ライオンは29日、米製薬大手ブリストル・マイヤーズ・スクイブから解熱鎮痛薬「バファリン」の日本とアジア(中国と台湾を除く)、オセアニア地域での商標権を買収すると発表した。商標権の取得額は304億円。
 
現在は販売していないアジアでの販路開拓を進めるほか、バファリンの名称を使用した大衆薬を充実させ、医薬品事業の強化を図る。
 
ライオンは1962年から日本でバファリンの販売を開始。年間売上高は130億円程度で、大衆薬の解熱鎮痛薬部門で市場占有率トップを誇っている。
 
記者会見した藤重貞慶社長は「(ライオンの)大衆薬の売上高は500億円強だが、2008年12月期で700億円を目指す大きな材料になる」と述べた。
(「バファリン」の商標権を304億円で買収)


「バファリンの半分は、やさしさでできています」というキャッチコピーで有名ですが、これは単に解熱鎮痛作用を持つアセチルサリチル酸だけではなく、ダイバッファーHTと呼ばれる制酸剤を配合しているからです。

単に配合されているものから言えば、「やさしさ」というのは、「制酸剤が入っているので胃に優しい」と言うことになりそうです。

アスピリン系の解熱剤は胃細胞に取り込まれるとプロスタグランジン生産が抑制され胃酸分泌制御・胃粘膜保護も同時に抑制さるために胃痛を引き起こしていました。ですので、空腹時は避けるように飲む、ということが推奨されていました。

ですが、この問題を解決するためにバファリンはアセチルサリチル酸を制酸剤で包むことで胃にアセチルサリチル酸が吸収されないようにすることで胃に優しい薬にした、ということです。

アスピリン(アセチルサリチル酸)に代表される非ステロイド性抗炎症薬は、炎症、発熱作用を持つプロスタグランジンが抑制される事で抗炎症作用、解熱作用をもちます。また、シクロオキシゲナーゼは、血小板の作用に関係するトロンボキサンの合成にも関与しています。ですので、血栓が出来やすい人(心筋梗塞や脳梗塞など)は少量服用することがあります。

日本では、かなりのネームバリューがある商品ですので、304億円という企業買収並みの大金も納得の買い物、ということなんでしょうね。

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