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加齢臭

ベタベタ汗にオヤジ臭…におい版メタボを絶つには

汗のにおいが気になる季節。だが、実は汗腺がうまく働いていれば、汗そのものがにおうことはないという。問題は、冷房などで汗腺の働きが鈍ったことによる「ベタベタ汗」。40代をすぎた働き盛り世代は、これに中高年特有の体臭「加齢臭」も加わるからやっかいだ。体臭は、心身の健康のバロメーター。生活習慣を見直して、“オヤジ臭”をモトから絶とう。

体臭のモトになる大きな要因の1つは汗だが「実は、いい汗は、サラサラしていてほとんど無臭」。ところが、運動不足や冷房の使いすぎなどで、汗腺の働きが鈍ると、「汗のタイプがかわる。ベタベタした『におう汗』になってしまう」というのだ。

暑さなどで体温が上昇すると、平熱に戻すために血液からミネラル分と水分が体表にある汗腺に取り込まれる。通常は、体に必要なミネラル分は血液に再吸収され、水分とわずかな塩分だけが汗になるが「汗腺の働きが低下すると、ミネラル分が再吸収されず、汗となって放出される」。血液中に含まれるミネラル分には重炭酸やアンモニア、尿素、乳酸などにおいのあるものが多いため、これで汗ににおいが生じるのだ。

また、このミネラル分によって、「皮膚の常在菌が繁殖しやすくなる。その結果、においが強くなる」。自分の汗が「におう汗」かどうかは、赤色のリトマス試験紙を汗につければわかる。青くなれば、「におう汗」だ。

予防法としては、以下の10箇条がある。
1)ウオーキングなどの有酸素運動で、日ごろから汗をかく習慣をつける=汗腺は使わないと体の中で一番機能が低下する器官。運動は抗酸化作用も促進し、「加齢臭」予防にもつながる

2)冷房の温度は外気温マイナス5度が基本=急激な温度変化は脳を混乱させる。出入りの際は、玄関でいったん体を慣らす、木陰で休む、うちわや扇子を上手に使い、急激な温度変化をなくす

3)食事から肉や乳製品を減らす=動物性タンパク質や脂肪を多く含む食品は皮脂の分泌が増え、においのモトに。和食がおすすめ

4)抗酸化作用の期待できる緑黄色野菜などを多くとる=ブロッコリー、ピーマン、ホウレンソウ、トマト、ニンジン、アボカド、ウナギ、ゴマなどビタミンCやE、カロテンを多く含む食材を。緑茶のカテキンも活性酸素の攻撃をブロック

5)ヨーグルトや大豆などで腸内環境を整える=腸内の悪玉菌は、アンモニアなどのにおい物質を発生させる。オリゴ糖を含む大豆やゴボウ、アスパラガス、タマネギなどを食べて善玉菌を増やす

6)上手にストレスを発散する=ストレスは活性酸素を発生させる。ストレスを感じたら深呼吸。音楽を聴くなど気分転換を

7)喫煙やお酒の飲みすぎ、睡眠不足などは禁物=生活習慣病を予防する生活はそのまま体臭予防にもつながる

8)お風呂では湯船に入る習慣をつける=ぬるめのお湯にゆったりつかると汗腺の働きが活発になる。入浴後は、すぐに冷房のきいた部屋には入らず、うちわや扇風機を使って10分程度涼む

9)デオドラント剤や制汗剤を上手に使う=同時に、衣類にも消臭・抗菌スプレーをかける

10)汗をふくタオルを使い分ける=サラサラした汗は乾いたタオルで、ベタベタした汗は硬くしぼったぬれタオルを使用。水分だけでなく、塩分、ミネラル分もしっかりふき取る
(におい版メタボ…“オヤジ臭”を絶つ!! )


「ベタベタ汗」の元ネタは、恐らく「ためしてガッテン」ではないでしょうか。

脳の体温中枢から汗を出す指令がくると、エクリン汗腺の細胞が働き、周囲の毛細血管からナトリウムを取り込もうとします(Naを出し過ぎるのを防ぐため)。ポンプにナトリウムを多く取り込むことで、浸透圧の原理を使って血液の水を吸い上げています。ポンプに水分がたまったら汗として皮膚表面に出すのですが、このとき出口付近で取り込んだ塩分を、血液に戻して再吸収させる働きがあります。

いわゆるベタベタ汗の場合、この再吸収機能が低下しているため、塩分を外に多く出してしまっていると考えられます。どうしてベタベタしている人とサラっとした人がいるかというと、実は運動不足で汗を普段あまりかかない人は、ベタっとなりがちになるそうです(エックリン汗腺の働きがニブくなってしまっているそうです)。

暑い季節とはいえ、普段から運動していないと、ベタベタ汗にいわゆる「オヤジ臭」がキツくなってしまうようです。ビールがすすむ季節ですが、ホンモノのメタボ対策のためにも、有酸素運動を始められてはいかがでしょうか。

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浜松医科大などの研究チームは、子宮内に「おじさん臭」や「加齢臭」のもととして知られるノナナール(ノネナール)など2種類のにおい物質があることを、世界で初めて突き止めた。受精卵が着床する際、このにおいが「道しるべ」になっている可能性があるという。14日から京都市で開かれる日本産科婦人科学会で発表する。

研究チームは、健康な女性約10人の子宮内を生理食塩水で洗って回収し、分析した。ノナナールは主に中高年男性の皮脂中の脂肪酸が酸化、分解されると発生すると考えられている。しかし、なぜノナナールが子宮内に存在しているのかは分かっていない。

妊娠するには、精子が子宮から卵管へ上り、卵子と出合って受精し、受精卵が子宮へ戻って着床することが必要だ。これまでの国内外の研究では、卵子に付いているにおい物質を目指して精子が卵管を上ると考えられている。研究チームは昨年、受精卵が成長してできた細胞の表面ににおいのキャッチにかかわるたんぱく質が存在することを確認しており、今回の発見で受精卵が子宮へ戻る仕組みに、におい物質がかかわっている可能性が示された。

研究チームの金山尚裕・同大教授(産婦人科)は「皮脂から発生するノナナールが子宮内で見つかったのは驚きだ。受精卵側のにおい受容体と、見つかったにおい物質の関係をさらに分析し、受精卵の輸送の仕組みに迫りたい」と話している。
(加齢臭:「おじさん」だけじゃない 子宮内にも原因物質)


中年と呼ばれる年代になると、皮脂の中に若いころにはほとんど存在しなかった「9−ヘキサデセン酸(パルミトオレイン酸)」という脂肪酸が増加してきます。さらに、中高年の人の皮脂は酸化分解されやすいこともわかり、皮脂中に含まれる9-ヘキサデセン酸が酸化されたり、皮膚の常在菌によって分解されることでノナナールが発生するのです。こうして「加齢臭」が発生するわけです。

そもそも着床とは、受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管を子宮内まで下がり、子宮内膜に定着すること。どうしてその着床が起こるのかというメカニズムが、「受精卵が子宮へ戻る仕組みに、におい物質がかかわっている」という可能性が示され、さらにその"におい物質"とはノナナールかもしれないとのこと。忌み嫌われていた加齢臭の原因となるノナナールが、実は受精卵の着床への道しるべとなっているとはびっくり。

受精卵側のにおい受容体と、見つかったにおい物質の関係をさらに分析することで、不妊原因の一端が解明されるのかもしれない。

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