頭と顔に重さ15キロの腫瘍がある中国人男性(31)が、その腫瘍を摘出するために、24日に危険な手術を受けることになった。湖南省出身のこの男性は、頭と顔から大きく垂れ下がっている腫瘍があるため、話すこともほとんどできず、また立つ時も腫瘍を抱くようにして持たなければならない。左目は腫瘍ですべて隠れており、左耳は肩まで垂れている。右耳とあごも腫瘍に包まれてしまっている。

男性が子供のころに顔と頭が腫れ出し、頭は年々大きくなっていったという。
病院の記録によると、男性の身長は135センチ。腫瘍は、それに対し、縦が約57センチで周囲は97センチある。25歳で歯を失ったほか、腫瘍の重さで背骨にも障害が出ている。

米国立衛生研究所によると、原因とみられる神経繊維腫症は遺伝性疾患で、主に神経細胞組織の発達や増加に影響がある。ただ、新症例の30─50%は後発性との報告もある。

この男性の腫瘍を超音波検査で調べたところ、腫瘍内に多くの血管が見られたことから、病院側は手術中に出血を抑えられない場合、2分間で出血多量で死亡する可能性もあるとしている。

男性は「手術を受けることになり、すべてがどうなるかと不安だ」と話し、手術を受ける前に両親に会うために故郷へ里帰りした。
(中国人男性、15キロの腫瘍を頭部から切除へ)


神経線維腫症は、皮膚・神経を中心に人体の多くの器官に神経線維腫をはじめとするさまざまの異常を生じる遺伝性疾患です。神経線維腫症には二つのタイプがあり、神経線維腫症儀燭 神経線維腫症況燭紡腓く分けられます。

神経線維腫症儀燭録牲仞維腫と呼ばれる腫瘍や色素斑(褐色調で、カフェオレ斑と呼ばれる)など皮膚症状が強く、神経線維腫症況燭藁沼Δ猟或牲仄鞜腓鮗臑里鉾乕翩楕僂両ないタイプです。神経線維腫症の中では神経線維腫症儀燭多いので、単に神経線維腫症というときはだいたい神経線維腫症儀燭鮖悗靴討い泙后

上記の男性のように、とくに「レックリングハウゼン病」では、皮下腫瘍が巨大化し皮膚だけが大きく垂れ下がるようになる場合もあります。皮膚や皮下組織に発生するものは、半球状またはいぼ様の軟らかくて境界がはっきりしないこぶです。大きさは数cmのものが多いのですが、皮下の腫瘍ではいくつかの腫瘍がつながりあって巨大化する場合もあります。

神経線維腫症儀燭蓮17番染色体の上に存在するneurofibrominと呼ばれる蛋白質をつくる遺伝子に変異があることが分かっています。この蛋白質は、細胞の増殖シグナルを阻害する機能があるとされ、この蛋白質が変異したため、細胞の増殖シグナルが消されなくなり、神経線維腫症儀燭鉾爾色々な症状が起こるとされています。

この病気は常染色体優性遺伝という遺伝形式で遺伝します。患者さんの割合は人口約3,000人に対して1人であり、50%が遺伝性であり、残りの50%は、両親ともにこの病気がなくて、突然変異によると考えられています。

症状としては、上記のようなカフェ・オ・レ斑や、皮膚の神経線維腫がみられ、思春期頃より全身に多発されます。このほか末梢神経内の神経線維腫、びまん性の神経線維腫がみられることもあります。

内臓の変化はさまざまで、脊椎の側弯、眼の変化、脳腫瘍、脊椎神経の神経線維腫、知能障害、呼吸器の病変、循環器の病変、消化管の病変などがあります。骨病変もみられ、脊柱・胸郭の変形、四肢骨の変形・骨折、頭蓋骨・ 顔面骨の骨欠損などがみられます。眼病変としては、虹彩小結節(Lisch nodule)、視神経膠腫などがみられることもあります。

診断基準としては、以下の通りです。
<診断基準>
以下の所見の内、2つ以上を有すること。
1. 5mm以上のカフェオレ斑が6個以上(思春期前)
  15mm以上のカフェオレ斑が6個以上(思春期後)
2.2つ以上の神経線維腫か、末梢神経内に1つ以上の神経線維腫
3.腋窩あるいは鼠径部の色素例
4.眼窩内の神経線維腫
5.2個以上のLisch結節
6.骨の異常
7.NF-1の家族例

治療としては、基本的に遺伝的疾患で根治療法は存在せず、対症療法になります。皮膚の病変は主に神経線維腫の見た目の問題を考え、気になるところを切除していきます。しかし数があまりに多いため、変わらないこともあります。ただ急激に腫瘤が大きくなる場合は悪性化の可能性があるため、病理組織診断を兼ねて早期に切除したほうがよいとされています。

写真をみるだけでも、非常に困難な手術が予想されます。是非とも、手術が成功して欲しいと願わずにはいられません。

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