今日の一問各論3 「皮膚・頭頸部疾患」
(問題)
肝血管肉腫は塩化ビニルモノマーが原因となる。



(答え)○

(解説)
まず、塩化ビニル中毒について以下に記す。塩化ビニルvinyl chloride(H2C=CHCl)はポリ塩化ビニル,塩化ビニリデン‐塩化ビニル共重合体,酢酸ビニル‐塩化ビニル共重合体などの製造に用いられる。無色の気体であり、呼吸器からの侵入で、麻酔作用を示すほか、比較的低毒性であるが、長期間吸入で(高濃度暴露による急性中毒もあるが)皮膚の硬化性病変、レイノー現象、指端骨溶解、肝脾腫、肝血管肉腫などがある。塩化ビニルモノマーをポリマーに重合させてプラスチックにする重合槽の清掃作業者に認められている。検査としては、肝機能検査、血小板数検査、超音波診断法および肝シンチグラフィーなどを行う。

次に、肝血管肉腫について記す。肝癌の中で、非上皮性で悪性の腫瘍である。そもそも、血管肉腫とは血管原性の悪性腫瘍で、悪性血管内皮腫と悪性血管外皮腫に大別されるが、通常前者をさす。軟部腫瘍中では、比較的まれなものの一つである。成人男性に好発する。好発部位は頭頚部,下肢,体幹などの皮膚や、軟部組織,乳房,内臓(肝,脾など),骨である。
 
組織学的には、分化型では異型内皮細胞が単層、または多層の配列を示して増殖し、不規則に吻合する小血管腔を形成するが、未分化型では明らかな血管内腔を認めず、未熟な異型内皮細胞の均一性、充実性の増殖をみる。


…とのことです。
塩化ビニルモノマーは、発がん性のある物質とみなされており、「有害大気汚染物質」に該当する可能性のある234物質の一つに選定されています。また、234物質の中でも健康リスクがある程度高いと考えられる22の「優先取組物質」の一つに指定されています。作業環境については、労働安全衛生法施行令により、特定化学物質(第二類物質)に指定されています。
 
つまりは、雇用者側でしっかりと対策をとらなければならないわけですね 。塩化ビニルモノマーは、食品包装材、ビニールシート、建材など様々な分野で用いられているわけで、結構メジャーな物質だと、改めて認識しました。