米オレゴン州で、日本への旅行中にはしかに感染した男性が、帰国してから発症し、二次感染も発生して騒ぎになっている。

日本はかねて「はしか輸出国」として海外から問題視されていたが、今回の流行を機に対策を急がないと、さらに厳しい目を向けられることになりそうだ。

患者が発生したのは、同州第3の都市ユージン。地元オレゴン大学の校内新聞オレゴン・デイリー・エメラルド(電子版)などによると、5月22日に日本への旅行から帰国した21歳の男性が、25日にはしかを発症。22日夜にこの男性と会った別の20歳代の男性も、28日に発症した。2人目の患者はその後、看護師の指示を無視して外出し、発症後もコンサート会場やバーなどへ行っていたことが判明。地元の保健当局は今月4日、この患者が立ち寄った場所と時間帯を発表し、接触した可能性のある市民は連絡するよう求めている。
(日本からはしか持ち帰り、米男性が発症…二次感染騒ぎに)


麻疹(はしか)には潜伏期があり、麻疹ウイルスへの曝露から、発症まで8〜12日間かかります。よって1週間ほどは無症状で、今回のように帰国して数日後に発症してしまいます。その間、接触した人物がいる(麻疹ウィルスは空気感染もします)場合、二次感染が広まってしまう、ということも考えられます。

もちろん、他者への感染力は、発症後のカタル期に最も強いとはされていますが、感染には注意が必要となります。発症の恐れのある方は、しっかりと医師や看護師さんの指示を受けていただきたいと思います。

今年の5月には、江戸川女子中学校・高等学校の高校2年生を対象としたカナダ修学旅行で女子生徒が渡航先のカナダで発症しています。もはや、国際的な問題となっているため、海外渡航の際などには、ぜひとも抗体検査を受けられ、場合によっては予防接種を受けられることが勧められます。

【関連記事】
カナダ修学旅行の41人足止め、はしか警戒で搭乗拒否

はしかが若者に感染拡大しているワケ