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うつ病

派遣長期化によるストレスが原因?米陸軍で自殺者が急増 

米陸軍のまとめた現役軍人らの自殺件数が、状況から自殺と推定される2人を含め、昨年101人に達した。AP通信などが15日伝えたもので、自殺率では26年ぶりの高率で、約3割がイラク、アフガニスタンへの派遣要員だった。

このうち、自殺と断定されたケースは99人(前年88人)で、陸軍定員に対比した自殺率は、10万人あたり17.3で前年の12.8を上回った。米中枢同時テロが起きた2001年の自殺率は9.1で、対テロ戦争の開始から2倍近くに増えた。

推定例の2人を含め、イラク、アフガニスタンへの派遣要員の自殺者は30人。派遣要員の自殺では、米軍がイラクに進攻した03年の26人を上回り、イラク戦争後では最多だった。

16日に正式発表の年次集計は、「自殺と(イラクなどへの)派遣期間との間には、明確な相関関係がみられる」と分析。路肩爆弾などを使った反米テロの相次ぐイラクなどへの派遣長期化が、要員のストレスを増加させる実態を警告した。

米陸軍のイラク派遣期間は、派兵増強策の影響で、通常の12カ月から3カ月間延長する暫定措置がとられている。
(米陸軍で自殺者が急増 派遣長期化ストレス)


うつ病の怖い点は自殺との深い関係にあります。ここ数年、自殺は増加傾向にあり、年間自殺者は3万人を超えてしまいましたが、自殺者の大半はうつ病にかかっているといわれています。

うつ病になると自責の念や死にたいという気持ちが強くなり(希死念慮)、判断力も低下してしまうので自殺のリスクが大きくなります。統計的には重症うつ患者の6人に1人が自殺により命を失うといわれています。

うつ病患者では、抑うつ感、将来への不安、焦燥などのために自殺することを望んだり、実際に実行してしまうことがあります。抑うつ感などによる苦痛の強い場合、不安・焦燥の強い場合、極端に自己評価の低い場合、罪責感の強い場合、妄想の見られる場合などは自殺のリスクが高いと考えられるため、より注意が必要です。

戦地という非常にストレスのかかる場所に長期間、職務とはいえ居なければならないとなれば、自ずと大きな負担となってしまっていることでしょう。しかも、そこから逃れようとすれば、ペナルティが科せられてしまうと考えれば、悲観して自殺を考えてしまう人もいるでしょう。

心理的に支えとなるような医療提供チームの編成や任期の短縮などが、今後は必要となってくると思われます。

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一般企業より深刻 地方自治体職員の「心の病」

県庁や市役所など地方自治体で、職員の「心の病」が一般企業以上に深刻になっていることが、社会経済生産性本部メンタル・ヘルス研究所(東京都渋谷区、小田晋所長)の調査で分かった。この研究所は自治体に求められる役割が急速に変化する中で、活力ある組織づくりが課題としている。全国の都道府県市区町村1874自治体を対象に4月にアンケートを実施。727自治体から回答を得た。

最近3年間での「心の病」の増減状況について、47・7%が「増加傾向」と回答。規模別では、職員数3000人以上で78・6%、1000人以上3000人未満で64・7%、1000人未満で43・4%だった。

昨年実施した一般企業の調査では、社員3000人以上では66・2%、1000人以上3000人未満で60・2%、1000人未満は55・9%で、組織規模が大きいほど、企業より自治体の方が職員の「心の病」が深刻なことが浮かび上がっている。また「1カ月以上の休職者が現在いるか」については、3000人以上、1000人以上3000人未満の組織ともに、自治体の方が「いる」割合が高かった。

最近3年間で市町村合併した自治体が約3割あったが、「心の病」の増加傾向との因果関係はみられなかった。しかし、職場環境に着目すると、職場での助け合いが「減った」と答えた自治体の56・3%で「心の病」は増え、「減っていない」では39・7%にとどまった。

また、全体として「住民の行政を見る目が厳しくなっている」(82・3%)と感じている自治体が多い。
(なぜか一般企業より深刻 地方自治体職員の「心の病」)


市町村合併に伴い、とりまく環境が異なったり、行政に向けられる目が、厳しいものとなっていることが一因となってはいるようです。

うつ病の原因の一つとして、心理学的・精神病理学的な仮説があります。これは、几帳面・生真面目・小心な性格を示すメランコリー親和型性格を持つ人が、職場での昇進などをきっかけに、責任範囲が広がると、すべてをきっちりやろうと無理を重ね、うつ病が発症するという仮説です。生真面目な人であるほど、うつ病の発症リスクが高いと考えられています。

現に、ストレスなどによって、セロトニンやノルアドレナリンなどの脳内の神経伝達物質の働きが悪くなり、それによってうつ病が起こるといわれています。セロトニンとノルアドレナリンは、意欲や活力などを伝達する働きをしているため、この働きが悪くなると憂うつ感などを引き起こしてうつ病の症状があらわれるようになるといわれています。

これだけ多くの休職者がいるということは、職場や体制に問題があると言わざるを得ないでしょう。職場での問題点をしっかりととらえ、改善することが必要となっていると思われます。

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うつ病:「自殺すると言う人は死なない」は偏見?

「『自殺する』という人は、本当は自殺しない」。こうした自殺に対する「偏見」を5割以上の人が抱いていることが4日、内閣府が発表した「こころの健康(自殺対策)に関する世論調査」で分かった。調査は自殺対策基本法施行を受け、今年5月に全国の成人3000人を対象に実施。回収率は57.6%だった。調査によると、「自殺者は年間3万人を超え、交通事故死者の4〜5倍」という実態は、66.4%が知っているなど、自殺への関心は高い。

しかし、世界保健機関(WHO)が指摘する自殺について広くいわれる偏見の典型例を示したところ、「自殺は覚悟の上の行為」58.3%、「自殺を口にする人は本当は自殺はしない」50.0%「自殺は何の前触れもなく突然起きる」46.0%などといずれも半数前後が誤って理解していた。

自殺の要因である鬱病については、「気分が重い」「落ち着きがない」などの主な症状を84.1%が「知っていた」と回答。ただ、身近な人の鬱病の症状に気づいた場合、89.2%が受診を勧めると答える一方、自分が鬱病の症状に気づいた場合、受診するとしたのは56.5%に止まった。
(「自殺すると言う人は死なない」5割が偏見)


うつ病とは、気分障害の一種であり、抑うつ気分や不安・焦燥、精神活動の低下、食欲低下、不眠などを特徴とする精神疾患です。あまり生活に支障をきたさないような軽症例から、自殺企図など生命に関わるような重症例まで存在します。うつ病を反復する症例では、20年間の経過観察で自殺率が10%程度とされています。

生涯のうちにうつ病にかかる可能性については、近年の研究では15%程度と報告されています。日本で2002年に行われた1600人の一般人口に対する面接調査によれば、時点有病率2%、生涯有病率6.5%とされています。

DSM-IVの診断基準は、2つの主要症状が基本となります。それは「抑うつ気分」と「興味・喜びの喪失」です。この2つの主要症状のいずれかが、うつ病を診断するために必須の症状であるとされている。
「抑うつ気分」とは、気分の落ち込みや、何をしても晴れない嫌な気分や、空虚感・悲しさなどです。
「興味・喜びの喪失」とは、以前まで楽しめていたことにも楽しみを見いだせず、感情が麻痺した状態です。

うつ病患者では、抑うつ感、不安、焦燥などのために自殺することを望んだり、実際に実行してしまうことがあります(希死念慮といいます)。抑うつ感などによる苦痛の強い場合、不安・焦燥の強い場合、極端に自己評価の低い場合、罪責感の強い場合、妄想の見られる場合などは自殺のリスクが高いと考えられるため、より注意が必要です。

医師としても、うつ病を疑った場合、「そんなにつらいと死にたくなることはありませんか?」「ひどく落ち込んで、自殺について考えてしまうことはありませんか」などと尋ねることが必要とされています。

決して、注意を引きたいといったことや、ハッタリなどではなく、支持的に接する必要があります。「死にたい」といった言葉は、心からの必死の訴えであることがあります。軽んじることなく、診察を受けさせることが望まれます。

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高島忠夫さん「『うつ』への復讐〜」

男性更年期障害?うつ病?吉田拓郎のHPで告白の波紋

シンガー・ソングライターの吉田拓郎(61)が、今年に入って、深刻な「うつ状態」に陥っていたことを綴った告白文を一時、公式ホームページ上に掲載していた。ファンから心配する声もあがっていたが、文面はすでに削除。現在は夏のコンサートツアーに向けて万全だという。

拓郎の“うつ病告白”が掲載されていたのは、先月25日からの約1週間。
2003年に肺がんの手術を無事成功させ、昨年9月の「つま恋ライブ」では約3万5000人のファンを沸かせて完全復活を果たしただけに、ファンの間で衝撃が走った。

「ご無沙汰の極致でありました」で始まる文面では、今年1月ハワイ旅行に向かう機上で失神状態になったことを告白。
「ハショッテ言いますと…更年期障害、ストレス、うつ病への入り口 職業病などなど…肩こりなど無縁だったのに強烈に痛む、食事もビールも美味しいが吐き気も突然おいでになる、明るい性格で悩まない人だったのにウツだなんて…」など、ざっくばらんな口調ながら、苦悩の日々が綴られていた。

所属事務所に問い合わせると、「本人が書いたものです」と認めた上で、「ファンの皆さんを心配させるつもりで書いたものではありません」と説明。文面を消去したことについては、「深い意味はなく、文章が(蓄積されて)縦長になるとスクロールしなければならず、読みにくい。以前から、新しい文章が届くと差し替えています」と一般のブログとは異なる“拓郎主義”を代弁した。
(がん再発不安で?拓郎「うつ病告白」の波紋)


うつ病とは、気分障害の一種で、抑うつ気分や不安・焦燥、精神活動の低下、食欲低下、不眠などを特徴とする精神疾患です。あまり生活に支障をきたさないような軽症例から、自殺企図など生命に関わるような重症例まで存在します。

その成因となるのは、以下のようなものが存在します。
・一過性の心理的なストレスに起因するもの
・統合失調症・パニック障害など、他の疾患の症状としてのもの
・季節や生体リズムなど、身体の内部の変調によって生じるもの(内因性うつ病)


「更年期障害、ストレス、うつ病への入り口 職業病などなど…肩こりなど無縁だったのに強烈に痛む、食事もビールも美味しいが吐き気も突然おいでになる、明るい性格で悩まない人だったのにウツだなんて…」ということなので、色んな成因が混ざった状態のようです。

男性にも更年期障害は存在し、男性更年期障害(PADAM)と呼ばれています。加齢に伴うアンドロゲンの低下による諸症状が生じてくると言われており、女性の更年期障害とも症状が似ているそうです。漫画家のはらたいらさんが、PADAMであることを告白したことがあります。

臨床症状としては、疲労感、集中力低下、体力(筋力)低下、抑うつ、意欲の低下、性欲低下、勃起障害、自律神経失調症など、多彩です。もしかしたら、拓郎さんもこうした症状が原因となって、一時的にHPで告白したような状態になった、とも考えられます。

治療法としては、カウンセリングを行うとともに、男性ホルモンの低下症例にはホルモン補充を行います。ホルモン補充に関しては、前立腺癌では癌の増殖を促してしまうため、あらかじめ確認する必要があります。

国内で認可されている男性ホルモン薬は、注射薬のエナント酸テストステロンがあります。125〜250mgを2〜4週に1回筋注します。副作用として多血症が挙げられていますので、採血し、男性ホルモンと一緒に血色素濃度を測定する必要があります。

現在は回復し、レコーディングの真っ最中だそうです。今後も、元気にご活躍なさって欲しいと思われます。

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