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ステロイド

ステロイド軟膏、妊婦も安全に使えるという研究結果

JAMA Dermatologyによると、ステロイド軟膏、妊婦も安全に使えるという研究結果が報告されていました(Pregnancy Outcomes After Maternal Exposure to Topical Corticosteroids: A UK Population-Based Cohort Study.)。



英連邦NHSデータから局所ステロイド外用薬暴露(2658人)/非暴露(7246人)妊婦を対象に、後ろ向きコホート研究で妊娠転帰を評価。その結果は、以下のようなものだったそうです。続きを読む

「バセドウ病眼症」と診断され、ステロイド薬の副作用心配

yomiDrの医療相談室に、「バセドウ病眼症 薬の副作用心配」が掲載されていました。
2年前から目の調子が悪くなり、「バセドウ病眼症」と診断されました。ステロイド治療しかないと言われましたが、顔が丸くなるなど、副作用が心配で踏み切れません。(52歳女性)

この相談に、隈病院内科部長である伊藤充先生は、以下のようにお答えになっています。
バセドウ病眼症は、自己免疫の異常で、まぶたや眼球の後ろの組織(球後組織)に炎症が起こり、まぶたの腫れや眼球突出が生じます。甲状腺ホルモンが過剰に作られるバセドウ病患者の3割くらいに表れます。目を動かす筋肉(外眼筋)が腫れると眼球の運動障害が生じ、物が二重に見えることもあります。

 検査は、眼球の突出具合や動きを調べるほか、磁気共鳴画像装置(MRI)で、外眼筋の腫れや炎症の状態をみます。

治療は、外眼筋に炎症があれば、大量のステロイドを短期間に集中して用いるステロイドパルス療法を行います。球後組織に放射線をあてる治療や、まれに眼球を引っ込める手術が必要なこともあります。

Basedow病(バセドウ病)とは、甲状腺刺激ホルモン(TSH)レセプター抗体の刺激により、びまん性の甲状腺腫と甲状腺機能亢進症をきたす自己免疫性甲状腺疾患です。

リンパ球が、自己抗体であるTSHレセプター抗体を産生します。これが、TSH同様の作用をTSHレセプターに伝達するため、甲状腺ホルモンが過剰に産生され、甲状腺機能亢進症が起こります。

簡単に言ってしまえば、自分の甲状腺を異物として誤って認識し、抗体(TSHレセプター抗体)が生じるために起こります。抗体により甲状腺が刺激され血液中の甲状腺ホルモンが増加する疾患です(甲状腺機能亢進症)。

結局の所、この甲状腺ホルモンが血中に増加するために症状が起こってきます。
甲状腺とは、前頸部の喉頭下部から気管上部の高さに存在し、甲状腺ホルモンを産生する内分泌器官です。甲状腺ホルモンは、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)の2種があり、ヨウ素を含有したアミノ酸の一種です。血中ではそのほとんどが結合蛋白質と結合しており、1%以下の微量遊離型ホルモンが生理活性を示します。

甲状腺ホルモンの機能としては、幼児期の成長と成熟の促進、糖蛋白質・核酸・脂質の代謝促進、酸素消費と熱産生を促進する作用があります。

全身症状としては、体重減少、多汗、易疲労感、暑がり、微熱、口渇、月経不順、無月経、掻痒感などが生じることがあります。

また、循環器症状として動悸、頻脈、労作時息切れ、不整脈などがあります。神経筋症状として、手指振戦、いらいら、多動、不眠、情緒不安定、筋力低下、四肢麻痺などがあります。

さらに、眼症状として特徴的なものがあります。眼球突出、眼裂開大、眼瞼浮腫、複視、視野狭窄、視力低下などが起こることがあります。バセドウ眼症(甲状腺眼症)とは、とりわけ重症型は悪性眼球突出症といわれます。女性が男性より罹患しやすいという特徴があります。

眼球突出は眼窩内の外眼筋や、眼窩脂肪組織など球後組織の増殖による球後組織病です。原因としては、眼窩部球後組織に、自己抗原(TSH受容体や外眼筋特異抗原)が存在する自己免疫疾患と考えられています。

重症度は、Basedow病の重症度や甲状腺機能とは平行しないといわれます。外眼筋の運動障害は、外眼筋病変や外眼筋の眼窩周辺組織との癒着など、複合的な原因による運動制限で起こります。

ステロイドの副作用としては、以下のようにお答えになっています。続きを読む
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