国立がん研究センター東病院臨床開発センター精神腫瘍科科長の小川朝生先生が、不眠治療で見直すべきポイントについてインタビューを受けていらっしゃいました(あなたの不眠診療、大丈夫?)。



1) 睡眠導入剤の使い分け

睡眠導入薬は10数種類あり、基本的に作用時間により4種類に分類できます。
1)超短時間型
2)短時間型
3)中時間型
4)長時間型
です。これらの使い分けでのポイントは、
・長時間型は次の日に持ち越しやすく、特に高齢者にはリスクが高いので、最長でも中時間型
・他の年齢層でも、作用時間の違う3種類の薬剤の中から、扱いやすいと感じる薬を1剤ずつ
・3剤の中でも、よく使用されるのが、超短時間型だが、「前向性健忘(記憶が飛ぶ)」や「せん妄の惹起」などのリスクが高い。かえって、リスクの高い薬剤を選んでいる危険性がある。
・超短時間型は、入眠困難、要は寝付きの悪い人にしか合わない薬剤。中途覚醒(夜半に目が覚める)には相性が良くない。
・量と質の両面から不眠を訴える患者さんの睡眠状況を評価し、患者さんが「眠れない」と訴える現象が何かをはっきりとさせることが大事。

ということだそうです。

2) 睡眠導入剤の止め時

不眠治療の場合、不眠の原因がなくなった時が中止を考えるタイミングであり、分かりやすく言えば、不安が絡む不眠であれば、不安の原因となる問題が解決して、睡眠リズムが改善したときが止め時、とおっしゃっていました。

中止方法は、大まかに
・休薬日を設ける方法
・少しずつ漸減する方法

があり、不安が強い患者さんには、少しずつ削る、漸減していく方法をお勧めしているそうです。続きを読む