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cafe au lait斑

今日の一問(問題)
cafe au lait斑は真皮メラノサイトから生じる。



(答え)×
(解説)cafe au-lait spot(カフェオレ斑)は、境界鮮明、扁平な乳褐色の色素斑で、von Recklinghausen病(多発性神経線維腫症)にみられる大,小の褐色色素斑のうち、大褐色斑(大レックリングハウゼン斑)に相当する。手掌大くらいまでが多い。このような皮疹が、体幹や四肢に多発する。出生時に出現していることが多く、神経線維腫症が出現していなくても、直径1.5cm以上の色素斑が6個以上存在していれば、von Recklinghausen病が強く疑われる。
 
カフェオレ斑では、表皮基底層のメラニン顆粒が著明で、巨大メラノソームも観察される。組織学的には表皮基底層のメラニン色素の増加で、色素細胞や母斑細胞の増加はない。この色素斑のみが正常人に認められる場合は扁平母斑の一種と考えられる。このほかAlbright症候群(マクキューン・オルブライト症候群)などに伴ってみられることもある。

…扁平母斑とcafe au-lait spotはどう違うの?と思ったのですが、個々の皮疹はそれぞれ区別できず、von Recklinghausen病に伴うもの→cafe au-lait spotと考えていいようです。
 
ちなみに、最新医学大事典の"色調は、ミルクをたっぷり入れたコーヒーの色に似ている"…とカフェオレの説明をしている点が、秀逸と思った次第。

太田母斑

今日の一問(問題)
太田母斑は真皮メラノサイトから生じる。



(答え)○
(解説)太田母斑は、眼上顎褐青色母斑ともいう。黄色人種の思春期女子に好発し、三叉神経1,2枝領域に片側性の淡青褐色斑と眼球メラノーシスを生じる。真皮メラノサイトの増殖とメラニンの表皮基底層への沈着による。悪性化は認めないが、自然消退もない。レーザー療法が効果的である。

[補足]
三叉神経第1〜2枝領域である、上下眼瞼・頬骨部,側額部に淡青〜淡褐色の小色素斑が点状,集族性に存在する。約半数に強膜,紅彩,眼底の色素沈着を認め、鼓膜,口腔,鼻粘膜にも生ずることもある。

女子に多く、思春期にあるいは先天性に生じるため、患者の心理的負担を考え、レーザー療法を行う。Qスイッチレーザーが著効する。

真皮メラノサイトから生じるのは青色母斑、太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシスなどがあります。

色素性母斑

今日の一問(問題)
色素性母斑は真皮メラノサイトから生じる。



(答え)×

(解説)色素性母斑とは、母斑細胞母斑ともいう(というか、診断名では母斑細胞母斑を使うべき)。母斑細胞の増殖による母斑であり、小さなものはいわゆる"ほくろ"である。
 
神経堤由来の母斑細胞が異常増殖することにより、黒褐色の色素斑が皮膚に生じる。神経堤由来の細胞にはメラノサイトとSchwann細胞があるが、このどちらにも分化しきれずに中途半端のままになっているものが母斑細胞である。一般的に遺伝性を認めない。

[補足]ダーモスコピー所見で陽性のものは経過観察します。手のひらや足の下など、刺激の加わりやすい所に出来ているもの、美容上大きな問題があるもの(つまり見た目が悪いもの)は、外科的切除やレーザー治療を行います。

…私も、脚にできた大きなほくろを手術でとりました。やっぱり、見た目が悪いですからね。悩んでいる方は、一度病院(皮膚科)でご相談してはいかがでしょうか?
 
ちなみに、真皮メラノサイトから生じるのは青色母斑、太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシスなどがあります。また、蒙古斑も胎生期の真皮メラノサイトーシス由来です(ご存じの通り、自然消失します)。

類器官母斑

今日の一問各論3 「皮膚・頭頸部疾患」
(問題)
類器官母斑は真皮メラノサイトから生じる。



(答え)×
(解説)皮膚付属器官(表皮、付属器、結合組織など)が関与し、種々の成分由来の細胞が異常増殖して生じる。
…ということなので、表皮原基から生じると考えられます。

[補足]生下時から存在し、頭部被髪部や顔面に後発し、頭部に生じると脱毛斑となる。加齢とともに基底細胞癌(合併率20%程度)などの悪性腫瘍を生じる場合があるため、切除が望ましい。また、症状は以下のように3期に分けられている。

第1期:乳幼児期は限局性類円形,楕円形の黄色,表面顆粒状の軽度隆起した局面で、有髪部位では毛髪を欠如する脱毛斑となる。
第2期:思春期以後病変部は乳頭状,結節状,疣贅状に盛り上がる。
第3期:病変内に種々の付属器系良性腫瘍や基底細胞腫などの悪性腫瘍が発生する。

壊疽性膿皮症

今日の一問各論3 「皮膚・頭頸部疾患」
(問題)
壊疽性膿皮症は大動脈炎症候群に合併しやすい。



(答え)○
(解説)壊疽性膿皮症とは、無菌性膿疱、穿掘性潰瘍と多彩な合併症を特徴とする慢性膿皮症であり、病因としては自己免疫異常が考えられている。下肢,とくに下腿,体幹,殿部,顔面などに浸潤性紅斑,小結節,膿疱,水疱が孤立性にあるいは集族性に生じ、数日のうちに急速に潰瘍化する。

高率に合併する多彩な基礎疾患が本症の特徴であり、外国例では潰瘍性大腸炎、わが国では大動脈炎症候群の合併率が高く、リウマチ,クローン病などのほか、最近では骨髄増殖性疾患の例が注目されている。
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2006年02月27日より運営している医学系ニュースサイトです。
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国内の3大疾病である癌、脳卒中、心筋梗塞から稀な難病、最新の治験・治療法など、学んだことを記していきたいと思います。時には微笑ましいニュースから、社会的な関心事となっている医学の問題、感動的な闘病記など、幅広く取り扱っていきたいと思います。ブログパーツ
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