日経メディカルの記事に、「高山病、時差ボケ 利尿薬と眠剤が要」という記事が掲載されています。旅行のときに有用だと考えられますので、ご紹介いたします。

自分でできる「不眠」克服ワークブック:短期睡眠行動療法自習帳
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高山病の治療薬


高山病は標高2000m以上の高所で低酸素により生じる身体症状の総称。重症化すれば、高所肺水腫や脳浮腫を来し得るが、大半は頭痛や吐き気、脱力感などの山酔いの症状が表れる。高齢者では標高1500m以上、つまり富士山の五合目でも発症リスクがある。

こうした旅行者に予防薬として保険外診療で処方しているのが、アセタゾラミド(商品名ダイアモックス)だ。緑内障などに使われる利尿薬で、脳血流量増加や呼吸中枢への刺激作用があり、低酸素状態を改善するとされる。高所に行く前日、および現地到着後3日間の計4日間、1回2分の1錠(125mg)を1日2回内服させる。もちろん、高山病予防には、高度を徐々に上げ、水分を十分補給することが大切。登山中、深く大きく呼吸し、体内のガス交換を効率的に行うことも効果的である。

なお、アセタゾラミドは、高山病発症時の頓用薬としても有効である。1錠(250mg)を1日2回服用する。治療的内服も念頭に、私は旅行者に対し1回に10錠ほど処方することが多い。もっとも、高山病の一番の治療法は、速やかに高度を下げること。中には、血管拡張作用のあるCa拮抗薬や、重症化予防のためにプレドニゾロンの処方を希望する旅行者もいるが、このような薬剤に頼らなければならない状況になる前に、50mでも100mでも下山してほしいと私は強調している。

時差ボケの治療薬


時差ボケは、4〜5時間以上の時差がある地域に、飛行機で高速移動した際に表れる心身の不調。体内時計と生活時間にずれが生じることで生体リズムが障害され、一過性の睡眠障害が出現する。

時差ボケ防止には、飛行機搭乗前日から現地時間に合わせた生活に意識的にシフトし、機内では現地到着時刻に合わせて睡眠を取ること、到着後は日中になるべく日光を浴びることなどに留意する。

ただしそれでも渡航が心配なら、短時間作用型睡眠薬であるゾルピデム(マイスリー)を処方する。副作用の発現や依存性の低さなどから、一過性の睡眠障害に適する。私も渡航時には、出国数日前から徐々に現地時間に合わせた生活に切り替え、現地到着後はゾルピデムを使用している。3日間ほど服用すれば現地時間に慣れるし、帰国後も2、3日内服し生活をリセットしている。


備えあれば憂いなし、とはよく言ったもので、薬を用意するだけでも、安心できるのではないでしょうか。
私も経験がありますが、時差ボケは結構、つらいものですね。上記の薬以外に、ラメルテオン(商品名 ロゼレム)というメラトニン受容体を刺激する眠剤もあります。こちらは副作用も少なく、オススメです。

楽しい旅行にするためにも、健康問題などでご不安なことがございましたら、お近くの医療機関で相談されることが望まれます。

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