29日に掲載された現代ビジネスの「医者を本気にさせる患者と「その家族」 医者も人間、あなたは適当にあしらわれていませんか」という記事が興味深かった。

「適当にあしらう患者」「普通に診る患者」「本気を出す患者」-多くの医者は、心の中で患者を3つに分類しているという。

「そんな分類、してねぇよ」っていうツッコミはとりあえず置いておくとして、確かに検査データや治療方針説明などで、「気をつかって丁寧に話をしようとする」という患者さん、そしてそのご家族というケースはあると思う。

この記事のポイントをまとめると、以下の様なものになるのではないだろうか。
1) 内服などの指示や、生活指導をきちんと守る。
2) 検査方法や治療法などに素人考えで口出し・決めつけをしない。
3) 治療法などを「先生にお任せします」などと全て医師に丸投げしない。
4) クリニックからの紹介状を持参する。
5) 症状をまとめたレポート、質問メモを用意するなど、短時間で要点を押さえて話をする。
6) 医師の説明を聞く際、メモやレコーダーで録音するなど、真剣さを伝える。
7) 「自分の親戚は医者だ」などと威圧的な態度は逆効果。
8) 家族として支える真剣な姿勢を示す。

このポイントを見て改めて思うことは、結局のところ、患者さん本人と医師、患者さんのご家族と医師の関係性全て、人対人なんだということを前提に考えてもらえれば、医師も嫌な顔せずに診療を行う、ということじゃないだろうか。

妙に威圧的な態度の人や、口調が荒い人、最低限の礼儀などをわきまえずに話をする人…そうした人と相対する時、患者に寄り添って治療を行おうとするよりは、「標準的な治療をして、問題にならなければそれでいい」といった態度になってしまうような気がする。

体調が悪い患者さんご本人であったり、心配する家族の立場も分かるが、ぜひ、「相手も人なり」ということを思い出して欲しい。崇め奉る必要はないと思うが、「あまり面識のないご近所さん」程度には礼節を持って欲しいところではないだろうか。

また、時間が限られた中での診療なので、短時間のうちに情報収集・話し合いを円滑に進めたいと医師も思っている。4)-6)のポイントは、よくその点を具体的に表していると思われるので、参考にしてもらいたいところだ。