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帝王切開

医療ドラマ「JIN-仁-」第08話 帝王切開による出産

・あらすじ
1867年(慶応3年)秋。「大政奉還」の実現に向け、坂本龍馬(内野聖陽)は日々奔走していた。その一方で、南方仁(大沢たかお)はそんな龍馬のことを気にかけつつも、乳癌のリンパ節/肺転移を抱えながらの出産を控え、『仁友堂』に入院してきた野風(中谷美紀)の身体を心配していた。

橘咲(綾瀬はるか)も野風のため、産婆のもとへ足を運び、少しでも出産の手助けが出来るようにと努力の日々を過ごす。だが、橘恭太郎(小出恵介)は、幕府の上役(中原丈雄)に引き続き龍馬の動向を探るよう命ぜられていた。

そんなある日、野風のお腹の子が逆子であるとわかり、そのまま産むには危険な状態だと判明。仁は、『仁友堂』の面々に協力してもらいながら“整胎術”や“お灸”で逆子を戻そうと試みるのだが、野風の母体を第一に考え、ある決断を下そうとする。その決断とは、母胎を優先し、子供を諦める、というものだった。

野風を落ち着かせ、麻酔下に子供を取り出そうとする仁。「子供には影響の少ない麻酔にします」と伝えた仁だったが、その嘘を野風はすぐに見破る。そして、「麻酔無しで、帝王切開で子供を取り出して欲しい」と切望される。その様子に、咲も後押しをする。

そして、ついに無麻酔での帝王切開術が開始された。激痛の中、手術が進行する。それは、想像を絶するような苦しみであった。無事に取り出された子供は、呼吸をしていなかった。咲は子供の背を叩き、呼吸を開始させた。泣きだした子供の様子に安心した野風は、安心したかのように目を閉じた。

子宮切開部からの出血、播種性血管内凝固(DIC)、そして心肺停止に陥った野風。だが、仁の心臓マッサージで野風は蘇生した。母胎、そして子供ともども救命することができたのだ。子供は、安寿と名付けられた。

一方、その頃、幕府側は大政奉還を決定事項とした。坂本龍馬の奔走により、大政奉還が結実することとなったのだ。



帝王切開術とは/骨盤位・横位とは


帝王切開術とは、急速遂娩術の1つで、子宮壁を切開して胎児を娩出させる方法です。腹式帝王切開術と腟式帝王切開術とがありますが、後者はほとんど行われません。

適応となるのは、狭骨盤や児頭骨盤不均衡、切迫子宮破裂、前回帝王切開、経腟分娩に母体が耐えられないなど母体側の適応と胎児仮死、胎盤の異常(前置胎盤,常位胎盤早期剥離など)、胎位、胎勢の異常(骨盤位、横位、回旋異常など)などです。重複することもあります。

野風の場合は、逆子(骨盤位)であり、なおかつ分娩途中で横位となっていました。そこで、仁は帝王切開術を施行しようと決断します。続きを読む

帝王切開とは:ギネス入りさせたくて、息子に手術をさせた医師夫婦

インド・タミルナド州で、医師の夫婦が15歳の息子をギネスブックに載せるために帝王切開の手術をさせ、告発された。地元紙が21日報じた。

2人は、息子を世界で最も若い外科医として登録するために、手術の模様をビデオに録画し、他の外科医たちに見せたという。

2人の家族は、少年は父親に医療機器を渡すなど手術の補助をしただけだと主張している。インド医療当局は、事件を調査中で、2人の医師資格の剥奪もあるとしている。
(ギネス入りさせたくて、息子に手術をさせた医師夫婦)


帝王切開とは、子宮筋を切開して胎児および胎児付属物を娩出させる手術をいいます。カエサルが帝王切開で生まれたことから語源がきていると広まっていますが、実はこれは単なる伝説だという説もあります。

日本語訳の「帝王切開」はドイツ語の「Kaiserschnitt」の翻訳が最初と言われます。ドイツ語の「Kaiser=皇帝」、「Schnitt=手術」からの訳語です。「Kaiserschnitt」の語源であるラテン語の「sectio caesarea」は「切る」と言う意味の単語二つが、重複しています。これが各言語に翻訳されるにあたり、「caesarea」を本来の「切る」という意味ではなく、カエサルと勘違いしたのが誤訳の原因であるとも考えられています。

帝王切開は、経膣分娩により、母体または胎児の生命の危険性がある場合に適応となります。一般に適応となる状態は、以下のような場合があります。
・常位胎盤早期剥離
・子宮奇形
・前置胎盤
・既往帝王切開後妊娠
・児頭骨盤不均衡
・胎位異常:骨盤位(いわゆる逆子)、横位、顔位、頤位など
・性感染症:HIV感染、性器ヘルペスの妊婦は絶対適応
・Non-reassuring fetal status:児の低酸素状態などが疑われ、急速遂娩を要するが鉗子適位に無く吸引分娩、鉗子分娩が不可能な場合
・分娩停止:微弱陣痛、軟産道強靭など。薬剤などによっても陣痛の増強が得られず、また吸引分娩、鉗子分娩が不可能な場合
・子宮筋腫核出などの婦人科手術既往がある場合


手術の流れは、以下のようになっています。
1.皮膚切開
2.腹壁切開
3.子宮筋切開
4.胎児娩出
5.子宮内容物除去
6.子宮筋縫合
7.腹壁・皮膚縫合

手術方法の完成により、帝王切開そのもので死亡する妊婦はほとんどいないそうですが、それでも母体死亡率は経膣分娩の4倍から10倍とされています。

今回の少年のケースでは、術前に患者さんへのインフォームドコンセントはなされていたのでしょうか。「何事もなく手術が終わればいい」というわけでは決してありません。たとえ医師免許を剥奪されようとも、致し方のない軽率な行為であると思われます。

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