先月末にパーキンソン病を公表した放送作家でタレントの永六輔(77)が東京都新宿区でタクシーに乗車中、衝突事故に遭い、左肩打撲で全治2週間の軽傷を負っていたことが18日、分かった。

警視庁四谷署によると17日午後9時10分ごろ、同区大京町の片側2車線の都道で、永が乗っていたタクシーに、左側車線から急にUターンしようとした別のタクシーが衝突した。永のほかにけが人はいなかった。
(永六輔、タクシー衝突事故で全治2週間)

パーキンソン病とは


Parkinson(パーキンソン)病とは、錐体外路系の障害を示す疾患であり、病理学的には、中脳の黒質緻密層のドパミンニューロンが、選択的に変性・脱落し、残存神経細胞にLewy(レビィ)小体の出現をみる疾患です。初発年齢は50歳代前半から60歳代前半が最も多いですが、20歳代から80歳代まで広い年齢範囲の発症があります。

臨床症状としては、

安静時振戦
4〜6Hzの規則的なふるえで、パーキンソン病患者の約70%にみられます。振戦は安静時に観察されるのが特徴で、随意動作では抑制されます(動作中は抑制され,しばらく同じ姿勢を保っていると振戦が再現する)。手の振戦の場合、筋緊張に伴う手の姿勢(中手・指基節関節の屈曲と指節間関節の伸展)がもともとあると、振戦が指で丸薬をまるめるような動きにみえます(pill rolling tremorと呼ばれる)。

筋固縮
他動的に患者の関節を伸展・屈曲して、筋を伸張するときに反射として生じる抵抗で、歯車様固縮(「ガクガクガク」と細かい断続的な抵抗として感じる)の場合が多いです。

無動
動作の開始に時間がかかったり、開始した動作の速度が遅い現象をいいます。運動麻痺がないのに速い動作ができなかったり、指先の細かな動作の困難、交互反復動作の運動範囲が狭いほうに収れんしたり途中で止まってしまうことがあります。仮面様顔貌や小声、小書字も無動の現れである。そのほか、ボタン掛け、洗面、衣着脱などあらゆる日常生活動作が遅くなります。

姿勢反射障害
立位の姿勢は前屈位となり、歩幅も小さくなります(小股歩行)。歩き出すと途中から歩調が速くなり、小走りになったり、前方や後方に軽く押されただけで、体勢を立て直せずに突進したり、倒れてしまいます。

これらが4大症候と呼ばれます。さらに自律神経症状(便秘、立ちくらみ、排尿障害)や精神症状(うつ状態、痴呆など)も加わる場合があります。

こうした臨床症状の重症度を簡便に表現する尺度として、Hoehn-Yahr重症度があります。

Hoehn-Yahr重症度では、パーキンソニズムの症状が一側にとどまる状態をI度、両側性となった状態をII度、さらに症状が進行し姿勢反射障害(突進現象など)が加わった状態をIII度、さらに症状が進行し日常生活に部分介助が必要な状態をIV度、日常生活すべてに介助が必要な状態をV度と記載します。

パーキンソン病の治療


パーキンソン病の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む