「ぐんまフラワーパーク」(前橋市柏倉町)で14日行われたキャラクターショーに着ぐるみを着て出演していた男性スタッフが突然倒れ死亡していたことが18日、分かった。群馬県警大胡署では熱中症の疑いもあるとみて、男性の詳しい死因などを調べている。

同署などによると、14日午後3時5分ごろ、同パークイベント会場でアニメキャラクターの着ぐるみを着て、ショーに出演していた40代のイベント会社の男性スタッフが突然倒れた。男性は電気ショックで心臓を正常に戻す自動体外式除細動器(AED)による救命措置を受けた後、市内の病院に搬送されたが、間もなく死亡した。

同市内はこの日、午後に入っても気温が上昇、最高気温35.5度の「猛暑日」だった。
(ショー出演の着ぐるみスタッフ死亡 熱中症か)


熱中症とは、体内に溜まった熱を下げることができず、体温が異常に上昇することで様々な障害が出る疾患です。外気においての高温多湿などが原因となって起こる症状の総称で、熱失神、熱疲労、熱痙攣、熱射病の4つに大きく分類されます。

特に熱射病では、脳(視床下部にある温熱中枢)の体温調節機能が失われることにより、高度の意識障害が生じます。体温が40℃以上まで上昇しますが、発汗は見られず(よって、汗で体温を下げることができない)、皮膚は乾燥している状態になります。緊急入院で、速やかに冷却療法を行う必要があります。

着ぐるみを着ていたとなれば、高温・多湿状態にあり、なおかつショーを行っている最中は水分補給などができる状態にないと思われます。夏休みシーズンともなれば連日、こうしたショーに出なければならないということもあるでしょう。非常に過酷な環境にあったのではないでしょうか。

予防としては、発汗によって失った水分と塩分の補給をこまめに行い(特にスポーツドリンクなど塩分と糖分を飲みやすく配合した飲み物)、睡眠を十分に取る、十分に休憩を取る、などです。

熱中症に罹ってしまった場合、ただちに涼しい場所に移動して、経口補水塩またはスポーツドリンクなどを飲ませることや、首筋や脇の下など、比較的皮膚に近い太い動脈がはしっているところに氷などを置くことで、冷却することが重要です。ただし、冷たいものを大量に飲ませると胃痙攣がおきることがあるので注意が必要です。

汗をかいていないとしても、体温が高くなくても熱中症の可能性はあります(脱水していれば、汗はかくことができない)。自覚症状に乏しいため、熱中症は危険です。

まだまだ暑い日が続きそうです。室内であっても、熱中症になってしまって救急車で運ばれるケースが多いそうです。室温や水分補給にお気をつけ下さい。

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