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今日の一問一答(2007/02/09):各論V-3「先天性心疾患」
総動脈幹症は新生児期または乳児期早期に手術を必要とする。
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答え:○(正答率77.4%)

解説:総動脈幹症とは、本来二つある心臓の出口の弁・大血管(大動脈、肺動脈)が、総動脈幹と呼ばれるひとつの出口になっている比較的稀な先天性心疾患。
 右心室から送り出される血も左心室から送り出される血液も、ともに総動脈幹に拍出される。総動脈幹からは全身への動脈と肺への動脈に枝分かれして血液を分け合う。右心室からの血液は静脈血のため、チアノ−ゼを来す。
 新生児期よりチアノ−ゼを来す。乳児期早期より、心不全症状が出現する。すなわち呼吸が速い、呼吸がしんどそう、ぜろぜろいいやすい、脈が速い、ミルクの飲みが悪いなどである。
 また総動脈幹の弁逆流や大動脈弓部の異常(大動脈縮窄や大動脈弓離断症など)を合併しているものはより早期に重篤な状態に陥る。総動脈幹症で、もし何らかの外科治療を行わなければ2,3ヶ月以内には半分以上、そして1年以内にはほとんど全例死亡するといわれている。治療法としては、手術は病型にもよるが、心室中隔欠損孔を閉鎖し、肺動脈は心外導管で右室と吻合するラステリ型手術や後壁は自己組織を用いるBarbero-Marcial手術が選択される。