読売新聞の医療相談室で、以下のような相談がなされていました。
ここ1か月くらい、不正出血が時々あり、シャワーなど外からの刺激で膣内部に痛みがあります。出産経験はありません。何か怖い病気なのでしょうか。(44歳女性)

この相談に対して、山王病院リプロダクションセンター長である藤原敏博先生は以下のようにお答えになっております。
症状が二つありますので、まずはおのおのについて可能性のある婦人科疾患を挙げてみます。

不正出血に関しては、膣炎や子宮内膜炎といった炎症と、腫瘍性病変によるものが考えられ、後者では子宮筋腫や子宮頸管ポリープなどの良性腫瘍と、子宮頸がん、子宮体がん、外陰がんといった悪性腫瘍が挙げられます。

膣内部の痛みについては、膣炎の可能性が最も高いと考えられます。ただ、質問者はシャワーの刺激で痛みを感じていますので、実際には外陰部に炎症があるのかもしれません。その場合は、ウイルス感染による外陰ヘルペス症や、粘膜などに障害が起こる免疫の病気・ベーチェット病なども考えられます。


不正出血とは、女性性器からの出血のうち、生理的な出血(月経、分娩、産褥)以外の病的な出血の総称と定義されます。月経は、子宮内膜の自然な剥脱による周期的な腟からの出血です。従って、正常な妊娠に関連しない月経の定義に合致しない出血が不正出血です。

不正出血がある場合、年齢層によって可能性の高い疾患を考慮して問診と初期検査を行っていきます。妊娠可能な年齢の場合は、まず妊娠に関連した出血かどうか、妊娠していなければ器質性か機能性か、器質性ならば悪性か良性かを鑑別していきます。

初経から5〜6年の間あるいは閉経前期には無排卵性周期のことが多く、不正出血の原因となりやすいです。妊娠初期の月経様出血や不正出血そのものを月経と思っていることも多いので、普段の月経と少しでも違うようならば、妊娠に関連した出血を念頭に置きます。排卵前2〜3日に起こる中間期出血も問診により推定しえます。

随伴症状としては、帯下,外陰部そう痒感・疼痛を伴う場合は炎症性疾患、性交時の接触出血を伴う場合は腟、子宮腟部の疾患、下腹痛を伴う場合は子宮・付属器の炎症性疾患、腫瘍性疾患、妊娠関連疾患など、過多月経、月経困難症を伴う場合は子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜増殖症などがまず疑われます。

さらに、以下のような疾患が考えられます。続きを読む