2007年03月13日放送の「本当は怖い家庭の医学」にて紹介されていた。

2年前に夫を亡くして以来、一人で暮らしてきたT・Mさん。ある日、遊びにきた孫娘から口が臭いと指摘されてしまいました。最近では人と接することが少なくなり、日々の歯磨きも怠りがちになっていたT・Mさん。さっそく歯磨きを始めたところ、歯茎から血がにじんでしまいました。孫娘に嫌われないよう、ちゃんと歯を磨こうと決心したT・Mさんですが、その後も気になる異変が続きました。

起こった症状というのは、以下のようなものだった。
1)口臭
2)歯茎からの出血
3)食後、声がかすれる
4)倦怠感
5)食欲不振

「口臭」と「歯茎からの出血」は、歯周病になってしまっていることを示します。その結果、口の中に肺炎を引き起こす様々な雑菌が繁殖してしまったのです。結果、口内には雑菌が繁殖(口腔由来の嫌気性グラム陰性桿菌やグラム陽性球菌が高頻度で、検出されています)。

「食後、声がかすれる」というのは、誤って気管に入った食べカスが声帯の上に付着し、一緒に振動して起きたもの。食後にだけ声がかすれるのは、誤嚥性肺炎を疑う重要なサインとされています。

高齢であることに加え、自覚症状のない小さな脳梗塞(ラクナ梗塞)を引き起こしていたため、脳からの指令がうまく伝わりませんでした。その結果、物を食べるときはもちろん寝ている時にも、口の中にある大量の雑菌が唾液とともに肺の中に流入。ついに炎症を起こしてしまったのです。

「倦怠感」や「食欲不振」は、肺炎による炎症・発熱が起こっているためと考えられます。

番組内のデータでは、誤嚥性肺炎の発症率は、口腔ケアを行わないと、およそ2倍になるとのこと。特に高齢者の方は、しっかりと食後の歯磨きなどを行い、誤嚥性肺炎の防止を行う必要がありそうです。