2007年04月28日放送の『人体再生ロマン3もう一度抱きしめたい』にて、手術で身長を20cm伸ばした女性が登場する模様です。

ロシアのイリ−ナ・ロボヴァさん(23)
彼女はいま、新たな人生の一歩を踏み出している。少し前までの彼女は『軟骨無形成症』という先天性の病気によりきわめて低い身長だった。しかし、現在の彼女はその苦悩から解放されている。なぜなら彼女の足は、ある治療により、何と20cm以上も伸びたからだ。

イリーナさんが治療を受けたのはロシア・モスクワから2000キロ離れたシベリア西部の街クルガンにある「イリザロフセンター」。この整形外科専門の病院には骨を伸ばしたり、足の奇形の治療を直すために数多くの患者が入院している。

にわかに信じがたいこの治療を可能にしたのは、「イリザロフ法」と呼ばれる骨の延長治療である。「イリザロフ法」は、ロシアの外科医・イリザロフ博士が開発したもので、人体がもともと備えている“再生力”を利用したものである。人間の身体は、骨が折れると、その骨折した箇所を再生しようとして、隙間に新しい骨を作る。その隙間を徐々に広げていくことで、「原理的には骨は無限に伸びていく」と医師は証言する。

この治療には激しい痛みを伴う。しかし、この治療法を求めて病院を訪れる患者は後を立たない。日常生活にも不便が付きまとう現状を変えようと、この治療に明るい未来の希望を求めているからだ。
(ロシアに存在した! 究極の人体再生医療…骨は無限に伸びる!?)



この方法は、イリザロフ法(イリザロフ創外固定術)といいます。
この方法を開発した旧ソ連のイリザロフ医師は、シベリアの片田舎に住んでいました。1950年代、骨折治療のために独自に作った固定器を使っていましたが、骨折部を圧縮するためにネジを締めるところを、誤って逆に回し、引き離してしまったそうです。このことから、骨が伸びることが見つかったといいます。

イリザロフ法という骨延長術は、まさに骨を伸ばす「再生医療」だといわれています。低身長の治療や骨の変形矯正、事故などで失われた部分の骨の再生などになくてはならない治療法となっています。

イリザロフ法の原理は、骨折した時にできる「仮骨」を利用したものです。
仮骨とは、まだ軟らかい"骨"になる前段階のようなもの。これが次第に硬くなっていき、骨折の部分が治るわけです。強くくっつけていれば、仮骨が橋渡し役として骨になり、骨折が治ります。

しかし、イリザロフ法では、逆にくっつけた部分を少しずつ引き離していきます。
結果、どんどんと仮骨が伸びていく、ということです。

実際の治療では、若い人で1日1mm伸ばせるといいます。
20cmとなると200日…ほぼ一年かかるという気の長い治療です。

彼女の何がそこまでの治療を続けるきっかけとなったのか、非常に興味深い話になりそうです。

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