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肺癌

肺癌になったら、どれくらい生きられるのか?-3) 予後

肺癌の予後(どれくらい生きられるのか)について、かなり前置きが長くなりましたが、ようやく本題です。
基礎知識が無く、かつ前の記事を読まれていない方は、ご参考ください。

肺癌の病期(ステージ):肺癌になったら、どれくらい生きられるのか?-1) 基礎知識

肺癌の治療方法について:肺癌になったら、どれくらい生きられるのか?-2) 治療方法

なお、下記のデータは2002年の肺癌治療例の全国集計に関する報告を参考にしております。

肺癌の5年生存率


癌の治療成績などを示すものとして、5年生存率というものがあります。その名の通り、「全体の中で5年生存することが可能であった人は何人いるか」というものです。

肺癌の5年生存率は、以下の様なものです。
上が非小細胞肺癌、下が小細胞肺癌の5年生存率です。赤く四角で囲ったところが5年生存率となっています。
肺癌ステージ続きを読む

肺癌になったら、どれくらい生きられるのか?-2) 治療方法

肺癌の「ステージ(病期)」について前の記事(肺癌になったら、どれくらい生きられるのか?-1) 基礎知識)でお示ししました。このことを踏まえて、それぞれのステージ毎にどのような治療方法があるのかについて、まずお示ししたいと思います。

肺癌の治療方法



肺癌だけでなく、悪性腫瘍、がんの治療方法としては、以下の3本柱で支えられていると言えるでしょう。
1) 手術治療
2) 放射線治療
3) 化学療法(抗癌剤治療)

もちろん、全てが手術できるわけではありません。それぞれのステージ毎に、やはり推奨される治療方法というのは異なるわけです。

さらに、組織型によっても異なります。肺癌は、大きく分けて2種類に分けられます。小細胞肺癌と非小細胞肺癌(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌など)です。小細胞肺癌は、進行が早い一方、抗癌剤治療や放射線治療に反応しやすいといった特徴があります(非小細胞肺癌は、組織型や分化度により、その進行スピードや治療への反応性はマチマチです)。

組織型、ステージによる治療方法の選択について、おおまかに以下の表でお示しします。続きを読む

肺癌になったら、どれくらい生きられるのか?-1) 基礎知識

「肺癌になった場合、どれくらい生きられるのか?」というのは、患者さんやそのご家族も一番気になるところではないでしょうか。気にはなっていても、そのまま医師に質問することはためらわれる、という方がほとんどではないでしょうか(中には、そのまま質問される方もいらっしゃいますが)。

また、逆も然りで、医師の方もそれを答えることはためらわれることが多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、おおよその目安、統計的・疫学的なデータでお示ししたいと思います。ご参考にしていただければ、と存じます。

なお、医学用語では、「どれくらい生きられるか、病気になった後にどうなるのか」、といったことを「予後」と言ったりします(wikipediaでは手術や病気、創傷の回復時期やその見込みを意味する、とあります)。その予後について、はっきり示していこう、というのがこの記事の狙いです。


TNM分類について



まずは癌という疾患全般で言えることですが、それぞれのステージ毎に、生存期間などは決定されていきます。そこで、まずはそのステージがどのように決定されるのか、ご理解いただかなければなりません。

TNM分類について
TNM分類とは、UICC(Union Internationale Contre le Cancer=国際対がん連合)が採用している悪性腫瘍の病期分類です。

身体の28部位の悪性腫瘍について、
T(tumor):原発腫瘍の進展度
N(nodes):所属リンパ節の状態、特定の部位では遠位リンパ節
M(metastasis):遠隔転移の有無

これら3つの因子に付記する数字によって、その広がりを表示するようになっています。

まず、肺癌のT因子では、
T因子(tumor:原発腫瘍の進展度)
T1:腫瘍径が3cm以下
  腫瘍は肺組織または臓側胸膜に囲まれているが、葉気管支より中枢に浸潤しない。
   T1a:腫瘍径が2cm以下
   T1b:腫瘍径が2cm〜3cm
T2:腫瘍径が3cm〜7cm、あるいは以下の特徴を有する
  主気管支に浸潤が及ぶが腫瘍中枢側が気管分岐部より2cm以上離れている。
  臓側胸膜浸潤がある。
  腫瘍によって肺門におよぶ無気肺あるいは閉塞性肺炎があるが、一側全体には及ばない。  
   T2a:腫瘍径が3cm〜5cm
   T2b:腫瘍径が5cm〜7cm
T3:腫瘍径が7cmをこえるもの、あるいは以下の特徴を有する  
 ・胸壁浸潤
 ・横隔膜浸潤
 ・横隔神経浸潤
 ・縦隔胸膜浸潤
 ・壁側胸膜浸潤
 ・腫瘍が気管分岐部から2cm未満におよぶが、気管分岐部に浸潤のないもの
 ・腫瘍による無気肺あるいは閉塞性肺炎が一側肺全体に及ぶもの
 ・同一肺葉内に存在する腫瘍結節
T4:腫瘍のサイズは問わず、以下に浸潤するもの
 ・縦隔浸潤
 ・心臓浸潤
 ・大血管浸潤
 ・気管浸潤
 ・反回神経浸潤
 ・食道浸潤
 ・椎体浸潤
 ・同側肺に存在する複数の腫瘍結節

このようになっています。もちろん、一般の方々はこんなのは覚える必要はありません。
要は、「T因子は元となる肺癌が、1) どのくらいの大きさなのか、2) どれくらい周囲に広がっているのか」といったことを決めている」といったことをご理解いただければ良いかと思います。T1aが最も軽いもので、T4が最も重篤な状態です。

次に、N因子です。
N(lymph node:所属リンパ節転移の有無や範囲)
N0:所属リンパ節転移無し
N1:同側の気管支周囲リンパ節、肺内リンパ節、および/または、
  同側の肺門リンパ節への転移あるいは直接進展
N2:同側の縦隔、および/あるいは、鎖骨下リンパ節への進展
N3:対側縦隔、あるいは対側肺門リンパ節、あるいは同側・対側の斜角筋
  あるいは鎖骨下リンパ節への転移

これも覚える必要はありません。「N因子は、胸(胸郭)の中のリンパ節にどれくらいの範囲で広がっているか」を示すものです。N0は全くリンパ節転移が無いもので一番軽いもの、N3は最も重篤な状態で、「癌のある側とは反対の胸のリンパ節に転移している、もしくは鎖骨下リンパ節などに転移している状態」です。

最後に、M因子です。
M(metastasis:遠隔転移の有無)
M0:遠隔転移なし
M1:遠隔転移あり
 M1a:対側肺葉内に存在する腫瘍結節、悪性胸水・悪性心嚢水
 M1b:遠隔転移あり

これは、「遠隔転移が有る/無いを示す因子」です。転移があればM1、無ければM0です。

上記を全て踏まえて、たとえばT1N0M0、T4N3M0やなどと表します。続きを読む

肺癌と診断され、治療へ−古谷一行さん

俳優の古谷一行(67)が肺がんを患っていることが19日、分かった。古谷は先月末の定期健診で肺に影が見つかり、追加検査が必要になったため、出演を予定していたミュージカル「GOLD―カミーユとロダン―」(12月8日初日、日比谷シアタークリエ)を降板。所属事務所がこの日、「肺悪性腫瘍との診断を受けました」と検査結果を文書で公表した。

「幸い早期発見のため、自覚症状もなく、平穏に過ごしておりましたが、これを機に、治療と静養に充てる期間をいただいて、万全な体調に戻したいと思っております」としている。

事務所によると古谷は現在、今後の治療法について担当医と相談中。早期発見だったため「医師からは、順調にいけば年末には普通の体調に戻れると言われている」という。来年3月に東京・天王洲銀河劇場で上演されるミュージカル「9時から5時まで」には出演する意向。周囲は早期発見で大事に至らずほっとしているが、古谷は「仕事のことをしきりに心配している」という。

福田医院(横浜市)の福田伴男院長によると、肺がんは全罹患(りかん)者の約80%が65歳以上。治療法は(1)放射線療法(2)化学療法(薬品の服用)(3)外科手術が一般的。「肺は血管が集まるところなので、他臓器への転移は慎重に調べる必要があるが、早期ならば、ピンスポットでがんを退治する放射線治療が効果的」という。入院も1カ月程度で「治療がうまくいけば、声を出す舞台の仕事にも支障はない」という。
(古谷一行「肺がん」公表…幸い早期発見、来春復帰へ)

肺癌とは


肺癌は、その生物学的特徴から、小細胞癌と非小細胞癌に分けられます。非小細胞癌とは、主に腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌からなります。

肺癌は非小細胞癌(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌)が約85%、小細胞癌が15%を占めます。病因は喫煙による影響が最も強く、発症危険率は喫煙本数と比例するといわれています。喫煙指数(1日に吸う本数 × 年数)が800を超えると肺癌の危険が高くなるといわれています。

肺癌の場所による分類としては、区域気管支より中枢側に発生したものを中枢型、末梢側に発生したものを末梢型といいます。中枢型には扁平上皮癌と小細胞癌が目立ち、男性例が多く、喫煙との関連が高いです。一方、末梢型では腺癌が目立ち、女性が比較的多く、喫煙との関連は低いといわれています。

小細胞癌は、原発性肺癌の15%を占め、きわめて悪性度が高く、発見時にすでに遠隔臓器への転移や肺門縦隔リンパ節転移をみることが多いといわれています。

小細胞肺癌は、重喫煙者で男性に多いです。多くは肺門型(縦隔のある中心部付近に発生しやすいです。ちなみに肺門とは、左右の肺の内側面中央にある部分で、第5から第7胸椎の高さに相当する)で、区域枝から亜区域枝の上皮の基底膜近辺に発生し、気管支粘膜下を長軸方向に浸潤増殖するという特徴があります。

非小細胞肺癌の腺癌は、肺癌全体の約40%を占め、最も頻度の高い組織型です。女性肺癌の80%は腺癌であり、非喫煙者が多いです。ほとんどの症例で気管支肺胞系の末梢に発生し、孤立結節型の増殖を示し、画像上、結節影を形成します。

腫瘍細胞は、肺胞細胞を置換して隣接する肺胞、小葉へと進展します。腺癌の特殊型である細気管支肺胞型は円柱状の腫瘍細胞が肺胞壁に沿って増殖し、新たな腫瘍間質の形成がみられず、臨床的には多量の喀痰を伴い、しばしば肺炎や間質性肺炎と誤診されることもあります。

扁平上皮癌は、腺癌に次いで発生頻度の高い癌で約35%を占めます。多くは重喫煙者で男性に多いです。発症部位は肺門部の主気管支や葉気管支に多く、気管支上皮を癌組織で置換しながら進展し、気管支内腔の狭窄や閉塞をきたします。腫瘍の中心部は壊死を起こしやすく、空洞を形成することも多いです。

肺癌の治療


治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む
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