2013年12月26日放送のニッポン放送系のラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』(毎週木 25:00 - 27:00)にて、お笑い芸人の出川哲朗がゲスト出演していた。そこで、出川哲朗に暴露される形で、お笑いコンビ・ナインティナイン・岡村隆史が、男性型脱毛症(AGA)の治療薬を内服中であると告白していた。

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岡村隆史:非常に良いにくい話なんですけども…。この2013年、出川さんが仰ってたように、薄毛を気になり始めていました。

矢部浩之:それは言うてたやん。

岡村隆史:はい…。「ハゲるなら、ハゲ上がれ!」と言ってきましたが、ハゲたくありません!

矢部浩之:ふふ(笑)どうしたの?

岡村隆史:その一心で、病院に駆け込んでしまいました!

岡村隆史:前髪を上げた写真と、脳天の写真を撮られてやなぁ。

岡村隆史:「これから診断しますんで」って言われとんねん、こっちは(笑)

矢部浩之:先生に色々言われたこと教えてよ。説明、受けるんでしょ?(笑)

岡村隆史:「これは考え方です」と。「岡村さんの今のままでも、僕はハゲではないと思います」と。

矢部浩之:なるほど(笑)

岡村隆史:「歳相応の髪型だと思います」と。

岡村隆史:「もっと若くしてハゲる人はいますけど…岡村さんが考えられる43歳の髪型は、どこにありますか?」って訊かれて。

矢部浩之:なるほど。

岡村隆史:「僕が思ってる43歳よりかは、少なめではないか、と思います」って。「ならば、しょうがないですね。地道にやっていきましょう」って。シャンプーやら、頭に塗る育毛剤を支給されて。普通にしてたら、人間、年を重ねると抜けてきます、と。

岡村隆史:抜け始めた人の資料があって。「治療し始めた方の写真です」っていうて、「1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月…」って経過で、結構、フサフサってなってたから、「先生…僕もこうなりたいです」っていうふうに、お答えしたんです。
(ナイナイ・岡村「薄毛治療薬を内服中」と告白)

男性型脱毛症とは


脱毛症とは、毛髪が異常に脱落する状態だけでなく、毛は抜けないが毛の質や太さ、色調などが変化し、毛がまばらに見える状態も含まれます。分類としては、先天性か後天性か、誰にでも起こるものか病的なものか、他病の一症状かどうかなどによって分けられます。代表的なものには、円形脱毛症や男性型(壮年性)脱毛症があります。

特に、男性型脱毛症で悩まれている方は多いようで、成人男性(5013万人)のうち推定薄毛人口は1342万人で、薄毛率は26.78%であり、1982年の第1回調査に比べ722万人増、薄毛率は1.72倍になっているそうです。

中でも、男性型脱毛症(androgenic alopecia;AGA)とは、いわゆる男性ホルモンが関与する脱毛症です。思春期過ぎより、遺伝的基盤をもつ男性の頭頂部から前頭部の毛が薄くなってくる状態を指します。

男性ホルモン作用により、太く長い終毛が細く短い軟毛に変化し禿げたようにみえる状態(硬毛の軟毛化)であり、初期には毛の数は変わらないが後に減少します。

原因としては、毛周期において成長期が短縮し、休止期毛の割合が増加してくることが考えられます。毛周期とは、毛髪の生え変わる様子を説明したもので、毛器官の周期的な組織変化(生えてから抜け落ち、また生えるまでなど)を指します。

具体的には、「成長期(2〜6年)→退行期(2週間)→休止期(3〜4カ月)→成長期…」となっています。毛髪を産生する時期を成長期といい、一定期間続くと毛母を含む毛球は萎縮して退行期に移行します。退行期の毛根部は、アポトーシスにより次第に退縮して休止期毛器官となります。

平均的な頭髪の本数を10万本とすると、1日50〜80本程度の抜け毛は生理的脱毛の範囲ということになります。ですが、男性型脱毛症(AGA)になってしまうと、成長期が始まったかと思うと、すぐに退行期に突入。毛髪が太く長く成長せずに、細く短いうぶ毛のような状態(軟毛)のまま抜けてしまいます。

男性型脱毛症の治療


AGAの脱毛部にはDHT(ジヒドロテストステロンであり、テストステロンが5αリダクターゼによって変換されたもの)が高濃度にみられ、これがヘアサイクルの成長期を短くする原因物質と考えられています。

そこで、プロペシアが治療法として考えられました。これは「5αリダクターゼ阻害薬」というものであり、5αリダクターゼ阻害薬は、上記のDHT(ジヒドロテストステロン)が作られるのを阻害します。その結果、短くなってしまったヘアサイクルの成長期を延長してくれます。

薬代は1錠250円程度です。消費税を含めると1ヶ月約7,800円となっています。ただ、3年経過後は2日に1回や3日に1回の服用でも髪を維持できることが多くなってくるので、薬代も減らせることができるそうです。

ただ、副作用としては、眠気、精力減退、初期脱毛、重いものでは消化器症状や発熱、肝障害といったことが起きる可能性もあるため、定期的な受診が望まれます。

また、頭皮を清潔に保ち、発毛剤・育毛剤で毛根部の血流増加、栄養補給、毛包環境整備を図ることも重要です。養・育毛剤としてはペンタデカン酸、塩化カルプロニウムなどが、発毛剤としてミノキシジールが認められています。現在では、ミノキシジールの含有液(リアップなど)が販売されています。

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