厚生労働省は20日、インフルエンザ治療薬「タミフル」の輸入販売元の中外製薬に対し「10代の患者には原則として使用を差し控えること」と添付文書の警告欄を改訂し、緊急安全性情報を医療機関に配布するよう指示した。
 
タミフルを服用した、いずれも12歳の男児が2、3月に自宅2階から飛び降りて骨折する異常行動があったことが新たに判明。10代の異常行動は2月以降計4件となり「因果関係は明白ではないものの、注意喚起を呼び掛ける必要がある」と判断、緊急指示となった。

新たな異常行動はいずれも20日、厚労省に報告があった。1例は2月8日未明で、12歳男児が素足で外に出て走りだした。父親が家に戻したが、2階の窓から飛び降り、右ひざの骨を骨折した。もう1例は3月19日深夜以降、12歳男児が突然2階に駆け上がり、母親が連れ戻したが、もう一度2階に駆け上がり、ベランダから飛び降り、右足のかかとを骨折した。2人ともインフルエンザと診断され、タミフルを服用した後だった。命に別条はなかった。厚労省は発生場所を公表していない。

厚労省の指示を受け、中外製薬はカプセルとドライシロップで販売しているタミフル2種の添付文書を改訂。10代の患者は、合併症、既往歴などからハイリスク患者とされる場合を除いて原則として使用を中止することや、ゼロ歳から9歳は使用できるが、使用した場合には異常行動の恐れがあることを家族に説明するよう明記する。
(10代へ「タミフル」処方中止 異常行動さらに2件)

2005年11月、オセルタミビルの副作用が疑われる事例として、オセルタミビルを服用していた2人の患者が異常行動の結果事故死(転落死など)したことが報道されて問題となった。しかし、「インフルエンザ脳症の可能性もある」とのことで、国も注意を喚起するのみで、使用禁止などの対策をとることはなかった。

ですが、今回は「10代のタミフル原則使用禁止」となりました。
何故10代だけ?と思いましたが、ニュースZEROによると

10代→体格などによるが、異常行動を静止することが難しいことがある。
10代未満→インフルエンザでの死亡率が高く、静止も容易である。

ということで、"10代のみ"の使用原則禁止ということになったとのこと。
"疑わしきは排除"という姿勢は、血友病製剤事件の教訓が生かされたとも考えられますが、本当にタミフルが原因なのかどうか、分かっていません。

ですが、もし使用することがありましたら、お子様から目を離さないようにして、異常行動を起こした際には対処できるようにしておくに越したことはありませんね。

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