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Wii

Wiiで腹腔鏡手術が上達する?

任天堂Wiiで遊ぶと腹腔鏡がうまくなる──。イタリアSapienza University of RomeのDomenico Giannotti氏らは2月27日、PLoS ONEでゲーム機を使って臨床能力を高められると示す試験結果を発表した。Wii本体 (シロ) Wiiリモコンプラス2個、Wiiスポーツリゾート同梱

Wiiとは、任天堂が開発した据え置き型のゲーム機のこと。遊ぶ時は持ったコントローラーを3次元空間で大きく動かす。例えば、テニスのゲームであれば、コントローラーをラケットのように振り抜くと、その動きに合わせて画面上のキャラクターもラケットを振り抜く。実際にテニスをしているかのように、ゲームを行えるのが特徴だ。

Giannotti氏らはWii操作に求められる手先の動きの器用さに着目。ゲーム操作に慣れることで、腹腔鏡手術に必要な技能も高められると想定した。そこで研修医にWiiをさせて、腹腔鏡の技術が高まるか否かを検証した。

対象としたのは1、2年目の研修医42人。シミュレーターで研修医の腹腔鏡の技術を評価した上で、無作為にWiiで遊ばせる21人と対照とする21人の2群に分けた。Wii群は4週間にわたってWiiのテニスゲーム、卓球ゲーム、飛行機を操作するゲームで1週間当たり5日、1日60分遊ばせた。

4週間後、再びシミュレーターで腹腔鏡の技術を評価した結果、Wii群、対照群ともに腹腔鏡の技術は有意に向上していた。その上で、Wii群は対照群と比較して、16の評価指標のうち13指標で有意に上達の度合いが高いと分かった。Giannotti氏らは結果を受けて、「腹腔鏡の研修を受ける医師にとって、Wiiは有用である可能性がある」と指摘している。
(「任天堂Wiiで腹腔鏡上達」の論文)

腹腔鏡手術とは


腹腔鏡手術とは、以下のようなものです。続きを読む

Wiiがコミュニケーション・ツールとして精神療法に利用される

「ゲームのネガティブな面ばかりではなく、有効利用されている事例も知ってほしい」――デジタルゲームの国際学術会議「DiGRA2007」で9月27日、精神科医の香山リカさんらが、精神医療やリハビリテーションの現場でゲームを治療に活用した事例などを紹介した。

香山さんは1990年代半ばから20例ほど、精神医療でゲームを活用した治療を行っているという。「ゲームによってやればできるという自信がつくことが重要なポイント」と香山さんは語る。

例えば、対人恐怖で「引きこもり」だった女性のケース。家族に勧められWiiのスポーツゲームを始めた女性は、ゲームが上達するにつれて家族から評価されることが自信につながり、顔の表情が徐々に明るくなった。その後は、アルバイトに出かけるまでに回復したという。

また、相手の気持ちを想像するといったコミュニケーションが苦手なアスペルガー症候群患者の男性は、友人ができないことに悩んでうつ状態になっていたが、香山さんに勧められてオンラインゲームを始め、ゲーム内のユーザーとチャットで短いコミュニケーションをするようになった。男性はもともとゲーム好きだったという。

「この男性の場合、相手の気持ちを想像するのが苦手だというコミュニケーション上の不得意な部分は、短いチャットなら現れにくかった。ゲームやオフ会などで他ユーザーと会話し、相手に受け入れられるという経験を重ねたことで、うつ状態が改善された」と香山さんは説明する。

「精神科医を訪れる患者は、現実世界に対して疎外感を持っていて、例えばアルバイトやボランティアなどに参加することに抵抗があることも多い。ゲームなら気軽に始められるし、練習してレベルが上がれば達成感が得られるという特徴もある。ゲームが治療で活用される事例はまだまだ少ないが、使い方次第でゲームならではの特徴が治療に有効に働くことがあるということを知ってほしい」(香山リカ)
( Wiiで引きこもり克服も――精神医療にゲームを活用)


Wiiといえば、「急性wii炎」なるものがスペインの医師によって命名されて一時期、有名になりました。急性wii炎(Wiiitis)は肩の痛みなど、スポーツ外傷のような症状ですが、テニス肘とは完全には同じというわけではないもののようです。医師の友人も同様の症状を呈していたため、この疾患を提出するに至ったようです。

もしかしたら、「急性wii炎」なるものの発表以外に、「ゲームによる精神療法」などというものが論文発表で出てくるかも知れませんね。上記のニュースでは、コミュニケーションのツールとして、効果的な手段であるという実例を示しています。

こうしたことは、オンライン対応になったため、というところが大きいのではないでしょうか。他にも、wiiは体感ゲームが多いため、周囲の人とともに愉しめる、という特徴を持ち、コミュニケーションが生まれやすい、ということが言えると思われます。こうした点は、既存の「閉鎖されたゲーム」では起こる可能性の低い効果であると思われます。

一方で、ゲーム上でのコミュニケーションと、現実世界でのコミュニケーションでは、大きな隔たりがあるのも事実。ゲームのような年代や感覚の均一化した人とのコミュニケーションは上手くいっても、社会に出て、年代も様々な考えの人が存在する世界で、果たして対応できるのか、といったら疑問でしょう。クローズドサークルの世界にどっぷりと浸かってしまい、"還ってこなくなる"なんてことも問題として生じうるように思います。

やはり、ある一定の効果を上げたら、次からは実世界でのステップアップした練習が必要となると思われます。ですが、その前段階の効果は評価するに値するものを秘めていると思われます。単なるブームで終わらず、今後も発展していって欲しいと願っております。


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「急性Wii炎」ってご存じ?−医師もゲームにハマって肩痛

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任天堂が昨年末に発売したゲーム機「Wii(ウィー)」でテニスのゲームに熱中し、肩を痛めたスペインの医師が、この痛みを「急性Wii炎」と名付け、7日付の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に注意喚起の投稿をした。

Wiiは、画面を見ながらコントローラーを振り回すなどして、ゴルフやテニスなどを実際に似た形でプレーできるゲーム機。

投稿したバルセロナ市のジュリオ・ボニス医師(29)は「日曜の朝、右肩に激痛が走った。何の運動もした覚えがなかった」と自身の体験を伝えた。心当たりは前日、Wiiを買ってから数時間にわたってテニスゲームをしたこと。消炎鎮痛剤を1週間服用し、Wiiを一切しないことで完治したという。

「ゴルフなどのゲームもあり、予想しない筋肉を使うこともありうる。医師はWii炎多発に注意すべきだ」とボニス医師は結んだ。

Wiiは3月末までに世界で約584万台が売れている。任天堂広報部は「強く振り回さなくてもプレーできる、と繰り返し説明している。注意しながら楽しんでいただきたい」としている。
(「急性Wii炎」…ゲームで肩痛のスペイン医師、自ら命名)


ゲームが原因の疾患としては、「Nintendinitis」なるものがあります。
1990年に、35歳の女性が任天堂のゲームを連続5時間プレイしたために腱鞘炎にかかったことを受け、医師が"任天堂ゲーム機のコントローラのボタン操作によって引き起こされる親指の痛み"を「Nintendinitis」と命名したそうです。それだけ普及し、愉しんでいる人がいる、ということの裏返しなんでしょうね。

急性wii炎(Wiiitis)は肩の痛みなど、スポーツ外傷のような症状ですが、テニス肘とは完全には同じというわけではないもののようです。ジュリオ・ボニスの友人も同様の症状を呈していたため、本稿を提出するに至ったようです。

ジュリオ・ボニス医師が、診療してきた中には、まだwiitisと診断された人は居なかったようですが、中にはいたのかも知れない、とのことです。

とにかく、wiiのやりすぎで痛みにお困りの方は、ジュリオ医師のようにwiiをお休みし、消炎鎮痛剤を服用なさる、ということがいいようです。

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