しゃっくりが止まらず苦しんでいた米フロリダ州の女子高生(15)のしゃっくりが、発生から37日目にして止まった。しゃっくりは1月23日に突然始まり、1分間に約50回というハイペースで続いていた。民間療法を試し、感染症の専門医や神経学者などの治療を受けても止まらなかったが、2月28日夕方、催眠術師の治療を受けた後、治まったという。

しゃっくりが始まったのは1月23日で、高校で科学の授業を受けている最中だったという。以来、睡眠中以外は1分間に約50回というハイペースで続いたという。

止まらなくなって約3週間たった先月中旬、困り果てた母親が地元紙に事情を説明。ジェニファーさんが新聞やテレビを通じて「しゃっくりのせいで、めちゃくちゃ。朝、目が覚めても、すぐに眠くなる」と訴えると、全米から「治療法」のアドバイスが届いたという。

「砂糖を舌の下に置く」「ピクルスジュースを飲む」「紙袋に息を吹き込む」などの言い伝えや、さまざまな民間療法を試したが、効果がなかった。血液検査やCTで調べ、感染症の専門医や神経学者の治療を受けたが、原因は分からず、止まらなかった。

2月28日午後5時すぎ、女性催眠術師の治療を受け、催眠術から覚めると、しゃっくりは治まった。単純計算で1時間に約3,000回。1日8時間睡眠が取れたとして1日約4万8,000回。36日間で172万回以上のしゃっくりをしたとみられるジェニファーさんは家族に「もう2度とhがつく言葉は言わないで(英語でしゃっくりはhiccup)」と涙を浮かべて喜び、映画館に行きたいと話しているという。


しゃっくりとは、横隔膜の痙攣により、声帯が閉じて「ヒック」という音が発生することが一定間隔で繰り返される現象で、ミオクローヌス(筋肉や筋肉群に起きる素速い稲妻のような収縮)の一種とされています。

横隔膜は、末梢の迷走神経や横隔神経知覚枝から、延髄の呼吸中枢に刺激が送られ、そこから横隔神経運動枝に刺激が伝達されるといった流れで働いています。この一連の流れのうちどれかひとつにでも異常な刺激がおきると、横隔膜痙攣(つまり、しゃっくり)が発生します。

原因としては、
・中枢性しゃっくり
中枢神経が刺激されて起こる場合(中枢神経疾患アルコール中毒、脳腫瘍など)

・末梢性しゃっくり
迷走、横隔神経が刺激されて起こる場合(肺炎、気管支喘息など)

・横隔膜の直接刺激によるしゃっくり
1)横隔膜が刺激されて起こる場合(腹部の疾患、手術など)
2)消化管が刺激されて起こる場合(過度の飲食、急な食事などで横隔膜に近い位置にある臓器が拡張し、横隔膜を刺激する場合など)

という風に分けられます。
ですが、この女子高生の場合、検査をしても原因は分からなかったようです。催眠術で治療されたとのことなので、どうやら心因的なものも作用してたのでしょうかね。

ちなみに、ギネスブックには米アイオワ州のチャールズ・オズボーン氏が、1922年から97歳で亡くなる前年の90年まで68年間、毎分20〜40回のしゃっくりが続いたという“世界記録”が記載されています。どうやら、しゃっくりをしてても、長生きはできるようです。

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