英国の研究チームが20日、性別による色の好みに関する研究結果を米科学誌「カレント・バイオロジー」で発表した。

英ニューカッスル大学の神経科学者アニヤ・ハールバート氏率いる研究チームは、複数の男女被験者に対し、暗室のコンピューターのスクリーン上に現れる、約1000組の色付き長方形を見て、できるだけ早く最も良いと思う組み合わせを選んでもらう実験を行った。

その結果、男性は青を好むのに対し、女性は青と対照的なピンク系の色に引かれる傾向があることが分かった。

同研究チームは、これらの差異について、人類が進化する過程で、女性が熟した果実やより健康的な表情と関連する赤みを帯びた色を好むようになったことが根拠となっているかもしれない、とコメントした。

最近の研究では、一般的に青色が好まれることが示されている一方、色の好みに性差があるという見解を裏付ける証拠は過去にはあまりなかったという。
(女性がピンク色を好むのは本当の話=英研究)


ジェンダー教育、ということでランドセルの色を男女同じにしたり、性差を無くしていこう、という動きがありますが、一方でこうした「違い」があると示したい研究のようです。

ですが、被験者が(年齢は不明ですが)社会的にすり込まれてきた「男性は青、女性は赤」という考えによって、こうした結果がでてきたとも考えられます。子供で実験を行ったらどうなのか、こうした「刷り込み」のない国で行ったらどうなのか、気になるところです。また、性同一性障害の人では、男女逆転の結果がでるのか、興味があるところです。

結局の所、この「刷り込み」を排除した状態での実験でしか、「もともと性によって違いがある」とは言えないのではないでしょうか。ですが、あまりに幼い子だと、実験自体を成り立たせるのが難しいと思われます。

それにしても、この研究チームが、『これらの差異について、人類が進化する過程で、女性が熟した果実やより健康的な表情と関連する赤みを帯びた色を好むようになったことが根拠となっているかもしれない、とコメント』とありますが、これはかなり結論を焦りすぎではないでしょうか。熟した果実や、健康的な表情なら、男性も惹かれるように思うのですが。

こうした研究が社会的に幅をきかせ、時代に逆行するような方向で"利用"されることがなければいいな、と思います。

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