中国で、8歳の少女が肺がんを発症していることが確認された。同国で過去最年少の患者となるが、医師らは大気汚染が肺がんの直接的要因と述べている。中国国営メディアのウェブサイトで報じられた。

中国国営の新華社(Xinhua)通信のウェブサイト「新華網(Xinhuanet)」によると、この少女は、中国東部、江蘇(Jiangsu)省の幹線道路そばに暮らしている。江蘇省南京(Nanjing)にある江蘇省がん病院(Jiangsu Cancer Hospital)の医師によると、少女は長期間にわたって有害粒子とちりにさらされていたという。

米国がん協会(American Cancer Society)によれば子どもの肺がん発症は極めてまれ。発症が診断される平均年齢は70歳ほどだ。

だが、中国では、急速な発展により都市部を中心に大気汚染が拡大する中、肺がん患者が急増している。北京(Beijing)市の保健当局によれば過去30年で肺がんに関連した死亡は4倍に増えており、スモッグで覆われた北京市での最大の死因となっている。
(8歳少女が肺がんに、中国で最年少)

本当に大気汚染が原因かどうかは不明ですが、肺癌と診断されたのには、驚きを感じざるを得ません。今回は、若年者の肺癌について調べてみました。

肺癌学会に投稿された論文では、「若年者肺癌手術症例の臨床的検討」によると、17歳の女性が最年少であるとのことです(こちらは腺様嚢胞癌であるため、一般的な肺癌とは異なりますが)。

あとは、「15歳で発見された高分化胎児型腺癌の1例」という症例も報告されています。こちらは、高校入学時の健康診断のレントゲン撮影で発見されたようです。
17歳で発症した低分化型肺扁平上皮癌の1例」という症例も報告されています。こちらの症例では、左側頭部の瘤(転移した腫瘤だったようです)で発見され、急速に進行した肺癌で亡くなってしまったようです。

このように、若年性肺癌(40歳未満を指すことが多いようです)は、ちょっと検索しただけでもいくつも報告されているようですが、8歳というのはそれにしても若年発症ですね。もし大気汚染が原因であるとすれば、しっかりとした対応・対策が望まれます。

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