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日焼け

皮膚癌のリスク−カリフォルニアで18歳未満の日サロ利用禁止

2013年5月に米カリフォルニア州では、18歳未満の室内日焼けを全面禁止しています。そこで、室内日焼け施設338カ所を対象として、「17歳です」と偽って電話を掛け、その結果、店側がどのように対応するか、調査してみたそうです(Compliance by California tanning facilities with the nation's first statewide ban on use before the age of 18 years.)。

結果、過半数(77%)が紫外線日焼け設備の使用不可を回答しましたが、大部分が紫外線日焼けの危険性を否定し(61%)。ビタミンD生成(44%)、皮膚疾患治療(22%)、将来の日焼けの予防(17%)などの健康利益を主張したそうです。

日焼け−皮膚癌の関係性


皮膚癌、特に悪性黒色腫は、国内で年間1,500人〜2,000人が発症し、転移すると90%が5年以内に死に至るといわれており、転移を生じやすく、きわめて悪性度の高い腫瘍であることが分かるかと思われます。発生頻度は人種差が大きく、人口10万に対して白人10〜20、日本人1〜2、黒人1以下と、かなりの開きがあります。

頻度としては、世界的に増加傾向が著しいがんの1つであるといわれています。その誘因の1つに、過度の紫外線照射が挙げられています。続きを読む

これからは「飲む」日焼け止めの時代になる?

J Eur Acad Dermatol Venereolという医学雑誌に、「シダ植物エキスが、UVの感度を低減」させる、という論文が掲載されていました(Benefits of oral Polypodium Leucotomos extract in MM high-risk patients.)。



家族性/多発悪性黒色腫(MM)25人、散発性MM20人、MM歴のない異型母斑症候群16人を対象に、シダ植物から取ったPolypodium leucotomos(PL)エキスが全身的光防御に果たす役割を検討。合計1080mgのPL経口投与後と非投与で様々な用量のUVBを照射した結果、投与により全群で平均最小紅斑量(MED)が有意に増加した(0.123-0.161J/cm2、p<0.05)。MEDとMC1R多型/CDKN2A変異との関連性も見られた。

中央アメリカに生息するシダ植物の一種である、Polypodium leucotomos(ポリポディウム属)の抽出物からつくられたエキスを経口服用すると、紫外線防御効果の他、皮膚癌の防止、抗炎症作用、日焼けによる赤み、皮膚のダメージが軽減される、と言われています。

もう既に商品化はされているようで、「ヘリオケア」という商品名だそうです。
ヘリオケア 飲む日焼け止め ウルトラD オーラル 30錠 Heliocare [並行輸入品][海外直送品]

こちらの商品についての注意点については、以下のように記載されています。続きを読む

日焼けとは:自動車用触媒が日焼け止めに

塗り心地がよく、付けた後も肌が白っぽく見えない日焼け止め化粧品の原料を、東北大多元物質科学研究所の佐藤次雄教授が開発した。この原料は、排ガスを浄化する自動車用触媒などに使われる酸化セリウムを、肌の上で滑りやすい物質に添加した構造。

酸化セリウムはしみやしわの原因となる紫外線をカットし、塗った後も肌が自然に見えることは知られていたが、感触などが悪かったという。佐藤教授は使い心地を高めるため、肌と相性が良く、滑りがいい物質に着目。この物質の表面に、直径20ナノメートル(ナノは10億分の1)の酸化セリウムの結晶をまぶして原料を製造し摩擦係数を調べた。その結果、市販の化粧品とほぼ同じで、さらさらした感触を実現できたという。

化粧品メーカーとの共同研究で量産技術も確立。来春をめどに、この原料を使った化粧品の実用化を目指す考えだ。佐藤教授は「肌が白っぽく見えやすいという従来の化粧品の欠点を克服できた。塗っても違和感のない日焼け止めになり、女性には使いやすい」と話している。
(エッ?自動車用触媒が日焼け止めに 東北大が開発)


日焼けとは、紫外線を皮膚に浴びることにより、皮膚が赤く炎症を起こす症状(サンバーン)および、メラニン色素が皮膚表面に沈着すること(サンタン)をいいます。メラニンの成分量は個人差がありますが、一般に、より浅黒い肌の人々は色白の人より多くのメラニンを持っており、これは浅黒い肌の人は日焼けがしにくいことを意味しています。

紫外線はUVA(長波長紫外線)、UVB(中波長紫外線)、およびUVC(短波長紫外線)に分けられます。

サンバーンは、UVBが表皮を透過し、真皮乳頭体まで達した結果、乳頭体内の毛細血管が炎症反応として充血を起こし、皮膚の色が赤くなった状態を指します。その際、紫外線量がメラニン色素の防御反応を超えていると、細胞組織が傷を受け、発熱や水泡、痛みが起きます(日光皮膚炎)。

サンタンは、UVAがメラノサイトに働きかけ、メラニン色素の生成を促します。メラニン色素を多く含んだ表皮細胞が基底層から角質層に達するまで新陳代謝による時間のズレがあるため、紫外線を浴びてからしばらく後で皮膚が浅黒く変色するのはこのためです。UVAは、発赤や炎症を伴うことはありませんが、真皮の深部まで到達しシワ、タルミの原因にることが言われています。

上手く日焼けするためには、最初にサンスクリーン剤(日焼け止め剤)をムラなく肌に塗って、サンバーン(炎症)を起こすUVBをカットしながら段階的に焼いていくことが重要です。

日焼けの危険性は、将来の皮膚ガンのリスク増加をもたらす点です。紫外線は、細胞レベルでDNA損傷を引き起こし、皮膚ガンのリスク増加をもたらします。破損した細胞は死に、吐き気と熱の原因となる毒素を放出し、多くの細胞が死んだ結果、皮膚剥離が生じます。また、紫外線にさらされると、表皮にシミやソバカスなどの色素沈着を助長し、トラブルの原因となることが多いです。

できれば、日焼けはしないに越したことはないようです。そのためには、日焼け止めをしっかりと使用した方がよさそうです。

日焼け止めの効用として、SPFというものがありますが、SPFとはSun Protection Factorのことです。SPFとは、日焼け止め等の効力を表す数値です。薬剤を使用した上で直射日光に曝され続けて皮膚に紅斑ができるまでの時間と、何も使用しないときに皮膚に紅斑が現れるまでの時間の比のことです。

SPFが50程度あれば、非常に紫外線の強い場所や紫外線に過敏な人であってもUVBによる炎症を防止できるとの考えから、SPF測定法により測定した結果、SPFが50より有意に高い場合には、「SPF50+」と表示しています。また、「PA」という効果の表示法がありますが、PAとはUVAの防止効果を表しています。

日常の行動(散歩や買い物)などでは、SPF10〜20程度で良いそうです。出かけるときには、日焼け止めを塗った方がいいかもしれません。

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