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中咽頭癌

大橋巨泉、中咽頭がん手術を受けていた

タレントの大橋巨泉(79)が、中咽頭がんを発症し手術を受けていたことが25日、分かった。

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関係者によると、11月の初めに本人が右耳の下に腫れを見つけ、診察を受けたところ、へんとうにできた悪性腫瘍がリンパ節に転移したものだと判明したという。進行していることを示す「ステージ4」だったというが、治療が可能で、既に先週に手術を受けてがんを摘出。

本人はいたって元気で、回復に向けて意欲を見せているという。今後はへんとうの腫瘍について放射線治療を受けるという。これらのことは、この日発売の週刊現代でも、本人が明かしている。巨泉は05年には胃がんの手術を受け、胃を半分程度摘出している。
(大橋巨泉 中咽頭がん手術)

咽頭癌とは


咽頭とは、鼻腔および口腔、食道および喉頭との間にある筋肉で構成された管を指します(ちなみに喉頭とは、食物の通路と呼吸のための空気の通路との交差点である咽頭の奥で、空気専用通路の始まりの部分を指します)。

咽頭は鼻に近いほうから上咽頭、中咽頭、下咽頭と下がっていき食道に続いていきます。

上咽頭癌とは、上咽頭から発生する上皮性悪性腫瘍です。未分化型扁平上皮癌が多い。中国南部、香港などの中国人に多く、発症にEBウイルスの関与が示唆されています。また、細胞性免疫能の低下が多くの例でみられます。

症状として鼻閉や鼻出血のほか耳管閉塞による滲出性中耳炎のための伝音難聴や耳閉感、耳鳴があり、頸部リンパ節転移に伴う頸部腫脹が多いです。進行すると頭蓋底浸潤による頭痛や下位脳神経麻痺(複視、顔面知覚異常、嗄声など)もみられます。診断は、症状より本疾患を疑うことが第1で、上咽頭を直接ファイバースコープなどで視診し生検で癌細胞を証明します。

中咽頭癌とは、中咽頭から発生する上皮性悪性腫瘍です。組織型は扁平上皮癌が多く、その他、未分化癌、腺癌、腺様嚢胞癌などがみられます。部位により側壁型(口蓋扁桃部)、前壁型(舌根部)、上壁型(軟口蓋部)、後壁型に分類されます。

発癌因子は不明ですが、男性に多く、喉頭・口腔・食道などとの重複癌が多いので、外的因子の関与が示唆されます。初期には咽頭違和感・咽頭痛・嚥下痛が、腫瘍が腫大すると構音障害・嚥下障害・呼吸困難などが出現する。

生検による診断確定後、画像診断により原発巣・頸部リンパ節転移・遠隔転移の拡がりを診断します。初診時頸部リンパ節転移の頻度は50%以上です。遠隔転移は肺、肝、骨に多いです。続きを読む

横山ノックさん、中咽頭癌で亡くなる

人気漫才師や無党派の大阪府知事として一世を風靡した横山ノックさんが3日、75歳で亡くなった。

庶民派政治家としての「光」の経歴と、強制わいせつ事件の元被告という「影」の過去をもち、政治家としても芸人としても本格的な“復活”は果たせないままだった。

中咽頭癌のため、最近は、芸人の命とも言える「声」を病魔に奪われ、落ち込んでいたという。功罪が交錯する横山さんの訃報(ふほう)に、関係者は複雑な思いを漏らした。
(ノックさん、本格的復活果たせぬまま…声も病魔に奪われ)


有罪判決後、在阪テレビ局は「マイナスイメージが強い」と起用しなかったですが、「底抜けに明るい天性のキャラクター」(演芸関係者)の復帰を望む声が高まり、執行猶予期間を終えた2004年2月、師匠である漫才コンビの秋田Aスケ・Bスケさんの公演で舞台復帰したそうです。

2005年07月から始めたスポーツ紙での対談では、漫才師の喜味こいしさんを相手に、「舞台が一番楽しい」と語っていた、とのこと。ですが、中咽頭癌で声が出ないという状況に陥ってしまったというのは、あまりにも悲しすぎます。

中咽頭とはそもそも、上方は硬口蓋と軟口蓋との移行部、下方は喉頭蓋谷底部、前方は舌後方1/3の部位を指します。口蓋扁桃も中咽頭に分類されます。この部位にできた癌を中咽頭癌というわけです。

細かく分類すると、前壁型(舌根部、喉頭蓋谷)、側壁型(口蓋扁桃、口蓋弓)、後壁型、上壁型(軟口蓋、口蓋垂)に分類されます。

頭頸部のその他の癌と同様に、タバコおよびアルコール乱用は、中咽頭癌の発現に対する最も重要なリスク因子であるとされています。

中咽頭癌の症状は、嚥下時のしみる感じや違和感などが中咽頭癌の初期症状です。
進行するにしたがってのどの痛みや飲み込みにくい、喋りにくいといった症状が現れ、出血、呼吸困難などの生命の危機にさらされる症状の出現に至ります。

また、頸部リンパ節の腫張や健診で痰の細胞検査で悪性細胞の結果が出たといったことで受診され、検索を行ったところ中咽頭癌が原因であったということあるそうです。しかも、これらの場合には中咽頭の癌病巣が極めて小さくなかなか発見できないこともあり、丁寧な検索が必要になります。

治療としては、手術(場合によっては、+リンパ節郭清術)、さらには中咽頭癌摘出後の大きな欠損を補い、機能低下を軽減させるために腹部の筋肉・皮膚など大きい組織を移植するなどの方法がとられます(遊離組織移植)。他にも、放射線治療などがとられます。

残念な事件などはありましたが、人気漫才師や無党派の大阪府知事として存在なさっていたことは、たしかな方でした。ご冥福をお祈りしたいと思います。

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