2007年03日21日付けの朝日新聞に「市場原理 広がる疑問」と題された記事が掲載されている。
米通信大手モトローラの元技術者ウィリアム・マレーさん(52)さんは昨年春、病院からの請求書に凍り付いた。CTスキャンやX線などの検査料が1.1万ドル(約130万円)、別に届いた診察料や救急車代も入れると1.5万ドル(約180万円)。
その一ヶ月前、妻や友人家族とのラスベガス旅行中に倒れた。意識は戻ったが、病院に運ばれた。診察は数分で、翌日に退院。「貧血を起こしただけ」のつもりだった。
勤務部門のインド移転で解雇され、保険料月175ドルの健康保険を止めた。会社の補助が消え、継続すると月800ドルになったからだ。無保険を告げたら、医者は「心配ない」と言ったが……。「弱者こそ守られるべきだが、この国(アメリカ)は逆」だという。
病院は、契約者数の多い保険会社への医療費請求を大口割引する一方、無保険者には高い額を求める。無保険者だと同じ治療でも保険会社への請求の4〜5倍が相場という。
大観光地などの人口の多い地域は競争が激しい分、保険会社への割引率が高く、無保険者には割高だという。「保険に入らない方が悪い」と言われてしまえばそれまでだが、医療に市場原理の波がおとずれると、こうした"歪み"が起こってしまうという良い例だと思う。
他にも、ハーバード大の05年調査では、個人破産約140万件の約半数が医療費のための借金過多が原因だという。医療や安全は、貧富の差に関係なく必要とされるものだ。そこにまで市場原理が入り込んで良い物なのか…考えさせられる記事だった。
米通信大手モトローラの元技術者ウィリアム・マレーさん(52)さんは昨年春、病院からの請求書に凍り付いた。CTスキャンやX線などの検査料が1.1万ドル(約130万円)、別に届いた診察料や救急車代も入れると1.5万ドル(約180万円)。
その一ヶ月前、妻や友人家族とのラスベガス旅行中に倒れた。意識は戻ったが、病院に運ばれた。診察は数分で、翌日に退院。「貧血を起こしただけ」のつもりだった。
勤務部門のインド移転で解雇され、保険料月175ドルの健康保険を止めた。会社の補助が消え、継続すると月800ドルになったからだ。無保険を告げたら、医者は「心配ない」と言ったが……。「弱者こそ守られるべきだが、この国(アメリカ)は逆」だという。
病院は、契約者数の多い保険会社への医療費請求を大口割引する一方、無保険者には高い額を求める。無保険者だと同じ治療でも保険会社への請求の4〜5倍が相場という。

他にも、ハーバード大の05年調査では、個人破産約140万件の約半数が医療費のための借金過多が原因だという。医療や安全は、貧富の差に関係なく必要とされるものだ。そこにまで市場原理が入り込んで良い物なのか…考えさせられる記事だった。