巨人の高橋由伸外野手(34)が29日、今季中にも腰の手術を行う意向を明らかにした。30日に出場選手登録から外れる見込み。

腰痛のため2軍で調整していた高橋は、28日の阪神戦(甲子園)で今季初めて1軍に登録された。九回に代打で出場したが、見逃し三振に倒れていた。29日の試合前練習には、姿を現さなかった。

阪神20回戦の試合開始後に取材に応じた高橋は「状態が上がらず、よくない方向に向かっているということで、監督にも話をした」とした上で、「(腰の)痛みはやはりある。今のままでは、試合に出られるコンディションとしては厳しい」と話した。

また、「コンディションが上がらなければ(手術も)考えていた」と話し、今季中にも腰の手術を受けることを決断した。手術の時期などは未定。
(巨人・高橋由、今季中に腰の手術へ)

腰椎椎間板ヘルニアとは


椎間板は、隣接する脊椎の椎体と椎体の間にあるものです。円盤状をしており、周辺部の線維軟骨性の線維輪と、中央部のゼリー状構造の髄核からなっています。機能としては、脊柱において、椎体と椎体の間のクッションとして働いたり、椎体の運動の支点の役割をしています。

椎間板ヘルニアとは、この椎間板に異常な外力が加わり、線維輪を破って中心の髄核が流れ出ることによって生じます。結果、脱出した椎体の部分が神経根を圧迫して、腰痛や坐骨神経痛(下肢痛)などを生じます。

20〜40歳台の男性(スポーツ活動なども激しくなる、思春期頃から罹患者が増加する)に多いといわれています。一般的には、寛解と増悪を繰り返すようです。一般に中腰での労働、重量物の挙上、くしゃみなどを誘因として発症することが多いですが、何ら誘因のない場合もあります。

ほとんどが青壮年期に発症しますが、変性の軽度な10歳代からもみられます。20歳代前半までの若年者に起こるヘルニアでは形態、臨床症状、経過に成人発症と若干の違いがあります。

男性ではスポーツ活動者に多いといわれています。また、遺伝的要素の関与もいわれており、両親や兄弟に家族発生することが少なくありません。

椎間板ヘルニアは、頚椎、胸椎、腰椎のどこにでも発生する可能性があります。ですが、特に後縦靱帯、脊椎骨の構造の差から、頸椎より腰椎に生じやすく、胸椎にはまれなものであるといわれています。特に、L4/5間(第4腰椎と第5腰椎の間)、L5/S間(第5腰椎と仙椎の間)のヘルニアがほとんどを占めます。

腰椎椎間板ヘルニアの診断


腰部椎間板ヘルニアは、腰痛と片側の殿部痛や下肢放散痛で発症することが多いですが、腰痛は伴わない場合もあります。神経障害が進行すると、罹患神経支配領域の感覚障害、運動麻痺が起こります。疼痛は腰椎の運動負荷により増悪し、安静臥床により軽減します。

多くは急性の腰痛や殿部痛が先行し、数日のうちに下肢に放散する痛みやしびれが出ます。下肢症状は片側性が多いです。立位や歩行よりも座位がつらく、仰臥位よりも患側上の横臥位が楽な傾向にあります。

診断にあたっては、神経学的所見や疼痛部位と、単純腰椎X線、MRIなどによるヘルニアの高位と横断位が一致した場合に、診断が確定されます。

他覚的な所見としては、疼痛性側弯といって、坐骨神経痛に対する防御反応による機能的側弯で、構築性側弯と異なり椎体の回旋は通常伴わない所見がみられます。また、腰椎可動域減少がみられ、各方向の腰椎運動が制限され、坐骨神経痛があると前屈が制限されます。神経脱落症状といって、高度障害例では感覚障害、筋力低下などの麻痺症状を伴うこともあります。

神経学的所見では、上記のような症状(膝以下から足部の疼痛、知覚障害や筋力低下などや、末梢神経の障害による疼痛など)があるかどうか、ラゼーグテストLasegue testやSLR(straight leg raising)testが陽性であるかどうかなどが重要です。

下肢症状は圧迫された神経根の支配領域に一致し、麻痺を伴うことが多いです。脊柱管内ヘルニアではL3-4間でL4神経根(大腿前面から下腿内側の知覚、膝伸展筋力、膝蓋腱反射)、L4-5間でL5神経根(下肢外側から足背の知覚、足趾背屈筋力)、L5-S間でS1神経根(下肢後面から足底外側の知覚、足関節や足趾底屈筋力、アキレス腱反射)の症状がみられます。

Lasegueテストとは、伸脚挙上テストとも呼ばれ、あおむけで股関節と膝関節を90°になるようにし(脚を上げて、膝を曲げている状態)、その肢位から膝関節を伸ばしていく手技です。これで痛みがあれば、Lasegue徴候陽性です。

SLRテスト(straight leg raising test;坐骨神経伸展テスト)とは、坐骨神経伸展テストとも呼ばれます。膝関節を伸ばした状態で脚を上げ、殿部から下肢後面に痛みが誘発あるいは増強される場合を陽性とします。

大腿神経伸展試験(femoral nerve stretch test:FNST)では、原法は健側下の側臥位ですが、通常は腹臥位で行われ、股関節を過伸展し、膝関節を屈曲すると大腿前面の大腿神経支配領域に疼痛が生じます。

単純腰椎X線写真では、腰椎椎間腔の狭小化の有無、側面像で正常前彎が保たれているか否かなどをみます。MRIでは、突出した椎間板を確認するうえで有用です。椎間孔外ヘルニアが稀にあるため、脊柱管外側の所見にも注意を払う必要があります。その他、脊髄造影(手術時や多発ヘルニア例の責任高位確認のために行う)、選択的神経根造影(責任病巣の同定が困難な場合の、確定診断および治療として有用)などを用いることもあります。

腰椎椎間板ヘルニアにおける手術


腰椎椎間板ヘルニアにおける手術としては、以下のようなものがあります。続きを読む