電図、胸部X線、血清CK値など簡便に行える検査にて急性心筋梗塞を除外するとともに、狭心症に影響を与える不整脈、高血圧、大動脈疾患による左室肥大、甲状腺機能亢進症などの心筋酸素需要を増大させる疾患や、貧血・肺機能低下などの疾患の有無を明らかにしておくことが必要です。

狭心症の正確な診断には、心電図(非発作時には約半数の症例で心電図異常を認めない。発作時心電図をとらえるためには、運動負荷心電図およびHolter心電図が有用)や、心臓超音波検査(非侵襲的に心筋の壁運動異常をとらえることが可能)、核医学検査(RIを用いた狭心症の診断には201TIおよび99mTcによる心筋シンチグラフィおよびRIアンギオグラフィを行うことにより,心筋虚血部位への血流の相対的減少や虚血部心筋の壁運動の異常,駆出率の低下を検出する)、心臓CTなどがあります。

【関連記事】
狭心症でステント治療を受けた71歳男性

狭心症でCABGを受けていた−蜷川幸雄さん