にはしばしば体内にガスがたまっているように感じる人もいる(俗に言う「膨満感」というものだ)。

アメリカ消化器疾病情報センター(The U.S. National Digestive Diseases Information Clearinghouse)では、この「不快に感じるガス」を減らすために、HealthDayにおいて次のようなアドバイスをしている。
・ガスの発生源となるような食品、例えば豆、乳製品、ふすまなど全粒小麦製品のようなものの摂取を控える。

・同様に桃や玉ねぎ、ブロッコリー、キャベツ、芽キャベツ、リンゴ、西洋ナシのような、野菜や果物の摂取も控える。

・甘味系のフルーツ飲料や炭酸飲料を避ける。代わりに水を飲む。

・ゆっくりとよくかんで食べる。そうすれば余計な空気を飲み込むことが防げる。

・ガスの原因となった食品を記録し、その食品の摂取を減らす。
要は昔のCM風に表現するのなら「ガスは元から断たなきゃダメ!」ということだ。よくある話として、繊維質を豊富に含んでいるサツマイモを食べるとおならが出やすくなるという話もあるが、これも含まれるのだろうか。

もちろん過度の調整をしてしまい、「ガスは減ったかもしれないけど、体を壊してしまった」のでは身も蓋もない。何事も適度なバランスが必要である。
(腸に不快なガスがたまりやすい時……原因となる食べ物を何とかしよう)

腹部膨満感とは


腹部膨満感を主訴とする患者さんに、緊急処置を必要とすることは稀だといわれています。腹部への気体貯留(鼓腸)あるいは液体貯留(腹水)によって起こることが多いです。

腹部膨満感をきたす主な原因は、1)消化管内のガスや腸内容の貯留、2)腹水、3)腹部腫瘤です。胃内容の停滞や人によっては肥満でも腹部膨満感を感ずることもあります。

腹腔内・後腹膜臓器の腫瘤や妊娠子宮などによっても、また腹壁への脂肪の貯留によってもみられることがあり、そうした疾患の鑑別も重要です。とくに、腹痛あるいはショック状態を伴う腹部膨満感では、イレウス、潰瘍穿孔あるいは肝癌など腫瘍破裂による腹腔内出血などが考えられるので、超音波検査、X線検査などの緊急検査などを要します。

一般に自覚症状として、「腹が張る」「腹が苦しい」などの腹部膨満感や緊張感を訴えることが多いですが、腸内ガスが原因の場合は、げっぷ、放屁、腹痛など他の症状もみられます。腹水が原因の場合は、かなり高度になるまで患者自身が気づかないこともあります。

腹腔内・後腹膜臓器の腫瘤などによる局所性の膨隆では、膨隆の自覚を訴えて来院する患者さんも多いです。膨隆のみられない膨満感を訴える場合は、管腔臓器の一過性の機能異常に起因し、特に精神的因子の関与が大きいことが多い場合もあります。

腹部膨満感に関する診断


まず、問診にて腹痛(→急性腹症)、悪心、嘔吐、排便、排ガスの有無(→イレウス)、また発熱(→腹膜炎)を確認します。さらに、発症が緩徐か(→腹水、腫瘍)、急速なのか(→イレウス)も重要なポイントです。基礎疾患(肝・心疾患など)、妊娠の有無、薬剤服用(→薬剤による腸管運動障害)の確認も重要です。

視診では、腹部全体が膨隆しているのか(→鼓腸、腹水)、局所性の膨隆なのか(→腫瘤)をみきわめます。腹壁静脈の怒張(門脈圧亢進→腹水)、手術瘢痕(癒着性イレウス)なども観察する必要があります。

触診では、腫瘤を触れたら、表面の性状や充実性か(→腫瘍)、cysticか(→嚢胞)を、また硬度や圧痛の有無を確認します。腫瘤の位置により臓器を推定し、筋性防御があれば腹膜炎や消化管穿孔を疑います。波動を認めれば腹水が考えられますが、皮下脂肪との鑑別が難しく、超音波検査が必要な場合があります。

打診では、まず仰臥位による打診で、鼓音(→鼓腸)か、濁音(→腹水または腫瘤)かを鑑別します。体位変化による濁音の変化をみることにより、腹水量を推定することもできます。

聴診では、腸雑音が亢進しているか(→機械的イレウス)、減弱あるいは消失しているか(→麻痺性イレウス,腹膜炎)を確認します。

さらに、以下のような検査などがあります。続きを読む