レインボー、ブラック・サバスなどに在籍したロニー・ジェイムス・ディオ(67歳)の奥さんが、ディオが胃がんを患っていることを公表した。ディオは先週、健康状態がすぐれず入院したためヨーロッパ・ツアーをキャンセルすると発表していた。

マネージャーでもあるディオの奥さんウェンディは木曜日(11月25日)、公式サイトにて、ディオが胃がんと診断されたことを明らかにした。

「ロニーは、早期胃がんだと診断されました。直ちに病院にて治療を始めるつもりです。このドラゴンをやっつけたら、ロニーは、彼のいるべき場所、ファンの前でプレイするという1番好きなことができるステージへ戻ります。お見舞いの言葉を送ってくれた友人やファンの方全員に感謝します。彼を元気づけるのに大変助かりました。ロックンロール、万歳。ロニー・ジェイムス・ディオ、万歳」
(ロニー・ジェイムス・ディオ、胃がんを公表)

胃癌とは


かつて、日本では男女とも胃癌が第1位でしたが、死者数は年々減少しています。2003年の日本における死者数は49,535人(男32,142人、女17,393人)で、男性では肺癌に次いで第2位、女性では大腸癌に次いで第2位となっています。

このように胃癌の近年増加率の低下がみられています。これは、食生活の欧米化などによる環境の変化、検診などにより根治可能な胃癌が多数発見されるようになったこと、治療技術の進歩などの要因によると考えられます。ですが、日本における胃癌の死亡率は依然世界の第1位にあります。若年者胃癌もあり、「若いから大丈夫」といった考えは危険です。

胃癌の原因としては、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori:Hp)が胃炎やその進展、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の発生・再発に強く関係していることが指摘されており、世界保健機構(WHO)の国際癌研究機関(International Agency for Research on Cancer;IRCA)において、疫学的研究よりヘリコバクター・ピロリが胃癌の発生にも原因の一つとして働いていると考えられ、明らかに発癌性をもつものとして分類(Group1)されています。

胃癌の発生部位は胃粘膜上皮の細胞分裂をする場所、すなわち腺頸部の増殖帯細胞から発生すると考えられています(組織型でいえば、胃癌はほとんどが腺癌)。

一方、胃癌がどのような背景粘膜のもとに発生するかを切除胃標本や臨床的な経過観察例からみると、萎縮性胃炎を呈する胃粘膜、特に分化型腺癌は腸上皮化生を伴う胃粘膜に高頻度に発生しているといわれています。

胃癌の診断


胃癌は、自覚症状による胃癌の早期発見は難しいです(胃癌に特異的な症候はない)。症候の出現は病巣の型、深達度、大きさ、発生部位、転移の有無によって異なります。

胃癌は、その深部浸潤の程度(深達度)から早期癌と進行癌とに分けられます。早期胃癌は、癌の浸潤が粘膜層または粘膜下層までにとどまるもので、リンパ節転移の有無は問いません。

一方、進行胃癌は癌の浸潤が固有筋層より深く浸潤した病変を指します。なお、癌の浸潤が粘膜層内にとどまるものをM癌、粘膜下層に達するものをSM癌、固有筋層に達するものをMP癌、漿膜下層に達するものをSS癌、漿膜に達するもので他臓器に直接浸潤がみられるものをSI癌、ないものをSE癌と呼びます。

ほとんどの場合、早期癌の段階では無症状であり、癌が進行してからでないとはっきりとした自覚症状が出てこないことが多いからと言われています。そのため、放置されてしまったり、逆に内視鏡検査などで早期発見されるケースもあります。

症状としては、腹痛や腹部〜胸部の不快感、吐き気や嘔吐を伴ったり、食欲減退、食事後の胃部膨満感や急激な体重減少などが起こってきます。他にも、下血や黒色便(血液中のヘモグロビンが胃酸によって酸化されて黒くなる)がみられることもあります(これらの症状は消化性潰瘍と同様で、症状だけでは両者の鑑別は困難)。

局所症状として潰瘍を伴っていれば、心窩部痛や吐血・下血を生じることもあり、噴門や幽門に通過障害が生じれば、嚥下困難、嘔吐、上腹部膨満感などが生じてきます。

胃癌の転移には、血行性転移、リンパ行性転移、腹膜播種があります。胃壁内での深達度が進むほど転移率は高くなり、血行性転移では肝や肺、さらに骨、脳、皮膚、腎などへ転移します。リンパ行性転移は所属リンパ節から始まり、遠隔リンパ節へ転移をきたしていきます。腹膜播種は、漿膜を越えて胃壁を浸潤した癌細胞が、腹膜に播種して癌性腹膜炎を起こして腹水を生じます。

肝転移すると肝腫大、黄疸などが起こってきます。腹膜に転移すると腹水、後腹膜に転移すると強い背部痛を認めます。その他、左鎖骨上窩リンパ節転移(Virchow転移)、Douglas窩への転移(Schnitzler転移)、卵巣転移(Krukenberg腫瘍)などがあります。

高度な進行胃癌となると、体重減少、食思不振、貧血、腹部腫瘤触知、嚥下困難などの所見を認めることがあります。末期では、播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併することが多くなります。

胃癌の検査では、X線検査、内視鏡検査、生検が診断に重要となっています。この中で内視鏡検査はスクリーニング検査として多くの施設で現在行われており、X線検査は病変の広がりを客観的にとらえるための精密検査として行われていることが多いです。

このほか、補助的な検査として超音波内視鏡検査、腹部超音波検査、CT、臨床血液検査などが行われています。腹部超音波検査・CTは、大きな腫瘤を形成する例では病変を描出することができます。しかし、一般には癌の転移、周囲臓器への浸潤、リンパ節転移の診断に用いられます。

血液検査にて、萎縮性胃炎の程度を示す指標であるペプシノーゲンI/II比を用いて胃癌のスクリーニングとして用いられることもあります。腫瘍マーカーとしてCEA、CA19-9などの測定が行われますが、胃癌に特異的ではなく、早期のスクリーニングとしては十分ではありません。

胃癌の確定診断は、内視鏡検査で胃生検を行い、病理組織学的診断を行います。
胃生検で癌を証明するためには、病巣の適切な部位からの組織採取が重要となります。

胃癌の治療


胃癌の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む