読売新聞の医療相談室で、以下のような相談がなされていました。
「先天性股関節脱臼」という病気で、30年ほど前に「骨切り」という手術を受けました。最近、右股関節が痛み出し、人工股関節を入れることを考えていますが、足が短くならないか心配です。(51歳女性)

この相談に対して、山梨赤十字病院院長である宮岡英世先生は以下のようにお答えになっています。
「先天性股関節脱臼」とは、生まれつき、股関節の骨盤側のくぼみが浅く、大腿骨の頭の納まりが不十分で、関節の一部に負担が集中してしまう病気です。

質問者が受けた「骨切り」という手術は文字通り、骨を切って関節の変形を矯正し、股関節の納まりを良くするために行うものです。約30年間も自分の骨でもたせたことを考えれば、この治療は間違っていなかったと思います。

ただ、手術後の年月を考えると、人工股関節に置き換える手術を受けることを考えてもいいかと思います。


先天性股関節脱臼とは


先天性股関節脱臼とは、出生時大腿骨頭が寛骨臼の外にある状態を指します。日本人に多く1000人に1人、女児は男児の5〜8倍となっています。生直後の適切なおむつのあて方で脱臼が整復されることもあります。

原因は不明であるが発生が女児に多いこと、家族内発生がみられること、単殿位分娩に発生しやすいことなどより、内分泌因子、遺伝的因子、環境因子などが関与するとされています。

全身の関節が軟らかい子どもに多いことからホルモンが発生に関与しているといわれています。

臨床所見としては、臨床的には股関節の可動域制限、大腿部の皺の数や鼠径部の深さの非対称性、脚長差、足の動きの違いなどが診断の糸口となります。

また、クリックサインや大転子高位、あるいは大腿骨の見かけ上の短縮(Allis徴候)などは脱臼の存在を強く示唆する所見です。検査としては、超音波・X線像などを行います。

先天性股関節脱臼


先天性股関節脱臼の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む