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厚労省

「ドラッグ・ラグ」の解消なるか?新薬の承認期間の短縮へ

舛添要一厚生労働相は13日、海外で承認が済んでいる新薬について国内の審査期間を大幅に短縮する考えを明らかにした。海外で承認された薬が日本で承認されるまで平均4年程度かかっている。これを平成23年度までに、米国並みの1年半程度にするという。訪問先の秋田市内で記者団に語った。

これに伴い、審査を行う厚労省所管の独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」の審査官を3年以内に、現在から約240人増やし約400人にする。審査基準の見直しや治験環境の整備も図る。

日本の新薬承認期間は海外に比べて長すぎると指摘されている。業界団体が平成16年の世界の売り上げ上位100の医薬品を調べたところ、海外で承認された新薬が日本で承認されるまでの期間は、最も早い米国と比べ、申請準備で1・5年、申請後の審査で1年の計2・5年も長い。

審査基準や体制が欧米に比べ未整備なうえ、治験の着手が遅く、コストも高いなどが原因だが、結果として、海外で標準的に使われている医薬品が、日本では未承認のため使用できない状態が長かった。

このため、厚労省などは今年4月、新薬承認期間の短縮などを盛り込んだ「革新的医薬品・医療機器創出のための5カ年戦略」を策定。政府の「骨太の方針2007」にも同戦略の着実な推進が明記されている。

舛添氏は「4月に決めたことが国民に知られていない」としたうえで、「平成23年度までに、承認期間を1年半」と具体的な時期などを示した。

一方、舛添氏は、基礎年金番号に未統合の年金記録約5000万件の照合作業について、開発中の照合プログラムのテストを当初の11月から前倒しし、今月22日の週からスタートさせる、と語った。「何の問題もなければ1日でも早くやったほうがいい」と述べ、12月予定の本格稼働も11月中に早める考えを示した。
(新薬承認期間「4年」を「1年半」に短縮 舛添厚労相が表明)


治験とは、薬事法第2条第15項の定義によれば、「医薬品・医療機器等の製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けるために、申請時に添付すべき資料のうち、臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施」というのが本来の意味です。

しかしながら、実際には「医薬品もしくは医療機器の製造販売承認を得るために行われる臨床試験」自体を指す言葉として用いられていることが多いようです。つまり、その試験を通れば、医薬品や医療機器として販売できる、ということになるわけです。

しかしながら、国内の治験というのは多くの問題点を孕んでいます。
その一つとして、国内治験における手続きの煩雑さ、費用の高騰、医師の治験へのモチベーション低下、患者の理解が得られにくい、治験の質の低さといったことが問題点としてあげられます。

そういったこともあり、海外で承認された薬が日本で承認されるまで平均4年程度かかっている、というのが現状です。そのため、海外で良好な結果が得られた新薬に関しても、国内では認められない、という実態があります。こうしたことを「ドラッグ・ラグ」と言うようです。

この「ドラッグ・ラグ」を解消するために、動き出しているようです。
この問題がクローズアップされたのは、ムコ多糖症の治療薬である「イデュルスルファーゼ」(Idursulfase 一般名、米国での商品名はElaprase)の承認が遅れたことで有名になったのではないでしょうか。湘南乃風が支援をしていることでも有名になりました。

救える命があるかもしれないのに、承認が遅れてしまうという現状はすぐさま改善すべきであると思いますが、現在の治験の現状を考えると、難しいことだと思われます。しかながら、最初の一歩となる骨子を組み立てることから是非とも始めていただきたいと思います。

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ジェネリック薬品が標準に 薬の処方せん書式変更−厚労省

厚生労働省は新薬と成分は同じだが価格が安い後発医薬品の普及を目指し、2008年春にも薬の処方せん書式を変更する方針を固めた。割安な後発薬の処方を前提とした書式にする。後発薬を普及させることで、膨張する医療費を抑える考えだ。今秋にも中央社会保険医療協議会(中医協)で本格的な検討を始め、08年春の診療報酬改定の際に導入を目指す。
 
現行の書式は、新薬の処方が前提になっている。薬の処方は医師が決めるが、後発薬を選ぶ場合には「後発薬への変更可」という項目に医師が署名する形式だ。
(厚労省、薬の処方せん書式変更・後発薬を標準に)


医師が患者に薬を処方する際、これまでは新薬の使用が「標準」だったのを、後発医薬品を「標準」に転換する方針を固めたようです。

現行の処方せんは、まだまだ新薬が基本です。2006年度の診療報酬改定で、「後発品への変更可」という欄が追加されました。欄に、医師の署名があれば、薬局などで後発医薬品の処方が増えると期待されていました。ですが、実際に後発医薬品が処方されたケースは全体の1%未満の約9,500件にとどまったそうです。まったく普及効果はあまりなかったと考えられています。

後発医薬品の価格は、新薬の4〜7割程度が中心です。アメリカやドイツなどでは、使用される医薬品の4〜5割程度が後発医薬品で、日本でも欧米並みに普及すれば、年間1兆円程度の医療費の抑制が可能とされています。

新薬の特許は、おおむね20〜25年で、その間は開発した製薬会社の利益が守られます。ですが、新薬の開発費は数百億円とも言われ、世界の巨大製薬会社との開発競争が激化していることから、大手製薬会社には、「国は後発医薬品の普及よりも、新薬に高い薬価を認め、画期的な新薬の開発を促進するべきだ」という意見も根強いです。後発薬に移行するには、こうした製薬会社との関係性も障壁となっています。

ですが、医療費削減は急務です。逼迫した財政を考えれば、もはや待ったなしの状況下です。来年度からは、後発薬の割合が増加することが望まれます。

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開業医の初診・再診料引き下げ検討 厚労省方針

厚生労働省は病院の勤務医に比べて高く設定されている開業医の初診・再診料などを2008年度から引き下げる方針を固めた。あわせて開業医の時間外診療や往診などの報酬引き上げを検討。開業医の収益源を見直して夜間診療などへの取り組みを促し、医療現場や医療サービスでの担い手不足解消につなげる。勤務医に集中する負担を軽減し、待遇差の縮小で医師の開業医シフトにも歯止めをかける。
 
7月から中央社会保険医療協議会で引き下げの検討を始め、来年初めまでに下げ幅を決める。
(開業医の初診・再診料引き下げ検討・厚労省方針)


開業医の初診・再診料引き下げおよび開業医の時間外診療や往診などの報酬引き上げによって、果たして本当に勤務医の負担は減るのでしょうか。

中核〜大病院では複数の医師が交代で夜間や当直を行うのに比べて、開業医ではほとんど一人で対応しなければならないという事態にあるのではないでしょうか。その負担は、周囲に診療科が少ない所では、余計にのし掛かってくるのであると思われます。

「今日は疲れたから…」と断るわけにもいかず、時間が診療を認めたら延々と労働時間が増えるという事態に陥らないでしょうか。結果、「時間外診療は無理」ということになり、診療費引き下げで経営が難しくなって病院を畳む、ということになれば余計に医師不足に陥るということも考えられます。

こうした改革案が果たして認められるのかも怪しいですが、今後も注目したいと思います。

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スギ花粉入り食品にご注意 厚労省が注意喚起

花粉症の人は、スギ花粉入りの食品に気をつけて――。厚生労働省は、スギ花粉症の人が口にすると、重いアレルギー症状を起こす心配がある健康食品が出回っているとして、注意喚起に乗り出すことになった。

きっかけは、今年2月、和歌山県内の40代女性がスギ花粉のカプセルを飲み、意識不明になる事故が起きたことから。

花粉症の治療に、スギ花粉エキスを少量ずつ注射し体を慣らす「減感作療法」という方法がある。業者は、この治療になぞらえてカプセルを販売したとみられるが、医師の指導のもとで行わなければショック状態に陥る可能性がある。カプセルは、医薬品でないのに、効能や効果をうたっていたため薬事法違反に問われ、現在は売られていない。

女性は、その後、回復したが、厚労省が調べたところ、このほかにもスギ花粉入りの清涼飲料水やあめ、タブレットなど少なくとも10種類の商品がネット上で販売されていることが分かった。

アレルギー患者が多い卵や小麦などを含む加工食品には、表示が義務づけられている。しかし、花粉入りの食品の販売は、厚労省にとっても予想外で、表示を義務化する根拠になる科学的データもない。また、いずれの食品も効果を明確にうたっておらず、規制できないのが実情だ。

このため、厚労省は「健康被害と食品の摂取の因果関係ははっきりしないが、安全のためには注意喚起が必要だ」と判断。医師や薬剤師らが出席する調査会を16日開き、スギ花粉の表示や注意書きを販売業者に指導するかどうかなどについて話し合う。
(スギ花粉入り食品にご注意 厚労省が注意喚起)


花粉入りのカプセルを飲まれて、意識障害を引き起こしたそうですが、これはアナフィラキシーショックを引き起こしたものと考えられます。

アナフィラキシーとは、ハチ毒や食物、薬物等が原因で起こる、急性アレルギー反応のひとつです。アナフィラキシーは、じんましんや紅潮(皮膚が赤くなること)等の皮膚症状や、ときに呼吸困難、めまい、意識障害等の症状を伴うことがあり、血圧低下等の血液循環の異常が急激にあらわれるとショック症状を引き起こします。生命をおびやかすような危険な状態に陥ってしまうことがあります。

ですので、安易にこうした花粉入り食品などに手を出すのは非常に危険です。
減感作療法を行う際には、是非、病院でということですね。

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