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サルモネラ菌

サルモネラ菌による食中毒を防ぐ方法

梅雨から夏の暑い時期になると、各種食中毒の話を耳にするようになる。昔と違って今はその頻度も少なくなったが、だからといって地球上から無くなったわけではないので、用心するにこしたことはない。

それら食中毒の中でも良く聞くのが「サルモネラ症(サルモネラ菌による食中毒)」。サルモネラ菌に汚染された食品を食べることで起因するもので、重度の下痢や腹部の痛みを伴う、非常に辛いものだ。

HealthDayではアメリカの疾病対策センターの話として、サルモネラ症について次の情報・注意事項を挙げている。気をつけておくと、リスクを低めることができるだろう。
・サルモネラ症は野菜をはじめ多くの食品が原因となる。特に卵や牛乳、牛豚鶏などの食肉において、「汚染」されることが多い。
・ペットの排出物がサルモネラ菌に汚染されていることもある。ペット自身やその排泄物の世話をした後に手を洗わないと、その人を経由してサルモネラ菌が他人に感染することもある。
・食品を十分に加熱することで、通常はサルモネラ症を予防できる(※卵の場合、70度で20分以上加熱調理をすれば死滅する卵殻表面汚染サルモネラの侵入性と加熱調理法による食中毒予防について)。
・加熱していない食肉と調理済みの食品との接触を防ぐ(感染の可能性があるため)。
・食品を準備、調理する時やしたあとで、手や調理器具をこまめに洗うこと。
サルモネラ症云々は別にしても、清潔な食環境を維持するには必要不可欠なことばかり。特に生ものの食品周りにおいては、夏場は注意した方がよい。

意外と油断してしまいがちなのが「まな板」。いくら食品に気を使っても、その食品を調理するまな板が菌だらけでは意味がない。洗剤や熱湯消毒への注意を怠らないのはもちろん、「まな板は常にきれいにする」ことを習慣づけるのが一番である。
(サルモネラによる食中毒を避けるために注意すべき5項目)

サルモネラ感染症とは


サルモネラは菌種の代わりに血清型で分類されます。現在、2,300以上ありますが、ヒトによくみられるのは約20種の血清型です。サルモネラの保菌動物は多く、食肉、卵、乳製品などの食品、ミドリガメ、イヌ、ネコなどのペット、ヒトの患者、保菌者などが感染源となります(人獣共通感染症であるため制圧は困難)。

Salmonella Enteritidisがここ10年間最多を占め、鶏卵関係食中毒に多いです。以前は、S.Typhimuriumが多かったですが、現在では第2位となっています。

1)胃腸炎、2)菌(敗)血症、3)局所感染症、4)チフス症、5)保菌者の異なる病型があります。胃腸炎が最も多いですが、胃腸炎に2)菌(敗)血症、3)局所感染症の合併、1)〜4)群の病後に保菌者となるなど、病型を単純に分けられないこともあります。

サルモネラは食品衛生法に基づく食中毒菌であり、行政的な調査・対応が必要な場合には保健所に24時間以内に届け出る必要があります。特に腸チフス、パラチフスは2類感染症であり、直ちに保健所に届け出る必要があります。

従来、発症には10^6〜10^9個程度の大量の菌が必要とされてきましたが、実際には10^1〜10^4の少ない量でも発症することがわかっています。年齢の両極端である小児と高齢者、基礎疾患をもつ易感染性宿主が罹患しやすく重症化しやすいため、予防が重要となっています。

サルモネラ感染症の診断


臨床像は多彩ですが、通常は胃腸炎症状がみられます。時に、腸管外感染を引き起こし、一過性の菌血症はまれではありません。さらに、髄膜炎、骨髄炎、関節炎、心内膜炎などの病巣感染を起こすことがあります。

無症状の保菌者も多く、胃腸炎の場合、12〜36時間の潜状期後発症し、38℃以上の発熱、1日10回以上の水様性下痢、腹痛、嘔吐がしばしばみられ、血便の頻度は入院例では20〜30%となっています。

緑色の水様下痢便が高率にみられ、小腸性といわれる激しい水様性下痢のために、脱水からショックに陥り死亡することもあります。

回復も遅れがちで、発熱が数日にわたり、下痢回復まで1週間以上かかるなど、その他の感染性腸炎よりも重症化することが多いです。髄膜炎は新生児に多いです。

症状軽快後も排菌が続く、いわゆる病後保菌者が多いことも特徴的です。1〜3か月、時に6か月にわたることもあります。

サルモネラを細菌培養で証明・確定診断ができます。増菌用選択培地があり、疑わしい場合には、その検査を行います。便からの菌証明が基本で、抗菌薬使用前の適切な検体を得ることが大切ですが、病型により血液、尿、胆汁や局所(膿、髄液、関節液など)、食中毒では推定原因食品なども培養対象とする必要があります。

不明熱では抗菌薬を一時中止し、菌検査をすることもあります。菌不明胃腸炎でも治療中止・終了後に再排菌も多く、繰り返し便培養をすると菌陽性となることがあります。

サルモネラ感染症の治療


サルモネラ感染症の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む

サルモネラ菌とは:今度は調味料から

米国のスナック菓子がサルモネラ菌に汚染され、中国製の原材料が原因である可能性が高いことが3日、分かった。ペットフード、練り歯磨き、養殖魚、タイヤなど、安全性に問題のある中国製品が米国で次々と発覚。米中貿易関係を一段と緊張させる要因となってきた。
 
サルモネラ菌に汚染されたのは、菓子メーカー、ロバーツ・アメリカン・グルメ社(ニューヨーク州)が販売する「べジー・ブーティ」などのスナック菓子。すでに自主回収に乗り出したが、中国から原材料を輸入している調味料が原因とみられる。感染者は17州で54人に上る。大半が3歳以下の幼児という。
 
3月に中国産原料を使ったペットフードを食べた犬や猫が相次ぎ中毒死したのを皮切りに、連鎖的に問題が発覚している背景には、「中国製品に対する輸入依存度の急上昇」(米メディア)がある。米農務省によると、中国の米国向け農業輸出は昨年22億6200万ドルで2002年の約10億ドルから倍増。米国は養殖魚介類の8割を輸入しているが、その22%は中国産に頼っている。
 
ただし、製品はグローバル化しても、業者の法意識は世界標準に追いついていないのが実情。禁止された化学物質を混ぜるのも、低コストを維持したいためだ。
(危ない中国製品 今度は調味料からサルモネラ菌)


サルモネラとは、主にヒトや動物の消化管に生息する腸内細菌の一種であり、その一部はヒトや動物に感染して病原性を示します。

特に、感染型食中毒を起こすものとしてネズミチフス菌 S. Typhimurium や腸炎菌 S. Enteritidisなどがあります。食品衛生の分野では、これら食中毒の原因となるサルモネラを特にサルモネラ属菌と呼びますが、一般には、これらを指して狭義にサルモネラあるいはサルモネラ菌と呼ぶこともあります。

サルモネラは、感染した宿主の細胞内と細胞外の両方で増殖を行うことが可能な、細胞内寄生体(通性細胞内寄生性細菌、細胞内寄生菌)の一種です。さらに、サルモネラは積極的に細胞に働きかけて、細胞のエンドサイトーシスを活性化させる機能を有しているため、マクロファージ以外の、通常ならば貪食活性を持たない腸管上皮細胞などにも侵入できる性質を持っているとされます。

サルモネラ食中毒は、本菌が腸管上皮細胞に感染した結果生じる腸管内への液体貯留と好中球浸潤による炎症によって起きると考えられており、典型的な感染型食中毒です。症状としては、嘔吐、水様性下痢などの消化器症状、発熱などで、抵抗力のないお年寄りやお子さんは、菌血症を起こし重症化することがあります。その点から考えても、スナック菓子からサルモネラ菌が発見されたとするならば、非常に大きな問題と考えられます。また、内毒素によるエンドトキシンショックで死亡することがあります。

治療としては、ニューキノロン系抗菌剤の投与が主になります。ニューキノロン剤に抵抗性の菌には、第三世代セフェム系抗生物質が使われます。

予防としては、やはりしっかりとした衛生管理が徹底されることです。食品を扱う以上、やはりそれは最低限必要なことです。不信感を払拭するためにも、しっかりとした管理体制や監視体制が必要になってくると思われます。

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