日本動脈硬化学会は25日、心筋梗塞の引き金になるとされるコレステロール・中性脂肪値の異常を診断する新しい指針を公表した。総コレステロール値を診断の基準にするのはやめ、「悪玉」とされるLDLコレステロール値などで診断するのが柱。病名は「高脂血症」から「脂質異常症」に変更する。

指針の改定は5年ぶり。従来の指針では、総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪のいずれかが基準より高いか、「善玉」とされるHDLコレステロール値が基準より低い場合を総称して「高脂血症」と呼んできた。しかし、善玉コレステロール値が低い場合も「高脂血症」と呼ぶのは適当でないとして、病名を変えた。

また、総コレステロール値は血清1デシリットルあたり220ミリグラム以上を「異常」としてきたが、これだと善玉コレステロールだけが多い人も治療対象になってしまう可能性があるため、診断基準から除いた。

新指針では、LDLコレステロールが140ミリグラム以上、中性脂肪が150ミリグラム以上、HDLコレステロールが40ミリグラム未満の場合を「脂質異常症」と診断する。
(「高脂血症」あらため「脂質異常症」に 学会が新指針)


高脂血症(HL:Hyperlipidemia)は、血液中に含まれる脂質(中性脂肪やコレステロールなど)が過剰な状態を指します。

高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド血症といった種類があり、WHOの基準に基づき日本動脈硬化学会が診断基準を定めていますが、それぞれ区分があり、面倒でした。

これらをひっくるめて、
1)LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)≧140mg
2)中性脂肪≧150mg
3)HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)≦40mg
という新基準になりそうです。メタボリックシンドロームなどで、健康に注目が集まる今、新基準が広まって認知されるようになれば、と思われます。

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