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認知症

「認知症」と「単なる物忘れ」の簡単な見分け方

日経メディカルオンラインにて、「認知症か加齢による物忘れか迷ったら…」という記事が掲載されていました。

この記事では、病的な意味がある認知症と、単なる物忘れについての違いについて記載されていました。
重要なの違いは、
1) 物忘れ症状が進行するか否か
2) 日常生活に支障を来たすか否か

の2点に集約されるそうです。

1) 物忘れ症状が進行するか否か


アルツハイマー型認知症:その状態や程度、頻度が必ず進行・悪化するのが特徴。
年齢に伴う心配いらない物忘れ:物忘れの状態が何年経っても進行・悪化しないのが原則
だそうです。連れてきた家族に「患者さんの示す物忘れは、1年前よりも今のほうが悪くなっていますか? あるいは変化がありませんか?」と尋ねると、両者の鑑別に役立ちます。

つまりは、物忘れの状態が明らかに進行・悪化しているとの情報が、家族から得られたときには、認知症の可能性が高いと考えられるそうです。続きを読む

アルツハイマー病などの認知症を検査できる画像装置開発

アルツハイマー病などの精神疾患で生じる脳の記憶や認知に関わる部分の異常をとらえる薬剤と、高性能の画像診断装置を浜松医大(浜松市)などが開発し、5日、報道陣に公開した。

浜松医大によると、認知機能の変化を画像に反映する薬剤の実用化は初めて。病気の進行とともに記憶や認知の機能が低下する様子を詳しく調べられるほか、治療薬が実際に脳のどの部分で効果を発揮しているかを確認することもでき、新薬の開発につながるという。

浜松医大の間賀田泰寛(まがた・やすひろ)教授(薬学)らが、認知に関わるニコチン受容体に結合し、画像に映りやすくする薬剤を開発。浜松ホトニクス(浜松市)などと共同で、よりきめ細かい脳の画像を撮影できる装置を製作した。

間賀田泰寛教授


従来の画像診断は特殊なマスクで20分〜1時間程度、頭を固定しなければならず、じっとしていることができない重症患者には使えなかった。

今回開発した装置は患者が頭を揺らしたり、首を振ったりしてもセンサーが動きを追い掛けて補正するため、頭を固定する必要がなく、立ったままでも診断が可能だ。

装置は5年、薬剤は7〜10年程度での製品化を見込んでいるという。間賀田教授は「問診に比べ、画像診断は客観的な診断ができる。認知症の実態解明や治療に役立つ」と話している。
(認知機能の異常を画像診断 浜松医大、薬と装置で)

実際の装置や原理は、以下のようなものだそうです。続きを読む

ジブリが認知症のアニメーションを配給

三鷹の森ジブリ美術館が、養護老人施設を舞台にしたスペインの長編アニメーション映画『しわ』を配給し、6月22日より新宿バルト9ほかにて全国順次公開することが明らかになった。

本作は、スペインの漫画家パコ・ロカが描き、第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した漫画「皺」を、スペインの新鋭イグナシオ・フェラーレスが、長編アニメーション化した作品。高畑勲監督のファンであったフェラーレス監督が日本を訪れた際、高畑監督を訪問した縁もあり、世界の優れたアニメーション作品の数々を日本に紹介してきた三鷹の森ジブリ美術館が、配給を手掛けることを決めたという。

元銀行員のエミリオ、同室のミゲル、面会の孫を待ち続ける女性アントニア、認知症のモデスト、その世話を焼く妻ドローレスなど、養護老人施設で生活する老人たちの姿が描き出されていく本作。自分が認知症であることに気付き、気を病んでしまったエミリオのために行動を起こすミゲルの姿など、老人たちの絆が人々の心を打ち、フェラーレスは、新鋭ながらスペインのアカデミー賞と呼ばれる第29回ゴヤ賞最優秀アニメーション賞、最優秀脚本賞を受賞する快挙を成し遂げた。

そんな本作に、高畑監督も「『しわ』という作品で、アニメーション映画の持つ可能性がまたひとつ広がった、とわたしは思っています。元になっているコミックスがまずそうなのですが、この映画は、誰もが無関心ではいられないが、そのくせ、できれば目をそらせていたい老後の重いテーマを、勇気をもって扱っています。わたしはひとりの老人として、人間として、そして一アニメーション従事者として、映画『しわ』に心から敬意を表します」と賛辞を送っている。

第83回アカデミー賞長編アニメ賞にノミネートされた映画『イリュージョニスト』にもアニメーターとして参加していたフェラーレス監督は、日本との親交も深く、斬新な切り口で注目を浴び、映画化もされたおバカ・スポーツ競技の映像大会「東京オンリーピック」にも参加。高畑監督のファンとあって、手描きアニメーションの手法が用いられた本作には、節々に高畑監督作品、そして日本のアニメーション作品へ敬意が感じられる。三鷹の森ジブリ美術館が紹介する日本のアニメーションの影響を受けたスペインの優れたアニメーション映画を、ぜひ劇場で目にしたい。
(ジブリ、認知症描くアニメーション映画を配給)

認知症とは


認知症は65歳以上の高齢者の8 %以上を占め、加齢により発症率・有病率ともに急増します。日本では、人口の高齢化に伴い今後20年間で患者数は倍増すると見込まれます。2大原因疾患は、1) アルツハイマー病と2) 脳血管性認知症です。

アルツハイマー病とは、初老期〜老年期に認知症を生ずる代表的な変性疾患です。簡単に言ってしまえば、何らかの原因によって大脳皮質の神経細胞が少しずつ死滅し、脳が萎縮、記憶や意欲など生きるために必要な能力が徐々に失われていく疾患です。

記銘力障害(物忘れ)、失見当識(日付や今いる場所などが分からなくなります)で発症し、中期には失認・失行(以前できていたことが分からない、行えない)のため、日常生活に支障をきたします。ほかにも、物盗られ妄想(自分でどこかにしまってしまって忘れてしまっているのに、誰かに盗られたと思い込んでしまう)や徘徊(出歩いて帰れなくなる)、不眠などの周辺症状のため、介護負担が大きいことも問題となります。

日本では、65歳以上での認知症の約半数がアルツハイマー型痴呆とされています。一般には65歳以上の高齢者に多い病気ですが、40歳から50歳という働き盛りで発症してしまうこともあります。これは「若年性アルツハイマー病」と呼ばれ、通常より進行が早いのが特徴です。

神経病理学的特徴としては、老人斑、神経原線維変化、神経細胞脱落などがあります。上記にもありますが、沈着するβ蛋白が発症に大きく関わっているといわれています。アミロイド前駆体蛋白(APP)から切り出されたβ蛋白が、神経細胞障害を起こし、神経細胞死や神経原線維変化が生ずる、と考えられています。

ほとんどが孤発性(遺伝性がない)のアルツハイマー病ですが、家族性アルツハイマー病では、APP遺伝子やプレセニリン1遺伝子、プレセニリン2遺伝子の異常などが認められます。続きを読む

アルツハイマー型認知症治療薬アリセプト−ゼリー剤発売か

アルツハイマー型認知症治療薬「アリセプト」を製造販売する製薬大手のエーザイ。同社の2009年3月期決算によると、連結売上高は7817億4300万円で、このうちアリセプトの売上高は約3038億円。全体の4割近くを占める稼ぎ頭だ。同社は7月に、日本での内服ゼリー剤の承認を取得しており、今後、アリセプトの剤形の選択肢が広がることになる。

アリセプトは、神経伝達物質である脳内のアセチルコリンの濃度を高める作用を持ち、認知症患者の中核症状進行を抑制することができる。1996年11月にFDA(米食品医薬品局)から承認を受け、翌年米国で発売された。同じ年、英国でも発売され、日本では99年10月に承認を受け、同年11月に発売された。日本では唯一のアルツハイマー型認知症治療薬であり、同様の薬剤が複数承認されている米国や欧州全体でも、トップシェアを誇っている。
 
現在、錠剤、細粒剤、口腔内崩壊錠が発売されている。販売ベースで約65%を口腔内崩壊錠が占めている。

同社は7月22日、アリセプトの新たな剤形となる内服ゼリー剤の製造販売承認を日本で取得したと発表した。程よい甘さのあるはちみつレモン風味。ある程度の硬さと粘性はあるが、服用しやすいように舌でつぶすことができ、水なしで服用が可能だという。
 
このゼリー剤を開発するきっかけとなったのが、開発担当者が介護施設を訪問したことだ。嚥下障害を持ち、水を飲むことが困難な人がゼリーを摂取していた。その様子を目の当たりにした担当者は、ゼリータイプの製剤であれば、嚥下障害を持つ人でも服薬が可能なのではないかと考え、開発を行ったという。

同社PR部では、「すべてゼリー剤にするということではなく、主力は口腔内崩壊錠であり、あくまでも新たな選択肢の一つ。ゼリー剤を含めた4種類の選択肢の中から医療者、介護者、患者が最適な剤形を選ぶことにより、今まで薬物治療ができなかった人にも治療を受けてもらえるようになるのではないか」と期待を寄せている。

また、発売の時期については未定としながらも、年内の薬価収載を期待しており、そのタイミングで発売したいという。
(エーザイ、ゼリー剤承認取得で「アリセプト」充実へ)

アルツハイマー病とは


アルツハイマー病とは、初老期〜老年期に認知症を生じる、代表的な変性疾患です。簡単に言ってしまえば、何らかの原因によって大脳皮質の神経細胞が少しずつ死滅し、脳が萎縮、記憶や意欲など生きるために必要な能力が徐々に失われていく疾患です。

記銘力障害、失見当識で発症し、中期には失認・失行のため、日常生活に支障をきたします。ほかにも、物盗られ妄想や徘徊、不眠などの周辺症状のため、介護負担が大きいことも問題となります。

日本では、65歳以上での認知症の約半数がアルツハイマー型認知症とされています。一般には、65歳以上の高齢者に多い病気ですが、40歳から50歳という働き盛りで発症してしまうこともあります。これは「若年性アルツハイマー病」と呼ばれ、通常より進行が早いのが特徴です。

神経病理学的特徴としては、老人斑、神経原線維変化、神経細胞脱落などがあります。沈着するβ蛋白が発症に大きく関わっているといわれています。アミロイド前駆体蛋白(APP)から切り出されたβ蛋白が、神経細胞障害を起こし、神経細胞死や神経原線維変化が生ずる、と考えられています。

ほとんどが孤発性(遺伝性がない)のアルツハイマー病ですが、家族性アルツハイマー病では、APP遺伝子やプレセニリン1遺伝子、プレセニリン2遺伝子の異常などが認められます。

アルツハイマー病の診断


アルツハイマー病の症状としては、以下のような3期に分けられます。
第1期(初期):進行性の記憶障害、失見当識、失語・失行・失認、視空間失見当がみられ、被害妄想、心気-抑うつ状態、興奮、徘徊などを伴うことがある。

第2期(中期):中等度から高度認知症の状態。言語了解・表現能力の障害が高度となり、ゲルストマン症候群(計算ができなくなったり、字を書けなくなったり、今まで出来たことができなくなる)、着衣失行・構成失行、空間失見当などがみられる。

第3期(末期):精神機能は高度荒廃状態となる。言語間代(言葉の終わりの部分,または中間の音節部を痙攣様に何回もくり返すような発語障害)、小刻み歩行、パーキンソン様姿勢異常、痙攣発作などが出現する。
このような症状が現れてきます。大まかに分けて、認知機能障害(中核症状)に対するものと、非認知機能障害(周辺症状)に対するものに分けられます。

水道からバケツに水を入れていつまでも水を庭にまくといった反復行為も出現がみられます。性格変化が現れ、多動でまとまりのない行動異常が認められます。不用な空箱や紙くずをため込むような異常な収集癖を示す例も多いです。

診断は、DSM-IVによるAlzheimer型老年認知症の診断基準などがあり、そうした基準をもとに診断していきます。

慢性進行性の認知機能の障害が診断のポイントとなりますが、まず慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、脳炎、正常圧水頭症など治療可能な認知症を除外診断します。また、高齢者のうつ病や、せん妄に代表される軽度の意識障害で認知機能の障害を呈することがあり、これらとの鑑別も重要です。

CTスキャン、MRIで脳の萎縮が認められます。脳波はびまん性の徐波化を示します。PETでは頭頂葉の血流・代謝異常が特徴的です。ですが、いずれも確定診断の補助になるほどの特異的変化ではありません。

アルツハイマー病の治療


アルツハイマー病の治療は、以下の通りです。続きを読む
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