各論III-6「後眼部疾患」
中心性漿液性網脈絡膜症の診断には網膜電図が有用である。

(答え)×
(正解率)42.6% [00:18時点]
(解説)眼底検査にて、黄斑部に円形の漿液性網膜剥離がみられる。また、蛍光眼底造影法にて色素の漏出点が確認される。

 網膜電図は角膜や中間透光体の混濁により眼底の見えない疾患の網膜機能検査にみられる。白内障、硝子体出血、前房出血、網膜色素変性症、網膜剥離、糖尿病性網膜症などがみられる。

 中心性漿液性網脈絡膜症とは,30〜40歳代の男子に好発する黄斑疾患である.その本態は狭い範囲の網膜色素上皮に血液網膜関門blood‐retinal barrierとしての異常が発生し,この部から脈絡膜由来の漿液が網膜下に達するため,黄斑を含んで限局性に発生した網膜剥離であることが明らかにされている.網膜色素上皮にこのような異常が発生する理由は明らかでないが,ストレスが発症の誘因になることが多い.
 症状としては,中心暗点,変視症,小視症があるが,視力障害はあまり高度でなく,また屈折状態の軽度の遠視化がみられる.検眼鏡的には黄斑を中心に1〜数乳頭径の限局性の網膜剥離が認められ,このなかに網膜色素上皮の異常が小型の黄白色の病巣として認められることがある.また,発病後ある日数経過すると,病巣内に網膜沈着物と呼ばれる細かい斑点がみられるようになる.
 原則的には6〜12ヵ月で自然消退する疾患であるが,網膜色素上皮の異常部が中心窩から離れていれば,この部に光凝固を行う.

[注]これは、医学評論社で毎平日更新中の一問一答を解説していく…という、不毛なことをやるコーナーです。

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