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がん検診

乳癌、大腸癌など、がん検診の受診率

ソニー損保は2009年10月30日、がん検診に関する意識調査の結果を発表した。それによると調査母体においては、がん検診を受けた経験のある人は4人に1人足らずであることが分かった。特に男性は検診率が低く、また、受けたいと思う人の割合も低い傾向がみられる。

今調査は2009年10月19日から20日の間に携帯電話によるインターネット経由(ネットエイジア利用)で「がんになった経験が無い人」を対象に行われたもので、有効回答数は1000件。男女比は1対1で、年齢階層比は10代・20代・30代・40代で均等割り当て。

男女別で見ると圧倒的に男性の方が検診に対する関心度が薄く、検診率も低い。検診経験率は男性が13.6%・女性が34.2%と、男性は女性の半分以下でしかない。また、がんの特性(蓄積性のあるものとされており、歳を経るごとに発症率が高くなる)もあってか、年齢を重ねるごとに検診率が高くなっていくのが分かる。10代はわずか2.0%しか検診率が無く、「受けたいと思っていない」人も約6割に達している。しかし40代でも半数程度しか「がん検診」を受けていないという現実も確認できる。

それではがん検診を受けていない人は、何がしかの理由があるのだろうか。複数回答で選択肢を選んでもらったところ、もっとも多い回答は「検診を受けるタイミングが分からない」だった。

「今のところ特に体に異常が見られない」が第二位についているが、逆説的に「体に異常が見られてから検診を受けるのでは遅い」場合もあることを考えると、理由としては適切ではないと考えられよう。

一方で「検診にお金がかかる」「検診へ行く時間が無い」「どこで検診を受けたらよいか分からない」「子供がいて、検診時に子供を預かってもらうことができない」など、行政の対応次第で状況が改善できそうな項目も多数の意見が寄せられている。冒頭で触れているように、がんが国民の健康問題において重要な要素となっていることを考えれば、対応は必要不可欠といえる。

また、男女別で見るとほぼすべての項目で男性よりも女性の方が意見が多い事が分かる。そして第一位の項目が、男性は「今のところ特に体に異常が見られない」・女性が「検診を受けるタイミングが分からない」であることを見ると、最初のグラフにもあるように「女性はがん検診をもっと積極的に受けたいのだが、色々な理由があり受けられない場合が多い」ことが想像できる。
(がん検診、受けた経験ある人は男性1割・女性3割)

がん検診とは、比較的簡便で侵襲の少ない手技(一次検診)により、癌の有無を予備的に診断することを指します。陽性ならば、精密検査(精検、二次検診)を行い診断を確定します。

それぞれの検査の有用性は、目的とする癌がどの程度重要か(死亡率、有病率)、発見された癌に対する治療がどの程度有効か、一次検診が検査としてどの程度すぐれているか(敏感度、特異度、費用、安全性、簡便性)によって異なります。

一般的には、胃癌、子宮癌、乳癌、大腸、肺癌のがん検診が行われることが多いようです。

胃癌では、X線検査、内視鏡検査が診断に重要です。内視鏡検査は多くの施設でスクリーニング検査として行われています。X線検査はその後に病変の拡がりを客観的に捉えるための精密検査として行われていることが多いです。また、検診において、X線検査も主として用いられています。

子宮頸癌/子宮体癌の検診も非常に重要視されています。
子宮頸癌の診断の基本としては、視触診と組織診があります。視触診には内診があり、コルポスコープ(一種の拡大鏡で、子宮頸部を拡大して観察する道具)による詳細な子宮頸部の観察と、異常部位を狙った、狙い組織診が必須となります。

細胞診はスクリーニングに重要ですが、病巣の診断においても欠かせない重要な手段となっています。中には、細胞診でのみ病巣が把握されることもあります。細胞診に異常が認められた場合には、コルポスコピーを行い、狙い組織診を実施することになります。場合によって(確診できない微小浸潤の有無など)は、円錐切除術が行われることもあります。

子宮体癌においても、内膜細胞診はスクリーニング検査として不可欠なものであり、不正性器出血などの症状を有する場合は積極的に行う必要があります。

その他、乳癌や大腸癌に関しては、以下のような検査があります。
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乳がん、検診で発見はたったの2割

乳がん患者のうち、乳房のエックス線(マンモグラフィ)などを使った検診でがんが見つかったのは2割に過ぎず、4人に3人は、検診を受けずに自分でしこりなどの異常に初めて気づいて病院を受診したことが、日本乳癌学会の大規模調査でわかった。

自分で発見する場合、早期がんより進行している例が多く、専門家は「早期がんの発見には、マンモグラフィ検診が有効だ。乳がんの死亡率を下げるには、低迷する集団検診の受診率を上げることが不可欠」と指摘している。

同学会は、乳がんの診断や治療を行う全国226か所の医療機関から、2004年度にがん登録した乳がんの新患者約1万4800人(平均年齢57歳)のデータを集計。これは全国の年間新患者数の約4割にあたる。その結果、患者が乳がんに「自分で気づいた」と答えたのが73・8%に上った。検診で見つかったのは20・4%で、このうち自覚症状が全くなかった人は、14・7%だった。

直径2センチ以下の早期がんで見つかったのは45%に過ぎず、43%は2・1〜5センチに達していた。発見時にリンパ節に転移していた人も、3分の1を占めた。リンパ節に転移しない乳がんの10年後の生存率は約9割と高いが、転移をしていると7割以下に落ちるという。

同学会理事長の園尾博司・川崎医大乳腺甲状腺外科教授は「胸を触る自己診断で見つかる乳がんの大きさは平均約2センチで、自然に気づく場合は3センチ以上が多い。マンモグラフィ検診への理解を広げることが大切だ」と話している。乳がんの死者数は、年間約9800人。30〜50歳代の女性のがんでは、死因の1位となっているが検診の受診率は1割台に低迷している。
(乳がん、検診で発見2割…乳癌学会が受診率の向上訴え)


多くの女性が乳癌に最初に気づくのは、ほとんどが自分で「しこり」に気づいたため、との結果のようです。検診にて発見されるのは、たった2割でしかないと判明しました。

その原因としては、乳癌検診の受診率が低いままで、「しこりが無ければ大丈夫」と思われる女性が多いと考えられます。ですが、「胸を触る自己診断で見つかる乳がんの大きさは平均約2センチで、自然に気づく場合は3センチ以上が多い」といったことや、「発見時には既に、リンパ節に転移していた人も、1/3」といったことからも、検診率の上昇を目指す必要があります。

一般的な乳癌のスクリーニング検査としては、問診、触診、軟X線乳房撮影(マンモグラフィー)、超音波検査等が実施され、臨床的に疑いが生じると、生検が実施され組織学的診断により癌かそうで無いかが判別されます。

乳癌発症年齢は20代から認められ、45歳がピークとされます。特に40〜50歳代の方は、是非とも乳癌検診を受けられることが望まれます。

【関連記事】
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