女性自身に、「美容の大敵で免疫疾患も…“口呼吸”は万病のもと」という記事が掲載されていました。

「人間の体の構造上、口は消化器官であり飲食物の通り道であって、呼吸器官としての機能はもちあわせていません。そのため鼻で呼吸していれば起こらないような弊害が、口呼吸によっていろいろと生じてくるのです」

こう語るのは『顔と口腔の医学』の西原研究所所長の西原克成先生。
顔と口腔の医学―生命と病気の謎をミトコンドリアと生体力学で解く
本来呼吸は鼻でするものだが、口で呼吸する人が最近急増中。西原先生によると口呼吸は免疫疾患やがんの原因にもなりうる、まさに万病のもとだというのだ。口呼吸で起こる主な弊害は以下の5つ。
・喉が痛くなる
・喉を通して最近やウイルスに感染しやすくなる
・免疫力の低下や異常をきたし免疫病を招きやすくなる
・口の中が乾いて細菌やウイルスが侵入しやすくなる
・口の中が乾いて、唾液による浄化機能が低下し、歯の健康が損なわれやすくなる

というものだそうです。

「鼻は優秀な加湿器・空気清浄機なのです。人体に取って有害な異物を浄化して生体を感染から守る機能も備えています。呼吸は、鼻で行うのが正しい方法なのです。喘息や花粉症の患者のほとんどは口呼吸です。花粉症だから口呼吸になるのではなく、口呼吸だから花粉症になるのです」(前出・西原先生 以下同)

「口呼吸は呼吸器系、心臓など循環器系にも負担をかけますし、いびき防止の意味でも鼻呼吸することが大切です。鼻呼吸ができている人は口がしっかり閉じていられる筋力があるので、口の周りのしわやたるみが起こりにくいのですが、口呼吸では表情筋を使う頻度が減ります。筋肉は使わないと衰えるので、目の周りのたるみ、小じわも増えていく。なにより口呼吸は老化の原因となるのです」

「口呼吸の習慣を直すには、食事中は口をきちっと閉じ、クチャクチャ音を立てないよう、鼻で呼吸をしながらゆっくりよくかみましょう。正しい呼吸法や、寝相も大切です。鼻呼吸は酸素が体の中にたくさんとり入れられるので、脳の頭の働きもよくなり頭がスッキリして、健康増進にもつながります」
鼻の中には、甲介とよばれるヒダがあり、3段の棚のようになっています。この構造の存在により、表面積が広くなり、吸気が通過する際に
・加温(鼻粘膜の海綿静脈叢の効果による)
・加湿(気道から蒸泄する水分の約1/2)
・除塵(塵埃の45%を除くといわれる)
の効果があります。

そのため、鼻呼吸ならこうした調節作用が働きますが、口呼吸の場合はこれらの作用は、ほとんどなくなってしまうわけです。逆に言えば、口呼吸だと乾いた冷たい空気がそのまま入ってきてしまい、塵埃・アレルゲンなどもそのまま吸い込んでしまうことになります。

結果、口の中が乾燥しやすく、細菌が繁殖しやすくなってしまい、口臭や虫歯、歯周病などの原因になってしまったり、(かぜなど)上気道炎の原因にもなると考えられます。

風邪を引きやすい、鼻炎になりやすい方は、口呼吸になっているかどうか、ご確認を。

「口呼吸」をやめれば若くなる!
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