ソフトバンクは22日、王貞治球団会長(69)が21日に東京都内の病院で「腹腔鏡下内ヘルニア根治術・胆のう摘出術」を受け、無事終了したと発表した。同会長は2006年に胃がんの手術を受けているが、転移ではないという。術後の経過は良好で、1週間から10日間で退院する予定。

球団広報によると、王会長は11日ごろから腹部に痛みを感じたという。そのため14日に検査入院。19日に再び痛みが生じて検査を受けた結果、腸間膜の間のスペースに小腸が潜り込む「内ヘルニア」による腸閉塞を起こしていたことが判明した。また、胆石もあったため内視鏡による腸閉塞と胆のう摘出の手術を受けた。

症状を訴え始めたころの王会長の様子について球団は「(当初は)夏ばてだと思っていた。ずっと痛かったり、(痛みが)引いたりを繰り返していた」と説明。王会長は06年7月に胃がんの手術を受けているが、今回、転移はなかった。術後の王会長は元気な様子で、病院内では自分で歩いて移動しているという。

退院後はしばらく都内で静養する。チームの今季本拠地最終戦は10月6日のオリックス戦(福岡・ヤフードーム)で、球団は「(福岡に戻ってくるのは)最終戦に間に合うかどうかぐらいです」と説明した。出席を予定していた24日の東京都名誉都民顕彰式はキャンセル。代わりに次女の理恵さんが出席する方向で調整している。

昨年の監督勇退後もホークスのために尽力している王会長。チームはこの日、ヤフードームでロッテ戦。秋山監督ら首脳陣、選手らも王会長の手術成功に安堵の表情を浮かべていた。
(王会長手術していた…がん転移は否定)

内ヘルニアとは


内ヘルニアとは、生理的あるいは病的な腹腔内の陥凹や裂隙に、臓器または組織が嵌入して腸閉塞症状を起こすことを指します。

嵌入する場所は、十二指腸空腸陥凹、盲腸陥凹、網嚢孔(ウィンスロー孔)、S状結腸間膜陥凹部などに発生することが多く、後腹膜に位置するため腹膜後ヘルニアとも呼ばれます。

特に、十二指腸空腸陥凹に発生する傍十二指腸ヘルニアは、内ヘルニアの中でも最も発生頻度が高く、右型と左型の2種類があるが右型が多いといわれています。

また、稀ではありますが、腸間膜や大網、鎌状靭帯にある異常裂孔に臓器や組織が嵌入して腸閉塞症状を起こす内ヘルニアがあります。ただ、これは遊離腹腔内でのヘルニアであるので、腹腔内ヘルニアとも呼称されます。

腸閉塞(イレウス)とは


腸閉塞(イレウス)とは、なんらかの原因により腸管の通過障害が生じ、腸管内容の肛門側への輸送が障害された状態を指します。

緊急に外科的処置を必要とする腹部疾患のなかでは、急性虫垂炎に次いで多く、その約2割を占めるとされています。70歳以上の高齢者では、イレウスが最も多いです。

イレウスは、器質的な原因で閉塞されて起こる機械的イレウスと、器質的な原因が認められず腸管を支配している血管神経の障害に基づく腸管の運動障害による機能的イレウスに大別されます。

機械的イレウスはさらに腸管内腔のみが閉塞されている単純性イレウスと、腸管内腔の閉塞に加えて、この腸管の血行障害を伴う複雑性イレウスとに分けることができます。

機能的イレウスは腸管運動麻痺による麻痺性イレウスと、腸管の一部が持続的に痙攣することによる痙攣性イレウスに分けられます。

腸管の閉塞による症状としては、悪心・嘔吐、疝痛性の腹痛、腹部膨隆、排便・排ガスの停止などがあります。また、脱水、電解質異常による全身症状として、口喝、全身倦怠感、脱力感などがあります。

身体所見としては、腹部所見で腹部膨隆、圧痛がみられます。腹膜炎を伴うとBlumberg(ブルンベルグ)徴候(腹部を押したときよりも離した方が痛みが増強する)や筋性防御などがみられます。

聴診により、単純性イレウスでは腸雑音の亢進、金属性雑音の聴取されます。複雑性イレウスでは初期は腸雑音の亢進、進行すると減弱・消失します。麻痺性イレウスでは腸雑音の減弱・消失がみられます。

脱水・電解質異常による所見としては、皮膚・粘膜の乾燥、脈拍数・呼吸数の増加、血圧の低下などがみられます。

腹部単純X線撮影では多量の腸管ガス像と立位像で鏡面像(ニボー)を認めます。消化管造影検査で閉塞部位やその性状を診断します。小腸造影は通常イレウス管より水溶性造影剤を用いて施行します。大腸閉塞が疑われる場合や腸重積の整復のためには注腸造影が施行されます。

腹部超音波・CT検査では、腸管の拡張像、閉塞の原因となる腫瘤や結石像、腸重積では重積像(同心円状の腫瘤像)などを認めます。

腸閉塞(イレウス)の治療


腸閉塞(イレウス)の治療は、以下のようなものがあります。続きを読む