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自己免疫疾患

自己免疫疾患で休養へ−後藤邑子さん

所属事務所より体調不良のため休養が発表されていた声優・後藤邑子が19日、自身のブログで病名を「自己免疫疾患」と公表した。人気アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の朝比奈みくる役などで知られる後藤は18日、事務所が公式サイトで「本人の体調が優れないため、病院にて診察を受けたところ、治療が必要と診断されました。しばらくは治療に専念する為、休養をいただくことと致しました」と発表。ファンの間でも心配される声が寄せられていた。

後藤はその翌日夜、約1ヶ月半ぶりにブログを更新。事務所の勧めもあり病院で精密検査を受けたところ、緊急入院が決まった。「おおまかに言うと自己免疫疾患です。自分の免疫細胞が自分の体を攻撃して壊してしまう病気。私は心臓と肺と血球がやられてしまっていました。入院期間は最短で2ヵ月半になるそうです」と現状を報告している。

病気が判明し入院が決まったことで、家族やスタッフ、ファンの温かさを感じ、応援をより身近に感じたことで「本当は入院等の詳細は伏せてひっそり休もうとも思ったのですが、みんなの気持ちがあまりに真っ直ぐなものだったので、ここに返事を書こうと思いました。何もかも秘密にしていたら余計に心配させると思うから」と公表を決めたという。

また中学生の時にも似た病気に罹ったことがあるといい「とても運が良く、良い医師に救い出され助かりました。高校生にはなれない。と言われたポンコツな体はそれから何十年も私と一緒に走ってくれました。ここらでくたびれたから少し休みたい。今回はそんな感じかもしれません」とも。

ファンや関係者に向け「難しい病気だけど絶望的なものではありません。少しだけ安心してください」と呼びかけ、「ゆっくりじっくり治して、元気になって戻ってきます。それまで待っててくれたら本当に本当に嬉しいです」と綴り、今後もブログを更新すると宣言。「こっちも付き合ってくれたら嬉しいです」と明るく結んでいる。
(声優・後藤邑子「自己免疫疾患」で入院)

自己免疫疾患とは


本来、免疫とは生体の防御機構としてなくてはならない存在です。外界からの細菌やウイルスの侵入、あるいは癌細胞の発生などを監視しこれを排除する役目を果しています。

免疫系は、宿主自身の体の成分には反応/攻撃しないようにうまく制御されており、これを「自己の成分(自己抗原)に対する免疫学的寛容」といいます。

「自己免疫疾患」とは、下記のようなものです。続きを読む

キラーT細胞の「教育」に必要不可欠な酵素を発見

未成熟なT細胞は、胸腺と呼ばれる臓器の中で増殖・分化します。その際、有用なT細胞を選択して生存させる"正の選択"と、自己を攻撃する有害なT細胞を排除する"負の選択"の"教育"を受けることにより、さまざまな病原体や腫瘍細胞を攻撃できる多様性を持った「T細胞レパートリー」を形成しますが、レパートリー形成までの詳細な機構は不明でした。
 
今回の研究では、胸腺に特異的に発現する新しい酵素(「胸腺プロテアソーム」と命名)を発見し、この酵素が自己のたんぱく質を通常とは異なる方法で切断して細胞表面に提示することにより、キラーT細胞の正常なレパートリー形成に必須な役割を果たしていることを明らかにしました。この胸腺プロテアソームの遺伝子を欠損させたマウスは、キラーT細胞がほとんど産生されなくなります。
 
今回の成果は、自己免疫病や免疫不全病などの免疫疾患の発症メカニズム解明や治療法の開発、そして骨髄移植後のT細胞レパートリーの再構築や新しい癌ワクチン療法の試みなどに新たな視点を与えるものです。
(キラーT細胞の「教育」に必要不可欠な酵素を発見)


胸腺は胸骨の後ろに存在し、心臓の上部にこぶし大に存在する臓器です。上記の通り、未成熟なT細胞は、胸腺と呼ばれる臓器の中で増殖・分化します。ちなみに、免疫担当細胞であるT細胞のTとは、胸腺「Thymus」の頭文字である「T」から名づけられています。

胸腺において、Tリンパ球を分化する役割を持ちます。ですが、年齢による萎縮によりTリンパ球の分化が徐々に行えなくなるため、加年と共に自己抗体が作られ正常な細胞を破壊していくため、老化の要因の一因として考えられています。思春期までは活発に機能するが、その後はだんだん小さくなり、やがて脂肪になります。

キラーT細胞(細胞傷害性T細胞)は、リンパ球T細胞のうちのひとつで、宿主にとって異物になる細胞(移植細胞、ウイルス感染細胞、癌細胞など)を認識して破壊します。CTLは細胞傷害物質であるperforin, granzyme, TNF(tumor necroting facter)などを放出したり、ターゲット細胞のFasを刺激してアポトーシスに陥らせることで異物を攻撃します。一部はメモリーT細胞となって、異物に対する細胞傷害活性を持ったまま宿主内に記憶され、次に同じ異物に暴露された場合に対応できるよう備えます。

臨床的には、癌に対して癌細胞特異的な抗原に対するCTLを誘導することで治療しようという免疫療法などが研究されています。また、今回の発見により、自己の細胞に対する攻撃をしてしまうキラーT細胞の"教育"により排除を行って自己免疫疾患の治療、もしくは胸腺プロテアソームの遺伝子における欠損を治療することで、免疫不全を治療することができると考えられます。

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