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喘息

中国都市部の交通警察官、平均寿命は43歳

中国の都市部に勤務する交通係の警察官の平均寿命が、劣悪な職場環境や公害などにより、43歳と短命であることが分かった。新華社が7日に報じた。

新華社は、同国8都市で実施された調査の結果として、勤続20年以上の交通担当の警察官が最も高いリスクにさらされていると指摘している。

空気汚染が一番の問題だが、ストレスや交通騒音、太陽の下で長時間立ったままでいることも寿命を縮める要因になっているという。

また、チャイナ・デーリーが広州の病院関係者の話として報じたところによると、経済発展の著しい同地では、病院で検査を行った2746人の交通担当の警察官のうち90%以上が、汚れた空気が原因による鼻やのどの感染症を抱えていたことが分かった。

広東省政府のウェブサイト(www.gd.gov.cn)によれば、人口約1000万人の広州では、自動車やそのほかの乗り物180万台が走っており、その数は年16%増加している。
(中国都市部の交通警察官、平均寿命は43歳)


2007年5月18日にWHOが発表した世界保健統計によると、中国人の平均寿命は男性71歳、女性74歳であることがわかっています。となると、有意に寿命が短いということが分かります。

大気汚染の発生源としては、自動車などの排出ガス、工場などからの排煙、廃棄物の焼却排ガスなどである。特に、中国では工業排煙や自動車の排気ガスが問題となっていて、来年のオリンピックを見据えて大きな問題となっています。

汚染物質の直接の影響は、住民の呼吸器系統への被害がまず挙げられます。国内でも、四日市ぜんそくなどはその代表的な例です。光化学オキシダントにより、咳き込みや眼の痛みなどを起こすこともあります。ほかに、酸性雨も大気汚染物質が原因で、その影響は広範囲にわたることもあります。

こうした健康問題は、利益主導の経済発展に問題があったと言わざるをえないでしょう。今後は、オリンピックを契機として、環境問題を年頭に入れ、調和のとれた経済発展が望まれます。

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日東電工は、北京で米系製薬会社アボット・ジャパンと共同開発したぜんそく薬の「アミディ(日本製品名ホクナリン・テープ)」を中国国内で販売する。中国で張るタイプのぜんそく薬が販売されるのは初めて。

アミディは気管支拡張剤ツロブテロールを粘着剤に結晶体として混入、皮膚から徐々に血液中に浸透するよう設計されている。このため副作用が少なく、口からの服用が難しい乳幼児や高齢者にも適した世界初の経皮吸収型ぜんそく薬。特に就寝前に張ると朝方の発作を抑えることができるといい、日本では1998年から発売されてきた。今回、中国での臨床試験を経て中国当局から輸入医薬品としての販売認可を得た。韓国に続く海外での販売となる。価格は1枚9・5元前後。

中国では大気汚染などで推計約2000万人の気管支ぜんそく患者や慢性閉塞肺疾患患者がおり、ぜんそく薬市場は現在8億元規模で今後も急増していくとみられている。中国の医薬品市場全体では1・5兆〜2兆円規模だが、2015年には日本を超えると予測され、日東電工としては、これを中国医薬品市場進出への足がかりにしたいとしている。
(大気汚染…ぜんそく増の中国で初、「張る」タイプ)


喘息とは、アレルギー反応や細菌・ウイルス感染などが発端となった気管支の炎症が慢性化することで、気道過敏性の亢進、可逆性の気道狭窄をおこし、発作的な喘鳴、咳などの症状をきたす呼吸器疾患です。

環境刺激因子(アレルゲンと呼ばれ、大気汚染も含まれる)、寒気、運動、ストレスなどの種々の刺激が引き金となり、これらに対する過敏反応として、気管支平滑筋、気道粘膜の浮腫、気道分泌亢進などにより気道の狭窄・閉塞が起こります。気道狭窄によって、喘鳴、息切れ、咳などの症状をが起こってきます。

気管支喘息治療薬は「長期管理薬」(コントローラー)と「発作治療薬」(リリーバー)に大別されます。発作が起きないように予防的に長期管理薬を使用し、急性発作が起きた時に発作治療薬で発作を止める、といった方法がとられます。

長期管理薬では、吸入ステロイド薬が最も重要な基本薬剤で、これにより気管支喘息の本体である気道の炎症を抑えることが気管支喘息治療の基本となります。重症度に応じて、吸入ステロイドの増量、経口ステロイド、長時間作動型β2刺激薬(吸入薬・貼り薬があります。いわゆる気管支拡張薬です)、抗アレルギー薬、抗コリン剤などを併用します。

今回、発売となったのはホクナリン・テープ(アボット、主成分塩酸ツロブテロール)です。これは、喘息の発作を予防したり発作の症状を押さえるためのβ2受容体刺激薬に分類される気管支拡張薬で、経皮吸収用製剤です。気管支に選択的に作用します。旧来のβ刺激薬に比べ、心臓を刺激する作用が弱いほうとされています。

経皮吸収製剤の場合、薬剤は非常にゆっくりと吸収されます。ホクナリン・テープを貼付けると、数時間かけて血液中に吸収され、血液内のホクナリン濃度は一定に保たれ、持続します。作用時間が長いため、喘息発作の起こりやすい明け方(一般に、呼吸の機能は夜から朝にかけて低下するため、発作が起こりやすい)にかけて、寝ている間の喘息発作の抑制が可能となります。

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ぜんそくで命を落とす人は、国内で年間約3000人もいる。ところが、専門家の調査で、死亡率は地域によって差があり、“西高東低”の傾向があることが分かった。

ぜんそくによる死亡率は、米国では人口10万人あたり1・4人、豪州は1・1人と、欧米先進国は平均して2人以下なのに対し、日本では約2・5人と高い。死者が最も多いのは60歳以上の高齢者だが、若い男性の死亡も目立つ。20〜30代の男性の死亡率を見ると、欧米では100万人あたり約0・4〜1人なのに対し、日本では4〜6人とかなり高い。

こうした状態になっている背景を探るため、同愛記念病院(東京都)アレルギー・呼吸器科の鈴木直仁部長さんは、都道府県別の年齢調整死亡率(年齢構成の異なる地域間で比較できるよう、年齢構成の違いを補正した死亡率)を調べた。その結果、10万人あたりの死亡数は、宮崎、沖縄、徳島、鹿児島、岡山、香川などで多く、秋田、青森、静岡などでは少なかった。その差は3倍以上もあり、ぜんそくの死亡率には西高東低の傾向があった。

日本全体のぜんそく死亡率は、過去10年間で半分程度に下がっている。その要因として、鈴木さんは「標準治療となっている吸入ステロイドの普及率が上がってきたこと」を挙げる。そうした中、西日本で死亡率が高いのは「吸入ステロイドの普及が遅れているためではないか」と鈴木さんは見る。

欧米先進国では吸入ステロイドを使用する患者の割合が約3〜4割なのに対し、日本では約1〜2割と低い。若い男性の場合は、ぜんそくに対する認識が低く、病院になかなか行かないといった理由もあるようだが、十分な治療を受けていないことが根底にある。
(医療ナビ:ぜんそく 呼吸困難で命落とす人は国内で年間3000人)


喘息とは、アレルギー反応や細菌・ウイルス感染などが発端となった気管支の炎症が慢性化することで、気道過敏性の亢進、可逆性の気道狭窄をおこし、発作的な喘鳴、咳などの症状をきたす病気です。

そうした関連からか、高音湿潤な西側の方が喘息患者さんが亡くなる率が高くなってしまっているようです。

治療法としては、吸入ステロイドと気管支拡張薬(β2刺激薬)の併用が標準的な方法となっています。発作が起きた時には短時間作用性(SABA)の気管支拡張薬を使い、予防には長時間作用性(LABA)の気管支拡張薬を使います。

治療方針としては、「できるだけ発作を起こさないようにする」ということで、普段から吸入ステロイドを使って炎症を抑える、ということが重要となります。発作での死亡を減少することが出来るようです。

「喘息を完治する…完治できないなら諦めてしまえ」という投げやりな認識ではなく、「喘息と上手く付き合う」という認識が広まれば、と思われます。

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ラジオ波を用いて過剰に増殖した気道の筋組織を焼灼する新しい治療法が、喘息患者の呼吸を楽にし、症状および薬の使用を減少させるのに有効であることが明らかにされ、米医学誌「New England Journal of Medicine」3月29日号で報告された。「気管支熱形成術(bronchial thermoplasty)」と呼ばれるこの手技は、米国食品医薬品局(FDA)の承認を得るために、現在、さらに大規模な試験を進行中である。

熱形成術は、ラジオ波を放出するワイヤーを肺に挿入し、ラジオ波の熱によって気道の平滑筋を焼灼するもの。この治療の基礎となっているのは、気道周辺の平滑筋の収縮により気道が狭窄するという概念で、「収縮が誘発されても、筋肉の量が少なければ収縮しない」と、カナダ、マクマスター大学准教授のJohn D. Miller博士は述べている。

今回の研究では、中等度から重度の喘息患者112人を対象に、半数には熱形成術を3セッション実施し、残りの半数には通常の薬物療法のみを実施した。1年後、熱形成術群の呼気流量が1分あたり39リットルであったのに対して、標準治療群では8.5リットルであった。また、喘息症状のない日は熱形成術群では平均40日、標準治療群では17日であった。

現在は、この結果に基づき、対照として偽処置群を加えた新たな研究が実施されている。米ハーバード大学医学部准教授のElliot Israel博士によると、この最新の研究では、喘息患者350人の登録がすでに完了し、それぞれ第2セッションから第3セッションまでの異なる治療段階にあるという。被験者を2年間追跡し、治療結果を評価する予定。同氏によれば、生きた筋細胞には炎症を亢進させる化学物質や生物学的シグナルを産生する働きがあることから、気道を広げる以外の効果も期待できるという。
(気道平滑筋を焼灼する新しい喘息治療法)


喘息は、空気の通り道である気道(気管支など)に炎症が起き、空気の流れが制限される病気です。気道はいろいろな吸入刺激に過敏に反応して、発作的に咳、“ぜーぜー"と気管支が鳴る喘鳴、呼吸困難が起きます。気流制限は軽いものから死に至るほどの高度のものまであり、自然に、また治療により回復し可逆的です。

ですが、長く罹っている成人の喘息患者の気道では、炎症とその修復が繰り返される過程で気道の壁が厚くなって、気流制限が元に戻り難くなり、気道の敏感さも増します。

気道を広げることや、「生きた筋細胞には炎症を亢進させる化学物質や生物学的シグナルを産生する働きがあること」から、これを焼灼することで過敏性・炎症を軽減することで喘息を治療しようというものと考えられます。

治療結果は、「1年後、熱形成術群の呼気流量が1分あたり39リットルであったのに対して、標準治療群では8.5リットルであった。また、喘息症状のない日は熱形成術群では平均40日、標準治療群では17日であった」とのことなので、かなり効果はありそうです。"喘息と共存する"という治療方針から、根治へと向かう時代がくるかもしれません。
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