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胃癌

胃癌の手術後に体重が激減しないためにすべきこと

yomiDrの医療相談室に、「がんで胃を全摘 体重が激減」が掲載されていました。
7年前に胃がんで胃の全摘手術を受けてから、体重が減り続け、手術前よりも15 Kg 以上少ない36 Kg です。体力を落とさないために4〜5 Kg増やしたいのですが、良い方法はないでしょうか。(62歳女性)

この相談に対して、胃を切った人友の会 「アルファ・クラブ」会長 慈恵医大客員教授である青木照明先生は以下のようにお答えになっています。
胃を切除すると、ほとんどの人は体重が減り、全摘した人では9割以上が、5年以上経過しても手術前の体重に戻りません。胃を失うことで、栄養の消化吸収の機能が悪くなるためと理解されていますが、原因はそれだけではありません。

胃は、食欲ホルモンである「グレリン」の9割以上を分泌する臓器であり、切除されることでグレリンが激減します。グレリンの量が急に減ることで、骨や筋肉などの代謝が低下し、体重減少につながることがわかってきました。

こうした病的な体重減少は、脂肪だけでなく、筋肉・骨量が減って運動機能に悪影響を及ぼし、貧血も起こします。

これまでは、胃を失っても、時間が経過すれば、腸が代わりを果たして食べられるようになると言われていましたが、食べられる量が増えても、胃酸やペプシンなどの消化液の分泌は失われています。これらとともに作用する膵液すいえきや胆汁などの消化液の働きも著しく阻害され、消化不良と栄養吸収障害が起こります。

対策としてはまず、よくかむこと。唾液には消化酵素が含まれており、小腸での消化を助ける働きがあります。さらに、医師から消化酵素薬を処方してもらい、常に食事と一緒に服用します。必要な栄養をバランス良く摂取できる流動食型の栄養補助食品も積極的に活用してください。

これらに加えて、吸収された栄養を取り込むため、適度な運動習慣を身につけることも必要です。
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ピロリ菌除菌が保険診療で受けられるようになる

胃の粘膜に感染して胃がんなどを引き起こすピロリ菌の感染による慢性胃炎について、除菌治療が保険診療として認められる見通しになったことが1日分かった。

ピロリ菌の除菌は胃がん予防に大きな効果があるとされているが、慢性胃炎からさらに進んで胃潰瘍などになるまでは保険適用されなかった。対象拡大で胃がんの発症者数を大幅に減らせる可能性がある。

1月31日に開催された厚生労働省の専門部会が、症状の軽い患者でも除菌で胃炎が改善するとの研究結果を確認、除菌に必要な複数の薬剤の適用範囲を広げることを認めた。

近く、呼気検査などによるピロリ菌感染と内視鏡での胃炎の確認だけで、除菌が保険適用されるようになる。

ピロリ菌の除菌は胃酸を抑える薬と抗生物質を組み合わせて実施。患者は1週間ほど薬の服用を続ける。除菌に失敗したら、別の薬の組み合わせを試す。

ピロリ菌は胃酸の分泌が未成熟な幼少時に口から体内に入り、胃の粘膜にすみつくと考えられているが、除菌に成功できれば再感染の恐れは低いとされている。
(ピロリ除菌の保険拡大へ 胃がん減らせる可能性)

ピロリ菌とは


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ピロリ菌ことヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)は、ヒトなどの胃に生息するらせん型の細菌です。1983年バリー・マーシャル(Barry J. Marshall)らが、自らの体で菌の存在を証明したことでも有名です。

ピロリ菌は幼児時に経口感染し、胃に数十年すみ続け、慢性胃炎を起こします。日本では40代以上の7割が感染しているといいます。日本の全人口の約50%が感染しているのではないかといわれ、年代が高い方が感染率も高いといわれています。そして、胃癌では最も重要な発がん因子であるとされています。

ヘリコバクター・ピロリの感染は、慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のみならず、胃癌やMALTリンパ腫などの発生につながることが報告されています。細菌の中でヒト悪性腫瘍の原因となりうることが明らかになっている唯一の病原体です。

ピロリ菌の検査とは


以下の様なものがあります。続きを読む

萎縮性胃炎で、がんが心配な68歳女性

YOUMIURI ONLINEで、「萎縮性胃炎 がんが心配」という記事が掲載されていました。
6年前、胃の内視鏡検査を受け、萎縮性胃炎と診断されました。薬は効果がありません。ピロリ菌はいないようですが、がんになる可能性が高いと言われ、不安でなりません。(68歳女性)

この相談に対して、昭和大藤が丘病院 消化器内科教授である高橋寛さんは、以下のようにお答えになっています。
萎縮性胃炎は、胃粘膜の慢性的な炎症によって、萎縮が起こる現象です。約80%がピロリ菌の感染によるもので、その他の原因としては化学物質や全身疾患が関係しています。

腹部の不快感、食欲不振、悪心、嘔吐、痛みなどを訴えることもありますが、自覚症状がない場合も多く、特有の症状はありません。

診断は造影剤(バリウム)を飲むエックス線検査や内視鏡検査で行います。根本的な治療法はなく、一般的には自覚症状がなければ治療の必要はありません。

慢性胃炎とは、胃の粘膜が持続的に炎症を起こし、粘膜の性状が変質する病気です。内視鏡検査によって診断すると、「表層性胃炎」、「萎縮性胃炎」、「肥厚性胃炎」の3つに分けることができます。

・表層性胃炎
胃の粘膜の表面だけに軽い炎症が起こったもの。そのまま萎縮性胃炎に移行するものもあります。

・萎縮性胃炎
胃の粘膜が薄くなり、胃腺が働かなくなって粘膜が萎縮してきます。高齢になるほど萎縮性胃炎の人の割合が増えてきます。

・肥厚性胃炎
萎縮性胃炎と逆に胃の粘膜が厚くなります。胃液や、その中の胃酸の分泌が増加し、過酸症がみられることがあります。

慢性胃炎の症状としては、上腹部の不快感や胃もたれなどがあらわれることがありますが、慢性胃炎特有の症状といったものはありません。また、長期にわたって自覚症状がない場合もあります。

疼痛は40〜85%にみられ、鈍痛のことが多いようです。また、膨満感、あるいは胃の存在を自覚するという訴えが20〜70%にみられます。その他、食欲不振、胸やけ、げっぷなどもしばしば認められます。

治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む

早期胃癌で入院・手術していた−雨上がり決死隊・宮迫博之さん

2012年12月06日放送の「ナインティナインのオールナイトニッポン(ANN)」にて、胃癌で入院・手術を行った雨上がり決死隊・宮迫博之の病状について岡村隆史が語っていた。
胃ガンのすべてがわかる本 (The stomach cancer book)
矢部「思いつきで人間ドックに行こうと思って」

岡村「そう。それで、あれ、あれ…ってなって」

矢部「うん」

岡村「やねんって。思ってるより元気やったから、全然よかったけどな。そもさんせっぱ見て、3問くらい正解してたし」

矢部「おぅ」

岡村「みんなで見て」

矢部「そら安心やね。元気やったらね」

岡村「ほんま、なんやろな…そういう年になってきたんやなぁ」

矢部「たしかに」

さらに、以下のように語っていた。
岡村「大丈夫やっていうのに、小杉は突然『心配です…』って、カレー食いながら泣きだして(笑)大丈夫やって言うてるのに」

矢部「まぁまぁね」

岡村「『カレー食ってるやないか』って言いながらね」
(ナイナイ・岡村「雨上がり・宮迫博之が胃癌になって変わったこと」)

早期の胃がんで入院したお笑いコンビ、雨上がり決死隊の宮迫博之(42)が7日、都内の病院で手術を受け、無事成功したことを所属事務所が発表した。

胃角に2センチ程度の腫瘍が発見されたため、腹腔鏡下幽門側切除手術で胃の約3分の1から半分を切除。約5時間かかったという。入院は2〜3週間の予定で、年内復帰を目指す。7日未明には、ツイッターで「と言う訳で、明日からしばらく治療に専念いたしやす。Twitterはしばしお休みです。でわでわ、しばしサラバ♪」と明るくメッセージを送った。

6日に行われたテレビ朝日系「アメトーーク!」(木曜後11・15)の収録は、相方の蛍原徹(44)が1人で司会を務めた。
(宮迫、5時間の手術成功 年内復帰目指す)

胃癌とは


広い意味では胃癌は、胃粘膜上皮から発生した癌腫(狭義の胃癌)と、上皮以外の組織から発生したがん(胃平滑筋肉腫・GIST・胃悪性リンパ腫など)の両方を含みますが、一般的には粘膜上皮から発生したもの(前者)を指します。

かつて、日本では男女とも胃癌が第1位でしたが、死者数は年々減少しています。2003年の日本における死者数は49,535人(男32,142人、女17,393人)で、男性では肺癌に次いで第2位、女性では大腸癌に次いで第2位となっています。近年増加率の低下がみられ、これは食生活の欧米化などによる環境の変化、検診などにより根治可能な胃癌が多数発見されるようになったこと、治療技術の進歩などの要因によると考えられます。

胃癌は、自覚症状による胃癌の早期発見は難しいです。ほとんどの場合、早期癌の段階では無症状であり、癌が進行してからでないとはっきりとした自覚症状が出てこないことが多いからと言われています。そのため、放置されてしまったり、逆に内視鏡検査などで早期発見されるケースもあります。

症状としては、腹痛や腹部〜胸部の不快感、吐き気や嘔吐を伴ったり、食欲減退、食事後の胃部膨満感や急激な体重減少などが起こってきます。他にも、下血や黒色便(血液中のヘモグロビンが胃酸によって酸化されて黒くなる)がみられることもあります。

胃癌の転移には、血行性転移、リンパ行性転移、腹膜播種があります。胃壁内での深達度が進むほど転移率は高くなり、血行性転移では肝や肺、さらに骨、脳、皮膚、腎などへ転移します。リンパ行性転移は所属リンパ節から始まり、遠隔リンパ節へ転移をきたしていきます。腹膜播種は、漿膜を越えて胃壁を浸潤した癌細胞が、腹膜に播種して癌性腹膜炎を起こして腹水を生じます。

肝転移すると肝腫大、黄疸などが起こってきます。腹膜に転移すると腹水、後腹膜に転移すると強い背部痛を認めます。その他、左鎖骨上窩リンパ節転移(Virchow転移)、Douglas窩への転移(Schnitzler転移)、卵巣転移(Krukenberg腫瘍)などがあります。

高度な進行胃癌となると、体重減少、食思不振、貧血、腹部腫瘤触知、嚥下困難などの所見を認めることがあります。末期では、播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併することが多くなります。

なお、スキルス胃癌は、肉眼的に境界不明瞭で、癌細胞がびまん性に浸潤し、時には胃全体にわたる胃癌を指指します。多くは、癌細胞の浸潤に伴って間質結合組織の増殖を来し、胃壁は肥厚します。

癌細胞の浸潤が胃全体に及ぶと、胃は硬く収縮し、形成性胃炎型(形成性胃組織炎型)と呼ばれます。胃癌取扱い規約の肉眼分類4型にほぼ相当します。全胃癌の約10%程度にみられ、若年者や女性の胃癌では頻度が高いです。リンパ節転移の頻度が高く、治癒切除が困難なことが多いため、予後が悪いと言われています。

胃癌の治療


胃癌の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む
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