東南アジア各国で、蚊が媒介する感染症、デング熱が流行している。カンボジアでは今年上半期、昨年同期の倍以上となる約1万5000人の感染が確認され、182人が死亡。感染拡大の背景に、地球温暖化の影響を指摘する声もある。
デング熱は、ウイルスを持つ蚊に刺されることで感染。高熱などの症状が現れ、通常は1週間程度で回復する。まれに出血を伴う重症となり、死亡することもある。
各国政府が確認した今年上半期の感染者数は、タイ、マレーシア、ベトナムでそれぞれ2万人を超え、昨年同期比で20−30%台の増加。実際の感染者数はこれを上回る。ワクチンがないため、当局は蚊の繁殖場所をつくらないよう注意を呼び掛けている。
世界保健機関(WHO)は、温暖化によって蚊の繁殖が活発になり、生息域も広がって感染が拡大した可能性があると指摘。WHO西太平洋地域事務局の尾身茂(おみ・しげる)事務局長は7月初旬の会合で、1978年に384件だったシンガポールのデング熱感染確認が、98年には5258件に増加し、この間に年平均気温が1.5度上昇したことを紹介。「地球温暖化は、健康と生命に深刻な影響をもたらしている」と懸念を示した。
デング熱は3−5年周期で流行を繰り返すとされるが、タイ保健省の担当者は「ここ3、4年は周期が崩れて感染拡大の予測も困難。気候変動が原因になっている疑いが強い」としている。
(東南アジアでデング熱流行 地球温暖化が影響か)
デング熱 (dengue fever) は、ネッタイシマカやヒトスジシマカなどの「蚊」によって媒介されるデングウイルスが病原体の感染症です。国内では、4類感染症に指定されています。
潜伏期間は、4〜7日といわれています。
突然の発熱、頭痛、眼窩痛、筋肉痛、関節痛を伴います。食欲不振、腹痛、便秘を伴うこともあります。発症後、3〜4日で胸部から非特異性の発疹が出現し、四肢、顔面へ広がります。四肢にかゆみを伴うことが多いようです。
こういった症状は、通常3〜7日程度で消失し、回復します。
ほとんどが一週間ほどで軽快する、一過性の発疹性熱性疾患ですが、中にはデング出血熱やデングショック症候群など重症になる場合もあり、注意が必要です。
現在のところワクチンはありません。できるだけ蚊に刺されないようにするため、デング熱発生地域へ渡航する際は、長袖シャツ、長ズボンを着用して肌の露出を少なくすることなどが必要なようです。
治療は、対症療法薬と輸液を行います。また、アスピリンは抗血小板作用のため、出血を助長する可能性があり禁忌です。かわりに、解熱薬としてはアセトアミノフェンを用います。
流行地域などは、外務省 海外安全ホームページで調べることができます。海外に行かれる方はご注意下さい。
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デング熱は、ウイルスを持つ蚊に刺されることで感染。高熱などの症状が現れ、通常は1週間程度で回復する。まれに出血を伴う重症となり、死亡することもある。
各国政府が確認した今年上半期の感染者数は、タイ、マレーシア、ベトナムでそれぞれ2万人を超え、昨年同期比で20−30%台の増加。実際の感染者数はこれを上回る。ワクチンがないため、当局は蚊の繁殖場所をつくらないよう注意を呼び掛けている。
世界保健機関(WHO)は、温暖化によって蚊の繁殖が活発になり、生息域も広がって感染が拡大した可能性があると指摘。WHO西太平洋地域事務局の尾身茂(おみ・しげる)事務局長は7月初旬の会合で、1978年に384件だったシンガポールのデング熱感染確認が、98年には5258件に増加し、この間に年平均気温が1.5度上昇したことを紹介。「地球温暖化は、健康と生命に深刻な影響をもたらしている」と懸念を示した。
デング熱は3−5年周期で流行を繰り返すとされるが、タイ保健省の担当者は「ここ3、4年は周期が崩れて感染拡大の予測も困難。気候変動が原因になっている疑いが強い」としている。
(東南アジアでデング熱流行 地球温暖化が影響か)
デング熱 (dengue fever) は、ネッタイシマカやヒトスジシマカなどの「蚊」によって媒介されるデングウイルスが病原体の感染症です。国内では、4類感染症に指定されています。
潜伏期間は、4〜7日といわれています。
突然の発熱、頭痛、眼窩痛、筋肉痛、関節痛を伴います。食欲不振、腹痛、便秘を伴うこともあります。発症後、3〜4日で胸部から非特異性の発疹が出現し、四肢、顔面へ広がります。四肢にかゆみを伴うことが多いようです。
こういった症状は、通常3〜7日程度で消失し、回復します。
ほとんどが一週間ほどで軽快する、一過性の発疹性熱性疾患ですが、中にはデング出血熱やデングショック症候群など重症になる場合もあり、注意が必要です。
現在のところワクチンはありません。できるだけ蚊に刺されないようにするため、デング熱発生地域へ渡航する際は、長袖シャツ、長ズボンを着用して肌の露出を少なくすることなどが必要なようです。
治療は、対症療法薬と輸液を行います。また、アスピリンは抗血小板作用のため、出血を助長する可能性があり禁忌です。かわりに、解熱薬としてはアセトアミノフェンを用います。
流行地域などは、外務省 海外安全ホームページで調べることができます。海外に行かれる方はご注意下さい。
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