定年退職後は、悠々自適な生活で心の病とは無縁…と思いきや、そうはいかないようである。環境が変わり、心のよりどころを失うことが主な要因で、不安で落ち着かなくなったり、極端な無気力状態になったりする…いわゆる「定年鬱病」というものがあるらしい(2007年「定年鬱病」問題 団塊よ居場所を作れ)。会社への帰属意識が強く、仕事一筋で過ごしてきた人ほどかかりやすい傾向があるという。

定年鬱病の主な症状は、
1)焦燥感(不安で落ち着かない/焦っていらいらする)
2)無気力(何に対してもやる気が起きない/これまで好きだったことへの興味がなくなる)の2つだという。

鬱病は、日常生活のさまざまな出来事やストレスが原因になることが多い。定年前後にかかった人の大半は、長年勤めた会社という組織を離れ、心のよりどころを失ったことがきっかけになっているという。

心当たりのある方は、一度、病院を尋ねてみられたらいかがでしょうか。

鬱病は、セロトニンやノルアドレナリンといった脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることによって起こります。意欲の低下や気分の落ち込みといった精神面の異変に加え、頭痛や吐き気、睡眠の異常といった身体面にも症状が現れます。どうしてこういったことになってしまうかは不明ですが、ストレスの負荷が大きな原因とされています。

「毎日が日曜日に変わる。やりたいことができるというのに、どうして"ストレス"が?」と思いになられるかも知れませんが、仕事ばかりに打ち込み、趣味を持たない人たちが「どうしたらいいのか分からない」ということで悩み、環境の変化に適応できず、鬱病を発症してしまうようです。

「仕事が生き甲斐」というのは立派ですし、意義のあることだとは思いますが、それ以外にも趣味と呼べるものを定年前から見つけておくことも重要なようです。