たばこの煙の害によって歯周病が進行することを、ブラジルの研究グループが動物実験で証明し、米国歯周病学会誌に発表した。

研究グループは、ラットの歯に糸を巻いて歯周病を起こしやすくした動物モデルを使い、高濃度のタールやニコチンを含むたばこから出る煙を飼育器に入れて吸わせるグループ、低タール、低ニコチンのたばこから出る煙を吸わせるグループ、たばこの煙にさらされないグループの3群に分けて飼育し、1か月後の歯の状態を調べた。

その結果、歯周病の指標として、歯槽骨が溶ける吸収度合いを示す組織の面積は、たばこ煙のない環境に置かれた群では平均5.74平方mmだったのに比べ、高タール、ニコチンたばこの煙を浴びた群では7.40平方mm、低タール、ニコチンでも6.51平方mmと、進行の程度が大きかった。
(たばこの煙で歯周病進行)


詳しい機序は分かりませんが、どうやら"タバコの煙のある環境"に置かれると、歯周病が進行するようです。自分でタバコを吸っているのではないのに、副流煙でも害があるのだという証拠がさらにでてきたわけです。

ヤニがついたり、癌のリスクもある。さらに、自分だけでなく、周囲の人も歯周病になるリスクが高めてしまう。これを期に、喫煙者の方は周りの大切な人のことも考えて、禁煙を試みてはいかがでしょうか。

【関連記事】
本当は怖い歯茎のしみ〜口腔底癌〜