人体再生ロマンスペシャル3 もう一度抱きしめたい」で取り上げられていました。

虚ろな表情、焦点の合わない眼…母親が呼びかけても、何の反応も見せない少女、レイナ・スワンシー。彼女は、生後5カ月のとき、『カナバン病』と宣告された。当時、それはいまだ有効な治療法の見つからない、死に至る病と考えられていた。

カナバン病とは脳を破壊する進行性の遺伝子疾患。生後まもなく、脳や神経の発達に異常をきたし筋肉を始めとする身体機能が発達せず、普通、4歳前後で死に至るという。

死の宣告をされ絶望に立たされる家族。しかし最先端の遺伝子治療が運命を変えた。
2003年、幼児には世界初という脳外科手術を伴った遺伝子治療をレイナは受けた。それは、レイナの頭部に6カ所の穴を開けそこから正常な遺伝子を取り込むという、画期的なものだった。

レイナはいま6歳、知能も徐々にだが回復の兆しをみせている。最先端医療が、常識を覆したのだ。しかし今も闘病の日々は続いている。


カナバン病は、海綿状硬化症(Canavan病)とも呼ばれ、生後まもなく大頭症、無関心状、筋弛緩、失明などで発見され硬直、痙攣などが急速に進行して、患者さんは3年以内に亡くなってしまいます。大脳皮質下に多発性の海綿状の空胞変性がみられることから、海綿状硬化症と呼ばれます。

アスパルトアシラーゼという、N-アセチルアスパラギン酸(NAA)を加水分解する酵素がありますが、この欠損症がカナバン症と言われています。ドキュメントの"遺伝子治療"というのは、この欠損を治すということなのでしょうか。

それにしても、6歳まで生き存え、しかも知能回復までみられるというのなら、遺伝子治療は大成功を収めたといっても過言ではないのではないでしょうか。

倫理的に問題があったり、方法として確立していないなど、多くの問題はあるかも知れませんが、現に救われた女の子がいる、ということは、このドキュメントを通じて、しっかりと認識されるべきではないでしょうか。

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