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不眠症

眠れない不眠症の方に−お茶やコーヒーを飲む時間帯をチェックしましょう

米国睡眠学会(American Academy of Sleep Medicine)に「Caffeine Effects on Sleep Taken 0, 3, or 6 Hours before Going to Bed」という論文が寄せられていました。

ホットコーヒー ローソク
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この論文によると、「就寝6時間前に摂取したカフェインは、1時間以上の睡眠妨害を起こす」ことが明らかになったとのことです。

研究方法としては、健康な睡眠を取っている参加者総勢12人を対象に、睡眠日記をつけてもらい、参加者自身の主観的な評価で行われています。摂取したカフェインは400mg(コーヒーに換算してカップ2-3杯)で、試験の参加者は睡眠障害を感じていたようです。

就寝6時間前では、仕事から家に帰る途中のコーヒーでも影響が出てしまうということになりますね。続きを読む

旅行に行く前に!高山病と時差ボケに効く治療薬を用意しましょう

日経メディカルの記事に、「高山病、時差ボケ 利尿薬と眠剤が要」という記事が掲載されています。旅行のときに有用だと考えられますので、ご紹介いたします。

自分でできる「不眠」克服ワークブック:短期睡眠行動療法自習帳
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高山病の治療薬


高山病は標高2000m以上の高所で低酸素により生じる身体症状の総称。重症化すれば、高所肺水腫や脳浮腫を来し得るが、大半は頭痛や吐き気、脱力感などの山酔いの症状が表れる。高齢者では標高1500m以上、つまり富士山の五合目でも発症リスクがある。

こうした旅行者に予防薬として保険外診療で処方しているのが、アセタゾラミド(商品名ダイアモックス)だ。緑内障などに使われる利尿薬で、脳血流量増加や呼吸中枢への刺激作用があり、低酸素状態を改善するとされる。高所に行く前日、および現地到着後3日間の計4日間、1回2分の1錠(125mg)を1日2回内服させる。もちろん、高山病予防には、高度を徐々に上げ、水分を十分補給することが大切。登山中、深く大きく呼吸し、体内のガス交換を効率的に行うことも効果的である。

なお、アセタゾラミドは、高山病発症時の頓用薬としても有効である。1錠(250mg)を1日2回服用する。治療的内服も念頭に、私は旅行者に対し1回に10錠ほど処方することが多い。もっとも、高山病の一番の治療法は、速やかに高度を下げること。中には、血管拡張作用のあるCa拮抗薬や、重症化予防のためにプレドニゾロンの処方を希望する旅行者もいるが、このような薬剤に頼らなければならない状況になる前に、50mでも100mでも下山してほしいと私は強調している。
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不眠治療でお悩みの方が見直すべき3つのポイント

国立がん研究センター東病院臨床開発センター精神腫瘍科科長の小川朝生先生が、不眠治療で見直すべきポイントについてインタビューを受けていらっしゃいました(あなたの不眠診療、大丈夫?)。



1) 睡眠導入剤の使い分け

睡眠導入薬は10数種類あり、基本的に作用時間により4種類に分類できます。
1)超短時間型
2)短時間型
3)中時間型
4)長時間型
です。これらの使い分けでのポイントは、
・長時間型は次の日に持ち越しやすく、特に高齢者にはリスクが高いので、最長でも中時間型
・他の年齢層でも、作用時間の違う3種類の薬剤の中から、扱いやすいと感じる薬を1剤ずつ
・3剤の中でも、よく使用されるのが、超短時間型だが、「前向性健忘(記憶が飛ぶ)」や「せん妄の惹起」などのリスクが高い。かえって、リスクの高い薬剤を選んでいる危険性がある。
・超短時間型は、入眠困難、要は寝付きの悪い人にしか合わない薬剤。中途覚醒(夜半に目が覚める)には相性が良くない。
・量と質の両面から不眠を訴える患者さんの睡眠状況を評価し、患者さんが「眠れない」と訴える現象が何かをはっきりとさせることが大事。

ということだそうです。

2) 睡眠導入剤の止め時

不眠治療の場合、不眠の原因がなくなった時が中止を考えるタイミングであり、分かりやすく言えば、不安が絡む不眠であれば、不安の原因となる問題が解決して、睡眠リズムが改善したときが止め時、とおっしゃっていました。

中止方法は、大まかに
・休薬日を設ける方法
・少しずつ漸減する方法

があり、不安が強い患者さんには、少しずつ削る、漸減していく方法をお勧めしているそうです。続きを読む

不眠症:ヤンキース 松井秀喜選手も悩む

チーム低迷とともに前半戦、今ひとつ調子のあがらなかったヤンキースの松井秀喜選手。不調の影でささやかれているのが「不眠症」だ。不眠症といえば、ゴジラだけでない。今や日本人の5人に1人が悩まされている国民病でもある。

「最近、よく眠れないんです。早朝に必ず目が覚めて、その後、眠れなくなってしまう」試合後、不眠症であることを告白した松井。
 
不眠症とひと言で言っても「入眠障害」、寝てから何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めて眠れない「早朝覚醒」、眠った気がしない「熟眠感欠如」の4タイプある。松井は恐らく「早朝覚醒」タイプか。一般的に多いのは「入眠障害」だ。ここぞとばかりの大仕事の前夜や何か気がかりな心配事や悩み事があると、翌日の調子を考え「早く寝なければ」と思えば思うほど余計眠れなくなってしまう。
 
こうした症状の改善に市販薬を用いるというのは今、最もポピュラーな方法だ。実際、ここ数年で睡眠改善薬は急速に売り上げを拡大。初年度の売り上げ目標6億円をたったひと月で達成した「ドリエル」(エスエス製薬)を筆頭に、この春から新薬の発売解除に伴い「ナイトール」(グラクソ・スミスクライン)、「ネオディ」(大正製薬)など続々と他社も参入。大衆薬が伸び悩む中、睡眠改善薬市場だけは異様な活況ぶりだ。
 
医師の処方なしで薬局で気軽に買える上、病院の処方薬より作用が弱く、常用しても身体的な依存を起こす心配がない点などが人気の秘密。だが、こうした“市販薬依存”の風潮は重大な病気の発見を見落としかねないので注意した方がいい、と専門医は警鐘を鳴らす。「入眠障害はうつの症状の一つでもある。昼間の不調が不眠症のせいだと思い込んでいる人は結構多い。この場合、うつの治療をしなければ睡眠改善薬などの薬を飲んで眠れていても何の解決にもならない」と話すのは精神科・心療内科「クリニック西川」の西川嘉伸院長。
(日本人5人に1人、ゴジラも悩んだ不眠症)


不眠症とは、平常時と比較して睡眠時間が短くなり、身体や精神に不調が現れる病気である。睡眠障害の一種です。上記の通り、
1. 入眠障害:寝つきが悪く、なかなか眠れない。
2. 中途覚醒:朝起きる時間までに、何度も目が覚める。中高年に多い。
3. 早朝覚醒:朝早く目覚めてしまい、再度眠ることが出来ない。
4. 熟眠障害:十分に睡眠時間はとっているが、眠りが浅く熟眠感が得られない。
この4つに分けられます。

松井選手の場合は、早朝に目が覚めて、その後、眠れない「中途(早朝)覚醒」にあたります。実はこの中途(早朝)覚醒は、うつ病にみられることがあります。早朝に目が覚め、朝までうつらうつらして、疲れが取れず、昼間に気持ちの落ち込みやだるさがある、といったことが続いてしまうことがあります。他には、睡眠時無呼吸症候群なども原因になってしまうことがあるようです。

治療法としては、薬物療法として、睡眠導入剤が用いられます。ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤が多く処方されているようです。睡眠導入剤は、化学構造によりベンゾジアゼピン系、チエノジアゼピン系、バルビツール酸系、シクロピロロン系や抗ヒスタミン薬などに分類されます。また、作用時間による分類としては、超短時間作用型、短時間作用型、中時間作用型、長時間作用型などがあります。

「寝付きが悪い」という方(1回、寝てしまえば寝られる)には、超短時間作用型であるトリアゾラムなどが用いられます。中途覚醒が起こってしまう場合は、中〜長時間作用型が用いられるわけです。

注意していただきたいのは、自己判断で睡眠導入剤を飲んでしまったり、止めてしまったり、量の増減をしたりなさらないでいただきたい、ということです。突然の服薬中断では、数日間にわたり元来よりひどい不眠(反跳性不眠といいます)が生じる可能性があります。アルコールと一緒に服用すると、効果増強されてしまう恐れがあるので、止めた方が良いと考えられます。

うつ病などの病気が背景に隠されている恐れがありますので、たかが「不眠症」とあなどらず、自己判断で安易に睡眠導入剤に手を出す前に一度、病院を訪れられてはいかがでしょうか。

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